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プロローグ
結局
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あの後、何度か、聖女様達の会話を盗み見し、現在、この町にいる聖女と剣聖を中心としたBランク以上の集めた冒険者連合が急遽結成され、町の防衛をする事になった。
まあ、俺はというと、剣聖様には負けている訳なので、冒険者でない以上は町の連中と避難しないといけない訳だ。
何か、話が決まったら、剣聖様は詫びだとか言って、幾つか銀貨や銅貨の入った袋を投げ渡して出て行った。
最後に何か、ボソッと呟いていた気がするが…………。
まあ、金も手に入った事だし、とっとと避難するかね?
と言っても、この町はこの国の本当に辺境の辺境って感じの位置するらしいから、避難出来る場所という場所はない。
受付嬢さんの話だと、あったとしても、町から少し離れた山の麓にある鍾乳洞の中だけらしいが…………。
町の規模から考えても、避難出来たとして、町が無事で済む筈がない。
大なり小なり必ず打撃を受けるだろう。
ま、この町がどうなろうと、俺には関係ない事だし、別に良いんだが…………
『----------------』
「?」
何だ? 自棄にあっちの方が騒がしいが…………。
『俺も父ちゃんと戦うっ!!』
『駄目だって言ってるでしょ!?』
町の広場か何かか…………その中央付近に噴水の側で、いかにもヤンチャそうな6~7歳くらいの少年が母親らしき女性と言い争っていた。
まあ、お決まりなパターンって奴か。
『何で駄目なんだよっ!!
俺だって戦えるっ!!
父ちゃんや母ちゃんを守るんだっ!!!』
まぁ、何と微笑ましい光景か…………。
鍋を頭に被り、そこら辺の木の棒を高らかに掲げ、布切れをマントのように首に括り付けている。
田舎町のガキ大将って感じだな…………。
『いい加減に聞き分けなさいっ!!
あなたが行ったところで、何が出来る訳でもないわ!!
行ったとしても、お父さん達の邪魔になるだけよ!!
それよりも、お母さん達と一緒に避難するのよ!!!』
『…………避難したって、町が無くなったら意味がないじゃないか…………!!』
『あっ!!
こらっ!! 待ちなさいっ!!』
おお、威勢の良いガキ大将がこっちに来たな…………。
「その勇気だけは認めるが、あまりお母さんを困らせるものじゃねぇ…………ぞ…………!」
「うっ…………」
俺は首筋に手刀を叩き込んで、ガキ大将の意識を刈り取り、抱き抱えた。
そんで、ガキ大将のお母さんらしき女性に引き渡して、何も言わずに去って行く。
女性は何度も、俺に「ありがとうございます」と頭を下げて来るが、正直、俺の気は晴れない。
「町が無くなったら意味がない、か…………」
何故か、何度も、あのガキ大将の言葉が引っかかり、脳内で反芻される。
言葉にしてみれば、何の変哲もない子供の戯言。
だが、その言葉には、不思議と重みのある言葉のように俺は感じた。
思えば、あのガキ大将も、その母親と思しき女性も、何処か、みすぼらしい服装だった。
この世界の人間がどのような生活を送っているのか。
俺はまだ知らない。
けど、あのガキ大将も、その母親も、それ相応の苦しい日々を生きて来た。
それだけは分かる。
あの二人の周りにいた連中だってそうだ。
何処か不安げで、諦め切ったあの表情。
恐らく、皆、感じ取っているのだろう。
例え、聖女や剣聖がいたとしても、多くの冒険者が、この防衛戦で死に、下手をすればこの町は壊滅する。
「ほんと、俺の柄じゃねぇんだけどな…………」
そう言いながら、俺は足を止め、とある閉店作業中の露店へと視線を向けた。
まあ、俺はというと、剣聖様には負けている訳なので、冒険者でない以上は町の連中と避難しないといけない訳だ。
何か、話が決まったら、剣聖様は詫びだとか言って、幾つか銀貨や銅貨の入った袋を投げ渡して出て行った。
最後に何か、ボソッと呟いていた気がするが…………。
まあ、金も手に入った事だし、とっとと避難するかね?
と言っても、この町はこの国の本当に辺境の辺境って感じの位置するらしいから、避難出来る場所という場所はない。
受付嬢さんの話だと、あったとしても、町から少し離れた山の麓にある鍾乳洞の中だけらしいが…………。
町の規模から考えても、避難出来たとして、町が無事で済む筈がない。
大なり小なり必ず打撃を受けるだろう。
ま、この町がどうなろうと、俺には関係ない事だし、別に良いんだが…………
『----------------』
「?」
何だ? 自棄にあっちの方が騒がしいが…………。
『俺も父ちゃんと戦うっ!!』
『駄目だって言ってるでしょ!?』
町の広場か何かか…………その中央付近に噴水の側で、いかにもヤンチャそうな6~7歳くらいの少年が母親らしき女性と言い争っていた。
まあ、お決まりなパターンって奴か。
『何で駄目なんだよっ!!
俺だって戦えるっ!!
父ちゃんや母ちゃんを守るんだっ!!!』
まぁ、何と微笑ましい光景か…………。
鍋を頭に被り、そこら辺の木の棒を高らかに掲げ、布切れをマントのように首に括り付けている。
田舎町のガキ大将って感じだな…………。
『いい加減に聞き分けなさいっ!!
あなたが行ったところで、何が出来る訳でもないわ!!
行ったとしても、お父さん達の邪魔になるだけよ!!
それよりも、お母さん達と一緒に避難するのよ!!!』
『…………避難したって、町が無くなったら意味がないじゃないか…………!!』
『あっ!!
こらっ!! 待ちなさいっ!!』
おお、威勢の良いガキ大将がこっちに来たな…………。
「その勇気だけは認めるが、あまりお母さんを困らせるものじゃねぇ…………ぞ…………!」
「うっ…………」
俺は首筋に手刀を叩き込んで、ガキ大将の意識を刈り取り、抱き抱えた。
そんで、ガキ大将のお母さんらしき女性に引き渡して、何も言わずに去って行く。
女性は何度も、俺に「ありがとうございます」と頭を下げて来るが、正直、俺の気は晴れない。
「町が無くなったら意味がない、か…………」
何故か、何度も、あのガキ大将の言葉が引っかかり、脳内で反芻される。
言葉にしてみれば、何の変哲もない子供の戯言。
だが、その言葉には、不思議と重みのある言葉のように俺は感じた。
思えば、あのガキ大将も、その母親と思しき女性も、何処か、みすぼらしい服装だった。
この世界の人間がどのような生活を送っているのか。
俺はまだ知らない。
けど、あのガキ大将も、その母親も、それ相応の苦しい日々を生きて来た。
それだけは分かる。
あの二人の周りにいた連中だってそうだ。
何処か不安げで、諦め切ったあの表情。
恐らく、皆、感じ取っているのだろう。
例え、聖女や剣聖がいたとしても、多くの冒険者が、この防衛戦で死に、下手をすればこの町は壊滅する。
「ほんと、俺の柄じゃねぇんだけどな…………」
そう言いながら、俺は足を止め、とある閉店作業中の露店へと視線を向けた。
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