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水の遺跡
閑話 魔族来訪
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~王城サイド~
ベリンキューム帝国の王城-------------
その玉座の間にて、皇帝ベリクリフは多くの騎士の護衛の元、四天王ヘレスディアを向かい入れていた。
「こちらの無理な申し出をお受け頂きありがとうございます。
魔王軍四天王が一人、ヘレスディアと申します」
室内へと入るなり、にこやかな笑顔を浮かべ、礼儀正しい挨拶をするヘレスディア。
ベルクリフの周りにいる騎士達は警戒を緩める事なく、いつでも動けるよう、剣の柄に手を掛けていた。
一瞬でも、気を抜く事を許されない。
文字通り、生か、死か-------------その二択を迫られるような独特な緊張感が周りを支配していく。
「お初にお目に掛かる。
我は現ベリンキューム帝国皇帝、ベルクリフ・ベリンキュームと申す。
して、かの名高いヘレスディア殿が私のようなものに何用かな…………?」
何とか、受け答えするベリクリフだったが、内心では戦々恐々としていた。
一つでも、選択肢を誤れば、この国は数日もしない内に滅びる。
それを直で肌に感じられる程、今、目の前にいる魔族は強大で、恐ろしい存在であった。
かつて、とある小国で、その美貌で男という男を惑わし、数ヶ月もの間、人間同士を殺し合わせ続けた狡猾にして、残忍なサキュバス。
人間の世界において、ヘレスディアはそういう認識であった。
そんなサキュバスが、自分に面会を求めて来た。
何か、裏がある。
そう踏んでいたのだが-------------
「今回は私が魔王軍を代表して、休戦の申し出をしに参りました」
ヘレスディアの発言に、室内にいた全員が驚愕する。
あの魔王軍が人類に対して、休戦を申し入れて来た。
人類の長い歴史において、そんな話、今までに無かった事-------------
すぐに何かの策略だと、皆、顔を引き締めたのだが…………。
【聖戦】
不意に、ヘレスディアがそう呟いた。
「こちらでは、もう始まっておられるんですよね?」
「…………何が言いたい…………?」
彼女の真意を掴め切れないベルクリフは訝しげな視線を送りながらも、静かに問い掛ける。
すると、彼女は先程までと打って変わって、真剣な眼差しで語り掛けて来る。
「魔王様が殺されました」
「何だとっ!?」
驚きのあまり王座から立ち上がるベルクリフ。
「それも聖戦のものと思しき、たった一体のゴーレムによってです。
私の配下達に調べさせた限りでは、魔王様は応戦するも、魔法や剣が全く通用せず、そのまま…………」
「……………………」
にわかには信じられない話だった。
だが、その魔法や剣が通じないというのは、我が国の諜報員が、レミリア共和国の数少ない生存者からの証言と合致する。
しかし、確証がない。
本当に魔王は殺されたのか?
この話は本当に信用しても良いものなのか?
様々な葛藤がベルクリフの頭の中を駆け巡る。
「仕方がありませんね…………」
そんなベルクリフの葛藤を読んでか、ヘレスディアが右腕に嵌めていた宝石状の腕輪に手をかざした。
すると、ヘレスディアの背後に、映画の鑑賞スクリーンのようなものが現れ、とある映像が流れ始めた。
「これは…………?」
「現在、魔族領で行われている戦闘の映像です。
記録水晶という名の魔導具はご存知ですよね?」
それくらいなら、ベルクリフも嫌が応にも知っている。
記録水晶-------------
現在進行形で行われている任意の場所の映像を見せる古代の魔導具。
所有者が一度、立ち寄った場所のみの映像しか映し出せない限定的な力ではあるが、---------------その映像は、古代の難解な術式で構築されている故、現代の技術では、映像を偽造する事が不可能とされている。
そのため、現代では、世界の真実を映し出す魔導具として、伝説にもなっている貴重な魔導具だ。
現在、その記録水晶が映し出す映像には、魔族と思しき兵士達が、ゴーレムのような何かと戦う姿が映し出されている。
魔法も効かず、剣も跳ね返されても尚、戦い続ける魔族達の姿が-------------
「これが…………これが、聖戦の災厄…………」
「こんな奴らが攻めて来るのか…………?」
「こんな常識外れな連中とどうやって戦えっていうんだ?」
なす術もなく、虐殺されて行く魔族達-------------
それを背に悲痛な面持ちを浮かべるヘレスディア-------------
いつしか、皇帝だけではない。
皇帝の護衛をしている周りの騎士達すら食い入るように、映像から目が離せなくなっていた。
奮闘虚しく、最後に生き残っていた魔族の兵士が敵に取り囲まれ、無数のゴーレムにより惨殺され-------------映像が途切れた。
「ご覧頂いたように、これが現在、我々が置かれている状況です。
私も、かの災厄と遭遇致しましたが、まるで歯が立たず、このような結果になりました」
突如、ヘレスディアが上に羽織っていたコートのようなものを脱ぎ落とすと、皆の視線が彼女の身体へと注がれた。
決して、彼女の魅力的なプロポーションに目を奪われた訳ではない。
むしろその逆、皆の視線は彼女の身体のある一点に集中していた。
肩の辺りからお腹の辺りまで伸びる痛々しいその大きな傷跡に皆、恐怖する。
「四天王である私でさえも、全く歯が立ちませんでした。
この傷が何よりの証明とです。
今は人類だの、魔族だのと争っている場合ではないのです。
一刻も早く互いに手を取り合い、聖戦によってもたらされる災厄に対抗しなければなりません。
それが出来なければ、災厄は瞬く間に世界全土を包み込み、あらゆる生命が死を迎える事でしょう」
この場にいる誰もが、彼女の言葉を否定しない。
否、否定出来る訳がない。
実際に、大国の一つが滅ぼされて、まだ日が浅い。
その上、世界の真実を映す、あの《記録水晶》の映像。
そして、四天王である彼女のあの傷跡を見れば、かなりの信憑性がある。
「もしベルクリフ様が、我々、魔王軍の休戦の申し出を受けて下さるなら、こちらが知り得る災厄の情報を全て提供する事をお約束致します」
「……………………」
ベルクリフは悩みに悩んだ末、彼女の申し出を受ける事にした。
これをきっかけに、聖戦に関する研究は飛躍的に進み始め、人々は仮初の希望を得て行く事になる。
それが破滅への道だとしても-------------
ベリンキューム帝国の王城-------------
その玉座の間にて、皇帝ベリクリフは多くの騎士の護衛の元、四天王ヘレスディアを向かい入れていた。
「こちらの無理な申し出をお受け頂きありがとうございます。
魔王軍四天王が一人、ヘレスディアと申します」
室内へと入るなり、にこやかな笑顔を浮かべ、礼儀正しい挨拶をするヘレスディア。
ベルクリフの周りにいる騎士達は警戒を緩める事なく、いつでも動けるよう、剣の柄に手を掛けていた。
一瞬でも、気を抜く事を許されない。
文字通り、生か、死か-------------その二択を迫られるような独特な緊張感が周りを支配していく。
「お初にお目に掛かる。
我は現ベリンキューム帝国皇帝、ベルクリフ・ベリンキュームと申す。
して、かの名高いヘレスディア殿が私のようなものに何用かな…………?」
何とか、受け答えするベリクリフだったが、内心では戦々恐々としていた。
一つでも、選択肢を誤れば、この国は数日もしない内に滅びる。
それを直で肌に感じられる程、今、目の前にいる魔族は強大で、恐ろしい存在であった。
かつて、とある小国で、その美貌で男という男を惑わし、数ヶ月もの間、人間同士を殺し合わせ続けた狡猾にして、残忍なサキュバス。
人間の世界において、ヘレスディアはそういう認識であった。
そんなサキュバスが、自分に面会を求めて来た。
何か、裏がある。
そう踏んでいたのだが-------------
「今回は私が魔王軍を代表して、休戦の申し出をしに参りました」
ヘレスディアの発言に、室内にいた全員が驚愕する。
あの魔王軍が人類に対して、休戦を申し入れて来た。
人類の長い歴史において、そんな話、今までに無かった事-------------
すぐに何かの策略だと、皆、顔を引き締めたのだが…………。
【聖戦】
不意に、ヘレスディアがそう呟いた。
「こちらでは、もう始まっておられるんですよね?」
「…………何が言いたい…………?」
彼女の真意を掴め切れないベルクリフは訝しげな視線を送りながらも、静かに問い掛ける。
すると、彼女は先程までと打って変わって、真剣な眼差しで語り掛けて来る。
「魔王様が殺されました」
「何だとっ!?」
驚きのあまり王座から立ち上がるベルクリフ。
「それも聖戦のものと思しき、たった一体のゴーレムによってです。
私の配下達に調べさせた限りでは、魔王様は応戦するも、魔法や剣が全く通用せず、そのまま…………」
「……………………」
にわかには信じられない話だった。
だが、その魔法や剣が通じないというのは、我が国の諜報員が、レミリア共和国の数少ない生存者からの証言と合致する。
しかし、確証がない。
本当に魔王は殺されたのか?
この話は本当に信用しても良いものなのか?
様々な葛藤がベルクリフの頭の中を駆け巡る。
「仕方がありませんね…………」
そんなベルクリフの葛藤を読んでか、ヘレスディアが右腕に嵌めていた宝石状の腕輪に手をかざした。
すると、ヘレスディアの背後に、映画の鑑賞スクリーンのようなものが現れ、とある映像が流れ始めた。
「これは…………?」
「現在、魔族領で行われている戦闘の映像です。
記録水晶という名の魔導具はご存知ですよね?」
それくらいなら、ベルクリフも嫌が応にも知っている。
記録水晶-------------
現在進行形で行われている任意の場所の映像を見せる古代の魔導具。
所有者が一度、立ち寄った場所のみの映像しか映し出せない限定的な力ではあるが、---------------その映像は、古代の難解な術式で構築されている故、現代の技術では、映像を偽造する事が不可能とされている。
そのため、現代では、世界の真実を映し出す魔導具として、伝説にもなっている貴重な魔導具だ。
現在、その記録水晶が映し出す映像には、魔族と思しき兵士達が、ゴーレムのような何かと戦う姿が映し出されている。
魔法も効かず、剣も跳ね返されても尚、戦い続ける魔族達の姿が-------------
「これが…………これが、聖戦の災厄…………」
「こんな奴らが攻めて来るのか…………?」
「こんな常識外れな連中とどうやって戦えっていうんだ?」
なす術もなく、虐殺されて行く魔族達-------------
それを背に悲痛な面持ちを浮かべるヘレスディア-------------
いつしか、皇帝だけではない。
皇帝の護衛をしている周りの騎士達すら食い入るように、映像から目が離せなくなっていた。
奮闘虚しく、最後に生き残っていた魔族の兵士が敵に取り囲まれ、無数のゴーレムにより惨殺され-------------映像が途切れた。
「ご覧頂いたように、これが現在、我々が置かれている状況です。
私も、かの災厄と遭遇致しましたが、まるで歯が立たず、このような結果になりました」
突如、ヘレスディアが上に羽織っていたコートのようなものを脱ぎ落とすと、皆の視線が彼女の身体へと注がれた。
決して、彼女の魅力的なプロポーションに目を奪われた訳ではない。
むしろその逆、皆の視線は彼女の身体のある一点に集中していた。
肩の辺りからお腹の辺りまで伸びる痛々しいその大きな傷跡に皆、恐怖する。
「四天王である私でさえも、全く歯が立ちませんでした。
この傷が何よりの証明とです。
今は人類だの、魔族だのと争っている場合ではないのです。
一刻も早く互いに手を取り合い、聖戦によってもたらされる災厄に対抗しなければなりません。
それが出来なければ、災厄は瞬く間に世界全土を包み込み、あらゆる生命が死を迎える事でしょう」
この場にいる誰もが、彼女の言葉を否定しない。
否、否定出来る訳がない。
実際に、大国の一つが滅ぼされて、まだ日が浅い。
その上、世界の真実を映す、あの《記録水晶》の映像。
そして、四天王である彼女のあの傷跡を見れば、かなりの信憑性がある。
「もしベルクリフ様が、我々、魔王軍の休戦の申し出を受けて下さるなら、こちらが知り得る災厄の情報を全て提供する事をお約束致します」
「……………………」
ベルクリフは悩みに悩んだ末、彼女の申し出を受ける事にした。
これをきっかけに、聖戦に関する研究は飛躍的に進み始め、人々は仮初の希望を得て行く事になる。
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