【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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水の遺跡

晴々としていた

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「ざまぁみやがれ…………」

 聖戦の元凶を脳天からぶった斬った俺は、とても清々しい気持ちだった。

 いやね?

 こいつの所為で、色々と迷惑被って来たじゃん?

 そりゃこれぐらいしなくちゃ気が済まないよ。

 ハズレ勇者として、城を追い出され、さっさと死んで来いと言わんばかりに捨てられて-------------

 そんで、こいつがこんなロボット共を作った挙句、暴走も止めずに、責も負わずに逃げ出したクソ野郎だ。

 こんな奴、頭から脳髄ぶち撒けて、無様に死んで行けば良い。

「……………………」

 何か、サイコパスにでもなった気分だな…………?

 もう目の前で、人が脳髄ぶち撒けて死んでいても、何も感じない所か、喜んでいる自分がいるのが分かる。

「ほんと、変わっちまったな…………」

 主に俺の精神面が-------------

「あっ…………」

 そこで、冷静さを取り戻して、ある事を思い出した。

 こいつに聖戦の事、聞き忘れた。

 頭に血が上って我を忘れていたとはいえ、やってしまったな…………。

 俺の足元で、モザイクになった元凶に視線を向ける。

「どうするべき、か…………」

『全く酷い目にあったわ』

「っ!?」

 本の少し、目を離した瞬間、モザイクだった少女が起き上がって来た。

《マグナムモード》

 慌てて、距離を取って、シグマ・ブレードの銃口を向ける少女に向ける。

 確かに、こいつの息の根は止めた筈…………なのに、何故…………?

『いやぁ~、うっかり忘れてたけど、私、半分死んでたんだ』

 半分死んでる?

「どういう意味だ…………?」

『そのままの意味だよ…………』

 さっきと打って変わって、真面目な口調で、語り掛けて来るミハエルと名乗る少女。

『確かに、私は聖戦の原因を作った

 でも、止めようとはしたんだよ?

 まあ、その結果が、この姿でもあるんだけど…………』

「分かり易く話せ…………」

『さっきまで、人の話を聞こうとしなかった-------------いや、何でもないよ』

 また、ふざけた事を抜かそうとした少女の頬をビームが掠る。

 ほんと、こいつの性格はあの駄メイドと似ていて、イライラする。

 あいつの性格、こいつから引き継がれていないか?

『まぁ、とりあえず、聖戦の事に関して、色々と説明するから、撃つのは待ってね?

 それから、肉なり焼くなり、好きにして貰っても良いからさ』

「……………………」

 胡散臭さ半端ねぇな…………。

 さて、ここはこの話を、信じるべきか、信じないべきか。

 この二択だろう。

 まあ正直、アルダート臭が半端ないこいつの話は信用ならない。

 選ぶなら後者だな。

 聖戦の元凶でもあるこいつを野放しにしておく必要はない。

 こいつの所為で、罪なき多くの人間が死んでいった。

 だったら、もう一変、殺して、殺して、殺し尽くして、死んでいった連中の痛みを与えるべきだろう。

 しかし、半分死んでると語ったこいつの殺し方は、どうやったのか、今も分かっていない。

 それを探る為にも、ここは信じた振りをして、俺はミハエルの話しを聞く事にした。

 
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