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01-孤高の白雪編

閑話 とある少女

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「報告は以上になります」

 とある某国-------------

 仰々しいまでの煌びやかな部屋-------------

 その部屋の中心に佇む一人の騎士の報告に耳を傾けている者達がいた。

「ふむ…………」

「これは、いかがしたものか…………」

 報告を全て聞き終え、その騎士を取り囲むようにして、広がる円筒形のテーブルにいる者達が、それぞれ、思い悩むような、考えあぐねるような-------------そういった感じの重苦しい空気が、場を支配し始める。

「……………………」

 特に、円筒形のテーブルの中央-------------

 騎士の真向かいで、腰掛けている十代半ばと思しき少女は、額を抑えて、必死に涙を堪えているような節があり、騎士は悲痛な表情で、その少女を一認すると、すぐに顔を俯けた。

 他のものも、その騎士と同様に、少女の方へ視線を向けつつも、すぐに視線を外して、何も言えずにいた。

 それから、何分、経過したのか、誰もが理解するのを忘れる程、時間が経過し-------------徐に、少女が意を決して、言葉を発する。

「例の件は、どうなりましたか?」

 それを聞いた一部の者が、すぐ様、重々しく首を横に振った。

「……………………」

 少女は大きく息を肺に吸い込むと、溜め息を吐くなり、静かに席を立った。

 そして、この場にいる皆の方へと顔を上げ、こう言い放った。

「なら、今度は私、自らが出向きましょう」

 そんな少女の言葉を聞き、皆、不思議な程、驚く事もせず、反論する者すらいやしない。

 寧ろ、やはり、こうなったか…………と、何処か、諦めにも似た空気が、その場にはあった。

「それでは、私は、これにて…………」

 少女が、一礼し、控えの護衛を連れ、部屋を退出して行った。

「…………手筈通りに乗せてやれ…………」

「はっ!!!」

 しばらくの静寂を破るように、残っていた者の内の一人が、騎士に命じて、騎士もその場を後にする。

 せめて、それぐらいの優しさは与えてやっても良い。

 そう告げているかのような……………………そんな何処か、冷たさのある口調だった。
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