【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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水の遺跡

戦艦は男のロマン?

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 超カッコいいじゃねえか-------------

 何て、歓喜の声を上げる俺。

 今はプラモの姿だが、きっと涙腺が崩壊して、涙の滝を作っている事だろう。

 それにしても、何でこんな所に戦艦なんてもんがあるんだ?

 ここは湖の底を、水深三千メートルっていう深海さながらの底だぞ?

 ん?

 何だ?

 光の球体が何か伝えたそうに、俺の周りをグルグルと周り、とある方向へと向かって行く。

 その後に、追随するように追い掛ける。

 しばらく、進んだ後、球体が何かの目の前で止まる。

 この入り口から、入れって事か?

 堅牢な自動ドアらしき前で、漂っていた球体がドアを擦り抜けて入って行った。

 いや、普通にこれ、入れねぇだろ?

 開け方も知らねぇんだぞ?

『って、開いた!?』

 堅牢なドアがスッと横にスライドして開き、その奥にあの球体が浮かんでいる。

 分かった。

 分かりましたよ。

 行けば良いんでしょう?

 そう心の中で、ぼやきながらも、入り口に入って-------------

『…………嘘だろ…………?』

 またもや、驚く。

 戦艦の中は空気で満ち溢れ、背後には壁にでも遮られているかのように、水が押し留められている。

 まるで、別の世界との隔たりがあるかのような、その異様な光景に固まった。

 でも、それなら、好都合だ。

 俺は変身を解いて、本来の姿に戻り、アイテムボックスからリボルバーやマシンガン系の銃を取り出した。

 艦の中が空気に満ち溢れているなら、地上と同じように動けるという事。

 ここでなら、銃火器が使用可能な筈だ。

 ある程度の装備を終えて、球体の後を更に追い、【格納庫】とプレートに記された場所へと入って行くのを見て、その入り口の扉の陰に隠れながら、慎重に中の様子を伺う。 

「……………………」

 当然、人の気配はない。

 俺の位置からでは、あの球体の姿が見えない。

 意を決して、室内の中へと入り、マシンガンを構える。

 その中で、俺が目にしたものは、先程、俺の首筋に抱き付いて来た少女が、あの球体を手に、ダイヤモンドのような大型の結晶体の上で、こちらを見下ろしている姿だった。

『どう? やっぱり、戦艦は男のロマンって奴でしょ♪♪』

 いや、そんな事を言われても-------------

 確かに少なからず、そう思っているけども、色々と君の所為で台無しだよ。

『それにしても、あのアルダートの力を借りたとしても、あの守護者達をあんな風に片付けちゃうなんてね♪♪

 ちょっと、嬉しいかも♪♪』

「君は誰だ…………?」

 俺はマシンガンの銃口を少女に向けつつ、問うた。

 この幽霊みたいな半透明の少女が得体の知れない存在である事は変わりない。

 なら、こちらもこちらで、警戒するのは仕方のない事。

 何処となく、アルダートに似た少女の正体には、少なからず心当たりがあるが-------------

『そんなに警戒しなくても、大丈夫だって♪♪

 私の名は【ミハエル】-------------【ミハエル・ロバート】って言うのよ♪♪

 アルダートの製作者にして、あなたと戦ったゴーレム達の創造主よ♪♪♪』

 それを聞いた瞬間、俺の目から光が消え-------------静かにその引き金を引いた。
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