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水の遺跡
見つからない
しおりを挟む ミズーリ王国に属する辺境の領地スイーナ周辺に位置する山林-------------
その山林にて、尋常じゃない数の騎士と馬車が隊列を組むとある一団が、ミズーリ王国の王都へと向かっていた。
この国の王の命により-------------
湊達によって、空の悪魔が討ち倒されたあの町から研究の為、数多くの悪魔の残骸が王都へと運び込んまれていたのだ。
山林を移動するこの一団もその一つだ。
『…………ケイサンドオリ………………』
「ん? 今、何か言ったか?」
「いいや…………? どうしたんだよ、急に…………?」
「…………?
可笑しいな…………?
今、誰かが呟いたような気がしてよ…………」
「気のせいだろう?」
「…………それもそうか…………」
変だなと、首を傾げる御者は、それ以降は全く気にする事なく手綱を握る。
その御者が操舵する馬車の積荷には、悪魔の散乱した破片が木箱の中に詰められていた。
その木箱に開いた小さな穴から、何かが静かに這い出て来る。
そして、ゆっくりと御者の方へと近付いていき、御者の隣で鼻歌を歌っている同僚の服に飛び付き-------------
同僚の服の上を登り始めた。
「ん? おい、そりゃあ、なんだ…………?」
「あぁ…………?」
そいつが同僚の肩の辺りまで、登り終えると御者がその存在に気付いて指を差した。
何の事だと…………?
同僚は自分の肩の方に視線を向けようとして-------------
「え…………?」
大きく開け放たれた口のようなものが視界に現れたのを最後に同僚の意識はそこで途切れた。
『…………オイシイ…………』
「ひ、ひぃいいいい!!!!???」
御者はその光景を目の当たりにして、馬車を止める事すら忘れて、慌てて飛び降りるが…………。
『ニガサナイ…………』
いつの間にか、服にしがみ付いていたそいつに飲み込まれて行った。
「な、何だこいつは!?」
最寄りの馬車の異変に気付いた騎士の一人が、御者が飲み込まれる瞬間を目撃し、自然な動作で剣を引き抜いた。
『マダマダ…………ゴチソウガイッパイ…………』
御者を咀嚼し終えたそいつは、剣を構える騎士を視界に捉え-------------
その口が三日月のように歪んだ。
そう-------------まだ悪夢は始まったばかりだったのだ。
その山林にて、尋常じゃない数の騎士と馬車が隊列を組むとある一団が、ミズーリ王国の王都へと向かっていた。
この国の王の命により-------------
湊達によって、空の悪魔が討ち倒されたあの町から研究の為、数多くの悪魔の残骸が王都へと運び込んまれていたのだ。
山林を移動するこの一団もその一つだ。
『…………ケイサンドオリ………………』
「ん? 今、何か言ったか?」
「いいや…………? どうしたんだよ、急に…………?」
「…………?
可笑しいな…………?
今、誰かが呟いたような気がしてよ…………」
「気のせいだろう?」
「…………それもそうか…………」
変だなと、首を傾げる御者は、それ以降は全く気にする事なく手綱を握る。
その御者が操舵する馬車の積荷には、悪魔の散乱した破片が木箱の中に詰められていた。
その木箱に開いた小さな穴から、何かが静かに這い出て来る。
そして、ゆっくりと御者の方へと近付いていき、御者の隣で鼻歌を歌っている同僚の服に飛び付き-------------
同僚の服の上を登り始めた。
「ん? おい、そりゃあ、なんだ…………?」
「あぁ…………?」
そいつが同僚の肩の辺りまで、登り終えると御者がその存在に気付いて指を差した。
何の事だと…………?
同僚は自分の肩の方に視線を向けようとして-------------
「え…………?」
大きく開け放たれた口のようなものが視界に現れたのを最後に同僚の意識はそこで途切れた。
『…………オイシイ…………』
「ひ、ひぃいいいい!!!!???」
御者はその光景を目の当たりにして、馬車を止める事すら忘れて、慌てて飛び降りるが…………。
『ニガサナイ…………』
いつの間にか、服にしがみ付いていたそいつに飲み込まれて行った。
「な、何だこいつは!?」
最寄りの馬車の異変に気付いた騎士の一人が、御者が飲み込まれる瞬間を目撃し、自然な動作で剣を引き抜いた。
『マダマダ…………ゴチソウガイッパイ…………』
御者を咀嚼し終えたそいつは、剣を構える騎士を視界に捉え-------------
その口が三日月のように歪んだ。
そう-------------まだ悪夢は始まったばかりだったのだ。
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