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世界の破滅編
閑話 な、何だと…………?
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~魔族サイド~
「ば、馬鹿な…………」
そう呆然と呟くのはとある任を受け、湊が現在滞在するミラーグの町へと向かっていた一体の魔族だった。
あまりの異様な光景に、我を忘れ、その戦いを食い入るように見つめるその魔族は、四天王の一人であるヘレスディアの直属の配下のものだった。
今、その魔族の瞳には、無数のドラゴンを相手取るゴーレムのような機械人形らしき人型の物体が空を舞い、ドラゴン共を蹂躙する姿が映し出されている。
「あ、あれは…………一体何なのだ…………!?」
もしや、ディーマン様の件と何か…………。
「ふむ…………。
なるほどな…………」
「し、神龍様…………?」
納得するような尊厳ある声に釣られ、魔族は振り返る。
魔族の隣には、黒き鱗の肌を持つ初老の男が考え深げに町の方を見つめている。
「な、何かお分かりになられたのですか!?」
「うむ…………。
恐らくはな…………」
何か、分かるのでは、と期待を込めた魔族の問いに仰々しく頷く初老の男。
「お主は覚えておるか…………?
数年前に、人族の間にあったあの予言の事を…………」
そして、目線を変える事なく、その男は魔族へと問い掛ける。
「予言…………でございますか…………?」
何の事を言っているのか、最初は分からなかったが…………。
ふと、ある事を思い出し、初老の男に詰め寄る。
「まさか、ラピスラズリの予言にございますか!?」
その答えに再び頷く男。
「これはわしの長年の経験から言わせて貰うが…………。
今、戦っているゴーレムのようなものは、その予言にあった救世主なのやもしれん…………」
初老の男の言葉に愕然とする魔族。
そんなまさか…………!?
あの予言は真実だというのか!?
人間共の戯言とばかり思っていたが…………。
でも、確かに、各地の報告を総合すると、あの予言の信憑性が増して来る。
それに-------------もし、ディーマン様があやつと対峙したのなら、色々と辻褄が合う。
魔族の英雄であるお方だ。
何かしらの形で、我らの計画の障害となる者を見つけたら、放っておく筈がない。
なら、ディーマン様はあやつと戦い敗北した?
だとすれば、これは人族への侵攻などしている場合ではない!!
確証はまだ何もない。
だが、この事はヘレスディア様だけでなく、あの方へも報告しなければ…………!!!
「…………何だ…………?」
町の上空の一点に光らしきものが、集まっていく。
「あやつ…………何をする気じゃ…………?」
初老の男の言葉で、魔族もその正体に気付き-------------
ゾワリっと、背筋に悪寒のような恐怖が駆け巡る。
「あれを撃たせてはならん!!!」
初老の男が慌てたように、最後に残っていた大型のドラゴンに指示を出した。
「し、神龍様…………?」
この時、その魔族も、初老の男がこのように酷く慌てている姿に、驚きを隠せなかった。
長い事、この方と共に戦い抜いて来たが…………。
このように、我を忘れて慌てる姿など、一度も見た事はない。
あれは、それ程まずいものなのか?
初老の男の指示を受けた大型ドラゴンも何かを感じ取っているようで…………。
慌てて、火球を放つが-------------
奴に命中した瞬間、その火球は光に飲み込まれ-------------
そして、爆音と共に辺り一面が光に包まれた。
気が付いた時には、大型ドラゴンが黒こげになり、ドラゴンがいた場所を中心に数十メートルものになる大型のクレーターが視界に映った。
「な、何なのだ…………?
これは…………」
あまりにも、ありえない光景に、初老の男も言葉を無くしていた。
いや、無くさらざるをえない、と言った方が正しい。
こんな常識外れな奴とどうやって戦えと…………?
もうこんなのは戦争どころの話じゃない。
もし、あの力を人族が手に入れでもしたら…………?
そう考えると、魔族に残る未来はたった一つしかない。
『人族による魔族への虐殺』
それ以外はありえない。
「今すぐあやつに-------------魔王に報告するのじゃっ!!!
はよせんかっ!!!!」
初老の男も同じ考えに至ったようで、すぐ様、魔族へ指示を出した。
「りょ、了解です!!」
初老の男の激昂に我に返った魔族は、そのまま腕輪に手を添え、すぐ様、転移した。
何としても、この事を報告しなければ-------------
全身を駆け巡る恐怖に打ち震えながら、魔族は魔王城へも転移し終えると取り乱すように駆け出した。
何としても、あのゴーレムのようなものの危険性を魔王様に伝える。
魔族の想いはその一心だった。
「ま、魔王様!!!
ほ、報告したき儀がございます!!!」
勢いよく、魔王の玉座のある部屋の扉を開け放ち、飛び込む魔族。
だが、その扉を開けた瞬間-------------
「…………え…………?」
視界が逆さまに反転した。
一瞬、何が起こったのか、分からなかった。
だが、段々と首を斬り落とされたのだと理解が追い付いて来ると-------------目の前に気になるものが、落ちている事に気付く。
そ、そんな…………!!!??
それが敬愛する魔王その人の首である事を認識すると、何やら、自分の前に影らしきものが覆った時-------------
魔族の意識はそこで途切れたのだった。
「ば、馬鹿な…………」
そう呆然と呟くのはとある任を受け、湊が現在滞在するミラーグの町へと向かっていた一体の魔族だった。
あまりの異様な光景に、我を忘れ、その戦いを食い入るように見つめるその魔族は、四天王の一人であるヘレスディアの直属の配下のものだった。
今、その魔族の瞳には、無数のドラゴンを相手取るゴーレムのような機械人形らしき人型の物体が空を舞い、ドラゴン共を蹂躙する姿が映し出されている。
「あ、あれは…………一体何なのだ…………!?」
もしや、ディーマン様の件と何か…………。
「ふむ…………。
なるほどな…………」
「し、神龍様…………?」
納得するような尊厳ある声に釣られ、魔族は振り返る。
魔族の隣には、黒き鱗の肌を持つ初老の男が考え深げに町の方を見つめている。
「な、何かお分かりになられたのですか!?」
「うむ…………。
恐らくはな…………」
何か、分かるのでは、と期待を込めた魔族の問いに仰々しく頷く初老の男。
「お主は覚えておるか…………?
数年前に、人族の間にあったあの予言の事を…………」
そして、目線を変える事なく、その男は魔族へと問い掛ける。
「予言…………でございますか…………?」
何の事を言っているのか、最初は分からなかったが…………。
ふと、ある事を思い出し、初老の男に詰め寄る。
「まさか、ラピスラズリの予言にございますか!?」
その答えに再び頷く男。
「これはわしの長年の経験から言わせて貰うが…………。
今、戦っているゴーレムのようなものは、その予言にあった救世主なのやもしれん…………」
初老の男の言葉に愕然とする魔族。
そんなまさか…………!?
あの予言は真実だというのか!?
人間共の戯言とばかり思っていたが…………。
でも、確かに、各地の報告を総合すると、あの予言の信憑性が増して来る。
それに-------------もし、ディーマン様があやつと対峙したのなら、色々と辻褄が合う。
魔族の英雄であるお方だ。
何かしらの形で、我らの計画の障害となる者を見つけたら、放っておく筈がない。
なら、ディーマン様はあやつと戦い敗北した?
だとすれば、これは人族への侵攻などしている場合ではない!!
確証はまだ何もない。
だが、この事はヘレスディア様だけでなく、あの方へも報告しなければ…………!!!
「…………何だ…………?」
町の上空の一点に光らしきものが、集まっていく。
「あやつ…………何をする気じゃ…………?」
初老の男の言葉で、魔族もその正体に気付き-------------
ゾワリっと、背筋に悪寒のような恐怖が駆け巡る。
「あれを撃たせてはならん!!!」
初老の男が慌てたように、最後に残っていた大型のドラゴンに指示を出した。
「し、神龍様…………?」
この時、その魔族も、初老の男がこのように酷く慌てている姿に、驚きを隠せなかった。
長い事、この方と共に戦い抜いて来たが…………。
このように、我を忘れて慌てる姿など、一度も見た事はない。
あれは、それ程まずいものなのか?
初老の男の指示を受けた大型ドラゴンも何かを感じ取っているようで…………。
慌てて、火球を放つが-------------
奴に命中した瞬間、その火球は光に飲み込まれ-------------
そして、爆音と共に辺り一面が光に包まれた。
気が付いた時には、大型ドラゴンが黒こげになり、ドラゴンがいた場所を中心に数十メートルものになる大型のクレーターが視界に映った。
「な、何なのだ…………?
これは…………」
あまりにも、ありえない光景に、初老の男も言葉を無くしていた。
いや、無くさらざるをえない、と言った方が正しい。
こんな常識外れな奴とどうやって戦えと…………?
もうこんなのは戦争どころの話じゃない。
もし、あの力を人族が手に入れでもしたら…………?
そう考えると、魔族に残る未来はたった一つしかない。
『人族による魔族への虐殺』
それ以外はありえない。
「今すぐあやつに-------------魔王に報告するのじゃっ!!!
はよせんかっ!!!!」
初老の男も同じ考えに至ったようで、すぐ様、魔族へ指示を出した。
「りょ、了解です!!」
初老の男の激昂に我に返った魔族は、そのまま腕輪に手を添え、すぐ様、転移した。
何としても、この事を報告しなければ-------------
全身を駆け巡る恐怖に打ち震えながら、魔族は魔王城へも転移し終えると取り乱すように駆け出した。
何としても、あのゴーレムのようなものの危険性を魔王様に伝える。
魔族の想いはその一心だった。
「ま、魔王様!!!
ほ、報告したき儀がございます!!!」
勢いよく、魔王の玉座のある部屋の扉を開け放ち、飛び込む魔族。
だが、その扉を開けた瞬間-------------
「…………え…………?」
視界が逆さまに反転した。
一瞬、何が起こったのか、分からなかった。
だが、段々と首を斬り落とされたのだと理解が追い付いて来ると-------------目の前に気になるものが、落ちている事に気付く。
そ、そんな…………!!!??
それが敬愛する魔王その人の首である事を認識すると、何やら、自分の前に影らしきものが覆った時-------------
魔族の意識はそこで途切れたのだった。
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