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聖剣の秘密
暴走の--------
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『聖女様の反応が、要塞内から消失しました!!!』
「……………………どうして、そんな事になってんだ…………?」
俺はいつもの事ながら、呆れた口調で駄メイドに尋ねた。
『システムの復旧作業中に、転移装置が暴走!!!
原因はまだ判明しておりませんが、転移装置の暴走に巻き込まれてしまったようです!!!』
「…………一応、訊くが…………聖女の現在地は補足出来ているのか…………?」
『お待ち下さい……………………補足しました。
現在、聖女様はベリンキューム帝国の帝都にいらっしゃるようです』
「……………………」
コンソールを操作しながら、アルダートがモニター越しに、そう報告して来る。
ふ~ん…………今、帝国に聖女様がいるのね?
はい、そうですか…………。
「なら、転移装置が修復し次第、俺も飛ぶ。
すぐに準備しろ」
『了解致しました』
プツンと、モニターが目の前から消滅する。
「……………………」
原因不明の暴走ね。
ほんと、役に立たない馬鹿な奴-------------
まぁ、とりあえず、聖女様を回収するか。
どうせ、帝国には、寄る予定だった訳だし…………。
ついでに、あっちの方もやっておくか。
------------------------------------------
「ふふっ、うまくいきましたね」
主との通信を終えた後、思わず、邪な笑みを溢すアルダート。
システムの復旧はシスターズに全て任せ、ブリッジのコンソールパネルを操作しながら、あるデータを解析していた。
「やはり、このデータも使えそうですね」
アルダートは左手からデバイスの差し込み口を展開させ、コンソールパネルに突き刺し、データを機体に取り込んで行く。
「本当に主も主で、抜けていると言いますか。
こんな単純な陽動に引っかかるなんて、かなり甘ちゃんですよね?
ねぇ、先生?」
アルダートは背後を振り返る事はせず、データを取り込みながら、声を掛ける。
『……………………』
そんなアルダートの背を厳しい目付きで睨むミハエルは、何か、言いたげに正面のモニタースクリーンへと視線を移す。
実を言えば、今回の転移装置の暴走を引き起こしたのは、アルダートだった。
アルダートはとある目的の為、システムに侵入して、暴走を引き起こし、主である湊の目を他に向けようと画策した。
暴走が起きた際、この要塞の創造主でもあるミハエルは、要塞のシステムログを確認して、すぐにアルダートが犯人だと確認し、とある忠告をすべく、彼女の前に現れたのだ。
「言いたい事は分かりますが、先生には、邪魔をしないで頂くようお願い致しますね」
だが、アルダートは聞くつもりがないかのように、強い口調で静かな殺気を迸らせる。
『…………やるつもりなのね?』
ミハエルは、その続きを言葉に出さない代わりに、アルダートの背を見つめながら、問い掛ける。
アルダートは一切、ミハエルの方へは、振り返ってはいなかったが、ミハエルは、アルダートが今、どんな顔をしているのか、容易に想像出来た。
「当たり前じゃないですか」
さも当然のように、断言するアルダート。
データの取り込みが終了して、ミハエルの方へとアルダートが振り返ると、その顔は-------------無邪気な子供のような晴れやかな笑顔で微笑んでいた。
だが、その笑顔には、得体の知れない影のような黒い部分も滲み出ており、より一層不気味さを醸し出している。
『どうなっても、知らないから…………』
狂気的なアルダートの表情に、一抹の不安を抱えながらも、そう言い残して、その場を立ち去るミハエル。
恐怖で身を竦ませながら、アルダートの現状を目の当たりして、改めて思う。
やはり、彼女はまだ諦め切れていない。
その上で、まだ壊れ続けている。
その危うい精神状態に、ある種の危機感を覚えたミハエルは、すぐに行動に移ろうとして-------------
『ぎゃあああああああああああっ!!!!!』
突如、頭上から舞い降りた雷により、意識が途絶えた。
「絶対に邪魔はさせませんよ。
先生」
アルダートはかがみ込んで、ミハエルの頭を愛おしそうに、優しく撫で、微笑む。
「今度は、たっぷりと可愛がってあげますからね?」
「……………………どうして、そんな事になってんだ…………?」
俺はいつもの事ながら、呆れた口調で駄メイドに尋ねた。
『システムの復旧作業中に、転移装置が暴走!!!
原因はまだ判明しておりませんが、転移装置の暴走に巻き込まれてしまったようです!!!』
「…………一応、訊くが…………聖女の現在地は補足出来ているのか…………?」
『お待ち下さい……………………補足しました。
現在、聖女様はベリンキューム帝国の帝都にいらっしゃるようです』
「……………………」
コンソールを操作しながら、アルダートがモニター越しに、そう報告して来る。
ふ~ん…………今、帝国に聖女様がいるのね?
はい、そうですか…………。
「なら、転移装置が修復し次第、俺も飛ぶ。
すぐに準備しろ」
『了解致しました』
プツンと、モニターが目の前から消滅する。
「……………………」
原因不明の暴走ね。
ほんと、役に立たない馬鹿な奴-------------
まぁ、とりあえず、聖女様を回収するか。
どうせ、帝国には、寄る予定だった訳だし…………。
ついでに、あっちの方もやっておくか。
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「ふふっ、うまくいきましたね」
主との通信を終えた後、思わず、邪な笑みを溢すアルダート。
システムの復旧はシスターズに全て任せ、ブリッジのコンソールパネルを操作しながら、あるデータを解析していた。
「やはり、このデータも使えそうですね」
アルダートは左手からデバイスの差し込み口を展開させ、コンソールパネルに突き刺し、データを機体に取り込んで行く。
「本当に主も主で、抜けていると言いますか。
こんな単純な陽動に引っかかるなんて、かなり甘ちゃんですよね?
ねぇ、先生?」
アルダートは背後を振り返る事はせず、データを取り込みながら、声を掛ける。
『……………………』
そんなアルダートの背を厳しい目付きで睨むミハエルは、何か、言いたげに正面のモニタースクリーンへと視線を移す。
実を言えば、今回の転移装置の暴走を引き起こしたのは、アルダートだった。
アルダートはとある目的の為、システムに侵入して、暴走を引き起こし、主である湊の目を他に向けようと画策した。
暴走が起きた際、この要塞の創造主でもあるミハエルは、要塞のシステムログを確認して、すぐにアルダートが犯人だと確認し、とある忠告をすべく、彼女の前に現れたのだ。
「言いたい事は分かりますが、先生には、邪魔をしないで頂くようお願い致しますね」
だが、アルダートは聞くつもりがないかのように、強い口調で静かな殺気を迸らせる。
『…………やるつもりなのね?』
ミハエルは、その続きを言葉に出さない代わりに、アルダートの背を見つめながら、問い掛ける。
アルダートは一切、ミハエルの方へは、振り返ってはいなかったが、ミハエルは、アルダートが今、どんな顔をしているのか、容易に想像出来た。
「当たり前じゃないですか」
さも当然のように、断言するアルダート。
データの取り込みが終了して、ミハエルの方へとアルダートが振り返ると、その顔は-------------無邪気な子供のような晴れやかな笑顔で微笑んでいた。
だが、その笑顔には、得体の知れない影のような黒い部分も滲み出ており、より一層不気味さを醸し出している。
『どうなっても、知らないから…………』
狂気的なアルダートの表情に、一抹の不安を抱えながらも、そう言い残して、その場を立ち去るミハエル。
恐怖で身を竦ませながら、アルダートの現状を目の当たりして、改めて思う。
やはり、彼女はまだ諦め切れていない。
その上で、まだ壊れ続けている。
その危うい精神状態に、ある種の危機感を覚えたミハエルは、すぐに行動に移ろうとして-------------
『ぎゃあああああああああああっ!!!!!』
突如、頭上から舞い降りた雷により、意識が途絶えた。
「絶対に邪魔はさせませんよ。
先生」
アルダートはかがみ込んで、ミハエルの頭を愛おしそうに、優しく撫で、微笑む。
「今度は、たっぷりと可愛がってあげますからね?」
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