【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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水の遺跡

デルタアーム

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 俺は要塞内にある居住スペースの自室にて、新たなプラモの最終調整に入っていた。

 そのプラモとはもちろん、あの巨大ロボットに変形してしまったあの戦闘機だ。

 一応、《デルタアーム》と名付けられたあの機体の内の一機を、例の水中実験の為に、スキルを使ってプラモ化したのだ。

 その後は、何やかんやあって、アルダート達に交渉して、俺の新たな機体として、頂戴しました。

 水陸両用のプラモを持っていた方が、水中で戦う際には、かなり有利になると思うし-------------

 可変飛行式の機体なんて、結構なロマンがあると思わない?

 しかも、水中も移動出来るからお得でっせ!? 

 まぁ、変形する時、色んな所が曲がるから、痛いのかな…………?

 なんて事も考えたけど、割と問題なかった。

 変形して飛んでいる時の感じはなんか、某特撮ヒーローの宇宙人みたいな感じで、腕を真っ直ぐに伸ばしているような感覚だった。

 攻撃方法も、それとなく念じれば撃てるようだしな…………。

 おっと、話が脱線した。

 今、俺がやっているのは、《デルタアーム》に取り付けるオプションパーツの作成中だ。

 一度、機体をバラしてから、観察し、それに合った装備を確立して行く。

 今回は水中でビーム系統の威力が下がる事も踏まえ、実弾系やミサイルを主軸とした装備にしようと考えている。

 もちろん、多少は威力面の問題もあり、比較的軽装備なビーム系統の類も取り付ける予定だが、割と少なめな感じだ。

 特に、重要なのは、この機体の主要武器となる《デルタ・シールド》-------------

 シグマ・ブレードのように、シールドから武器を収納、展開するギミックはない。

 そのシールド自体が剣であり、盾でもあるのだ。

 その為、シールドの先端辺りは剣の切っ先のように三角状に尖っている。

 もちろん、貫く事すら可能だ。

「よし…………出来たな…………」

 俺のエグゼスよりも、機動性を重視した為か、装甲の強度が少々下がったが、納得した仕上がりになっている筈だ。

 まぁ、後は出たとこ勝負って感じだな…………。

『主よ。

 要塞がシエラ湖、上空に到着致しました』

 お、良いタイミングで通信が入ったな-------------って、ちょっと待て!?

「おい!

 この駄メイド!!

 何なんだよ、この機能は!?

 通信なんか出来たんか!!?」

 俺は目の前に開かれた通信モニターに映るアルダートを問い詰めた。

『あ、そういえば、主には言い忘れていましたね。

 現在、この要塞の機能を八十パーセントまで復旧しました。

 ですので、通信機能が復活しました事をここにご報告致します』

 悪びれた様子もなく、端的に答えるアルダート。

 もう、このポンコツ嫌だ!!

 そろそろ、俺の胃に穴が開くぞ!?

 いや、ハゲるのかな?

 それはそれで、嫌だな-------------
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