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01-孤高の白雪編
してやられた
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「見つけたぞ《白雪》!!! いざ、尋常に勝負!!!!!」
あれから、数日が経ち-------------
新たな《異界戦争》の幕が上がった。
そんで、やっぱりと言うべきか。
始まって早々に、例の傍迷惑な騎士が目の前にいた。
大方、店長が、何かしらの取り引きを行ったに違いない。
《異界戦争》の実行委員辺りに、賄賂なり、送るなりして-------------
だから、俺が大きなため息を吐きながら、剣を抜き放って、突っ込んで来る馬鹿相手に取った行動は-------------
「ぐふっ!?」
奴の目の前に、天を貫く程の巨大な氷の壁を瞬時に作る事だった。
勢い良く、突っ込んで来た馬鹿は、そのまま、顔面から突っ込み、情けなく、地面に転がった。
そんな奴に、俺は目の前の氷が砕け散ると同時に、能力で作り出した簡易的な銃を手に、トドメを刺して置いた。
「はい、勝利…………」
そして、つまんなそうに、そう呟いて、いつものように、端末から《棄権》を選択しようとして-------------
「っ!?」
背後から迫る刃を避けた。
前のめりに、回避して、振り返るようにして、戦闘態勢に入る。
「ふぅ~ん。これを避けるか」
「っ!?」
こいつは!?
見るからに、そこに転がる馬鹿と同じような鎧を身に纏っている十代後半と思しき美少女。
あの馬鹿と同じ《シークレット王国》の騎士だろうが…………。
問題は、この少女の顔に見覚えがある事だ。
「改めまして、自己紹介をば…………。私の名前はシークレット王国第一騎士団所属。副団長のメリア・カーナ。以後、よろしく、ねっ!!!」
自己紹介がてら、一気にこちらとの距離を詰めて、剣を振り下ろすメリアとかいう少女。
咄嗟に、氷の槍を作って、何とか、受け止める。
「ヘぇ~…………噂以上に面白いね?」
そりゃ、どうも…………!!!
俺は受け止めていた相手の剣を押し退け、受け流しながら、相手に回し蹴りを喰らわせる。
それも予測していたのか、メリアはひらりと軽々と交わして、受け身を取りつつ、剣を構えた。
「その上で、噂通り無口だね?」
相手はケロッとしたような、気の抜けた朗らかな顔をしてはいるが、隙など全くない構えを取っている。
その上で、分かってしまう。
先程、あっさり負けた馬鹿とは比べるまでもないくらいに、この少女は強いと-------------
「……………………」
警戒を強めながら、氷の槍を握り締める手に力が入る。
「口を開く気がないなら……………………開かせるまで!!!!」
「っ!!!」
兎も角、何とか、この場から逃げる手を考えるしかない。
一気に距離を詰め、連続で剣を振るうメリア。
俺は手にした槍を巧みに操り、受け流したり、振り払ったり、反撃したりと攻防一体の戦いを繰り広げる。
けれど、俺には、スキルの代償で一時間以上の戦闘を行えないデメリットがある。
あの馬鹿を倒してから、まだ、数分しか経ってはいないが、それでも、段々と肉体面でのダメージが蓄積している。
「ほらほら!!! 技のキレが落ちて来ているわよ!!?」
「ちっ…………」
仕方ない。
俺は再度、振り下ろされた剣を受け止めると同時に、槍を霧状に霧散化させた。
そして、真後ろに飛び退くなり、あの少女へあるものを投げた。
「? 一体、何を-------------」
カツンと先程まで、俺のいた場所にあるものが転がり落ちる。
それを相手が視認した瞬間、それが弾け、辺り一面を光が包み込んだ。
その名は-------------閃光弾-------------
「っ!?」
俺は相手が光で目が眩んだ瞬間に、懐の端末を取り出して、即座に《棄権》のボタンを押して、転移した。
「ああっ!? 逃げられた!!!」
後に残されたメリアが悔しそうに声を荒げているが、時既に遅し、だ。
それにしても、あのクソ店長-------------
また、やったな…………?
あれから、数日が経ち-------------
新たな《異界戦争》の幕が上がった。
そんで、やっぱりと言うべきか。
始まって早々に、例の傍迷惑な騎士が目の前にいた。
大方、店長が、何かしらの取り引きを行ったに違いない。
《異界戦争》の実行委員辺りに、賄賂なり、送るなりして-------------
だから、俺が大きなため息を吐きながら、剣を抜き放って、突っ込んで来る馬鹿相手に取った行動は-------------
「ぐふっ!?」
奴の目の前に、天を貫く程の巨大な氷の壁を瞬時に作る事だった。
勢い良く、突っ込んで来た馬鹿は、そのまま、顔面から突っ込み、情けなく、地面に転がった。
そんな奴に、俺は目の前の氷が砕け散ると同時に、能力で作り出した簡易的な銃を手に、トドメを刺して置いた。
「はい、勝利…………」
そして、つまんなそうに、そう呟いて、いつものように、端末から《棄権》を選択しようとして-------------
「っ!?」
背後から迫る刃を避けた。
前のめりに、回避して、振り返るようにして、戦闘態勢に入る。
「ふぅ~ん。これを避けるか」
「っ!?」
こいつは!?
見るからに、そこに転がる馬鹿と同じような鎧を身に纏っている十代後半と思しき美少女。
あの馬鹿と同じ《シークレット王国》の騎士だろうが…………。
問題は、この少女の顔に見覚えがある事だ。
「改めまして、自己紹介をば…………。私の名前はシークレット王国第一騎士団所属。副団長のメリア・カーナ。以後、よろしく、ねっ!!!」
自己紹介がてら、一気にこちらとの距離を詰めて、剣を振り下ろすメリアとかいう少女。
咄嗟に、氷の槍を作って、何とか、受け止める。
「ヘぇ~…………噂以上に面白いね?」
そりゃ、どうも…………!!!
俺は受け止めていた相手の剣を押し退け、受け流しながら、相手に回し蹴りを喰らわせる。
それも予測していたのか、メリアはひらりと軽々と交わして、受け身を取りつつ、剣を構えた。
「その上で、噂通り無口だね?」
相手はケロッとしたような、気の抜けた朗らかな顔をしてはいるが、隙など全くない構えを取っている。
その上で、分かってしまう。
先程、あっさり負けた馬鹿とは比べるまでもないくらいに、この少女は強いと-------------
「……………………」
警戒を強めながら、氷の槍を握り締める手に力が入る。
「口を開く気がないなら……………………開かせるまで!!!!」
「っ!!!」
兎も角、何とか、この場から逃げる手を考えるしかない。
一気に距離を詰め、連続で剣を振るうメリア。
俺は手にした槍を巧みに操り、受け流したり、振り払ったり、反撃したりと攻防一体の戦いを繰り広げる。
けれど、俺には、スキルの代償で一時間以上の戦闘を行えないデメリットがある。
あの馬鹿を倒してから、まだ、数分しか経ってはいないが、それでも、段々と肉体面でのダメージが蓄積している。
「ほらほら!!! 技のキレが落ちて来ているわよ!!?」
「ちっ…………」
仕方ない。
俺は再度、振り下ろされた剣を受け止めると同時に、槍を霧状に霧散化させた。
そして、真後ろに飛び退くなり、あの少女へあるものを投げた。
「? 一体、何を-------------」
カツンと先程まで、俺のいた場所にあるものが転がり落ちる。
それを相手が視認した瞬間、それが弾け、辺り一面を光が包み込んだ。
その名は-------------閃光弾-------------
「っ!?」
俺は相手が光で目が眩んだ瞬間に、懐の端末を取り出して、即座に《棄権》のボタンを押して、転移した。
「ああっ!? 逃げられた!!!」
後に残されたメリアが悔しそうに声を荒げているが、時既に遅し、だ。
それにしても、あのクソ店長-------------
また、やったな…………?
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