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01-孤高の白雪編

何か、挑戦状らしきものが届いた

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「よっと…………」

 無事、異世界から帰還して、背を伸ばしながら、手元の端末を操作して、今回のポイントを確認する俺。

 異界戦争では、プレイヤーを倒した場合、勝敗ポイントというものが加算される。

 基本、そのポイントを保有している多くし所有しているか、否かで、どれだけ強いかランキングが振り分けられている。

 当然、倒したプレイヤーが強ければ、強い程、ポイント数も多い。

 例えるなら、雑魚のポイントを《1》として、中間のランカーなら《2》、上位のランカーなら、一気に《4》ってな感じで、加算される。

 簡単に言えば、中間のプレイヤーを倒せば、ポイント二倍。

 上位のプレイヤーを倒せば、四倍になるって事。

 もちろん、そのポイントを使って、何かしらのトレードなんて事も可能だ。

 端末に表示された《ショップ》メニューで、武器や回復アイテムなど、ゲームに役立つものを手に入れられる。

 今回、俺が手にしたポイントは《6,000》-------------

 かなり、少ない方に分類される。

 やっぱ、雑魚だったか…………。

 あの手のプレイヤー数だと、いつもなら、《10,000》とか、そこそこ良いポイントを入手出来る筈だ。

 それだというのに、このポイントの少なさ-------------

 初心者か、それ程、大した事のない奴らだった証拠だ。

 こんなんじゃ、ショップで、碌なものも買えやしない。

 なんて、愚痴っていたら-------------

「ん?」

 手元の端末に、一通のメッセージが届く。

 開くと、放映用の魔導具を付けろ、なるメッセージが書かれていて…………。

 メッセージの指示通りに、自室に備え付けられた魔導具の電源を入れると-------------

『《白雪スノーホワイト》に告ぐ。俺と戦ええええええええええええーーーーっ!!!!!!!』

 あまりの煩さに、思わず、魔導具を切る俺。

 そんで、いつもの如く、盛大なため息を吐く。

 たまにいるんだよな…………。

 こういう傍迷惑な奴-------------

 《白雪スノーホワイト》とは、俺のプレイヤーネームだ。

 何で、そんな名前かって…………?

 それを言わないでくれ。

 …………。

 つか、誰だよ?

 恐る恐る、再び、魔導具を起動してみると、まだ、喚き続ける十代後半と思しき男-------------どっかで、見た事あるような…………。


「あっ…………」


 思い出した。

 こいつの名前は確か-------------

『俺の名は、シュバルツ・グリーバー!!! シークレット王国第三騎士団の副団長だ!!!』


 《シークレット王国》


 確か、光属性魔法を得意とした国だったか?

 騎士の剣のレベルも高く、ニュースでよく取り上げられる事も多かった筈だ。

 それが、何で、俺を名指しで決闘を申し込んで来るんだか…………。


「……………………」


 正直、言って-------------分からん。

 まぁ、受ける必要もないし、放っておけば、勝手に諦めるか。


--------------------------------------------


「…………って、放置した結果が、これか…………」

 あれから、数日が経ったある日の事だ。

 いつもの如く、学園へと向かっていた時の事だった。


『出て来い!!! 白雪スノーホワイト!!! 俺と戦えええええええ!!!』

 
「……………………」


 何か、見覚えのある奴が馬を駆けらせながら、物凄いスピードで、横を通り過ぎて行ったのだ。

 つか、何で、あいつが、此処にいんの!?

 


 
 
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