【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった？〜

プロローグ

どうやら、杞憂だったみたいだ

「…………おい…………。

　こりゃあ、どういう事だ…………？」

　俺は目的地に着くなり、首輪を付けた盗賊の一人に話し掛けた。

　俺が苛立っているのを察してか、怯えて答えない盗賊に俺は銃口を向ける。

「し、知りません！

　本当に知らないんですっ！？」

　盗賊の反応からして、どうやら本当に知らないらしい。

「なら、何でこんな事になってんだ！？

　あぁっ！？

　俺をおちょくってんのかっ！？」

「そ、そんなつもりは滅相もありません！！」

　連れて来た盗賊共が、恐怖で顔を涙で濡らしながら、地面に額を擦り付けて来た。

　ったく、こりゃ一体、どうなってんだ！？

　俺は苛立ちながらも、視線を戻すと考え込んだ。

　何で、こんな所にあいつらがいるんだ？

　今、この盗賊共の本拠地である洞窟へと来ているのだが…………。

　そこには、何人もの騎士らしき甲冑姿の集団が《拘束された、こいつらの仲間らしき連中》と《こいつらに連れて来られたであろう娘達》をそれぞれの馬車へと誘導していた。

　要するに、何処ぞの国の騎士達に盗賊団の本拠地が押さえられていたのだ。

　何か、連れて来たこいつらの話からして、村とかから拐って来た村娘とかがいたらしいので、助けようとか思っていたのだが…………。

　どうやら、心配するだけ無駄だったみたいだな…………。

　あれ？

　でも、よくよく考えたら、これはこれでチャンスじゃないか？

　うまく行けば、人の住んでいる所に行けるかもしれない。

　なら、善は急げだな！！

　そう思っていた時期が俺にもありました。

　俺は洞窟前へと到着するなり、騎士達に話を付け、盗賊共を明け渡した瞬間----------------

　何故か、騎士達に包囲され、剣を向けられました。

　あの、一体全体、これはどういう事ですかね！？