【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった？〜

水の遺跡

答え

『全問正解♪♪♪

　全ての謎を解き明かした君には、優勝商品として、遺跡の位置情報を送るね♪♪♪』

　あまりにも、うざったらしい声に青筋を浮かべながら、眉をピクピクと動かす俺。

　俺の側で、無表情にパチパチと手を叩くアルダートの姿が視界に入って、尚うざい…………。

　というか、この問題は何だよ？

　パンはパンでも、食べられないパンは何だ？　とか、簡単な、なぞなぞしかねぇぞ？

　何で、こんなのも分からないんだ？

　このポンコツ駄メイドは-------------

「流石は主。

　こんな難解な問題をこれ程、早く解き明かすとは…………この不詳アルダート、感服致しました」

「……………………」

　今回は本気なのか、わざとなのか判断に困るな…………。

　ってか、俺も俺だ。

　何で、ブリッジにこんな似つかわしくないもんがある事に気付かないんだよ？

　俺も俺で人の事言えないよな…………？

　俺は、今目の前にある、ブリッジの片隅に不用意に置かれていた、このルーレットマシーンを凝視した。

　見るからに純金で塗り固められたそれはブリッジを照らす、日の光が反射して、キラキラと輝き、異様な存在感を醸し出している。

　そんなルーレットマシーンが左右に開くと、そこには、台座らしきものが上がって来て-------------その上に、マイクロチップなようなものが置かれている。

「すぐに調べろ」

「仰せのままに」

　俺はそれを取ると、アルダートに渡して、結果を待つ。

　まぁ、意図的かは知らんが、ここはブリッジだ。

　すぐに答えが出る。

「データのインストールを終了しました。

　目標を確認。

　モニターに映します」

　アルダートがブリッジのコンソールに、あのチップを挿入すると、ブリッジのモニターに地図らしきものが映し出され、何やら赤い点のようなものが点滅している。

「拡大します」

　その赤い地点へと、アルダートが地図を拡大させると、湖らしきものがモニターに映る。

　その中央の辺りに、あの点滅がある。

「場所はここから南東三百キロの地点。

　ハート皇国領内にあるシエラ湖だと思われます」

　ミズーリ湖ね。

　差し詰め、シエラ遺跡と言った所か。

　一応、衛星カメラを駆使して、そのシエラ湖上空の映像を出して貰ったが-------------

　こりゃあ、間違いなく水の中に遺跡があるじゃねぇか…………。

　また、厄介な所に作りやがって！！

　俺は何気なく、ステータス画面のカタログから、水の中でも戦えそうな装備を探してみた。

　結果、それらしい装備は見つかったが、どれも実体剣や実体弾などの装備ばかり。

　今の俺のプラモ-------------エグゼスの機体スペックでは、この装備を着けて、機敏に動けるとは思えない。

　つかそもそも、俺のスキルって水中にも対応出来たっけ…………？

　そう疑問に思った俺は移動要塞内にある研究スペースにて、プラモに変身した状態で、水の中に入れるか確認してみるのだった。