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序章、第一話
一人でも多く敵を倒せ
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◆
雨音に混じる銃声。香る硝煙と血の匂い。
夜の闇の中で鴉族の私兵団と自警団の衝突は酷くなるばかりだった。
「団長! もっと人員が必要です! このままでは無用な犠牲が出てしまう!」
ロムはライフルで応戦しながら団長に通信を試みた。
『こちら本部、現在クーデターが起こるとされていた繁華街で鴉族の私兵団と交戦中! そちらに回せる人員がいない!』
「な・・・・・・っ!? そちらも戦っているのですか!?」
団長の言葉にロムは目を見開く。まさか敵が二手に分かれて攻撃してくるなんて。
しかし此方もこのままでは状況が悪化していくだけだ。何とか打開策を講じなければならない。
「団長、こちらは死者一名、重軽傷者多数です! 何とかなりませんか!」
『死者一名・・・・・・ヨルか。先程から通信が途絶えている』
「はい・・・・・・」
『状況は分かった。こちらを鎮圧し次第急行する! それまでどうか持ち堪えてくれ!』
無常にもぷつりと途絶えた通話にロムは心の中で舌打ちした。
ロムの部隊は回復役がメインの編成、今はそこにヨルの部隊が加わって二個小隊分の戦力だ。称号が戦闘向きでないロムのような隊員は銃火器を持つ事で戦力を補っている。そんな中相手は火力の高い編成で、こちらは押されている状態。トコヤミに対して大口を叩いたはいいものの、援軍が到着するまで戦えるか微妙なところだった。
「はぁぁぁぁ!」
「・・・・・・っ!」
ロムは右から襲いかかってきた敵をライフルでぶん殴り思い切り蹴り上げる。
「ロム隊長! お怪我は!」
「気にするな! それよりも一人でも多く敵を倒せ!」
部下に指示を飛ばしながらロムは奮戦する。これ以上仲間は殺させない。そう心に誓って、銃を握る手に力を込める。撃ち出した銃弾は正確に敵の肩を撃ち抜いた。
(あと五十人程度・・・・・・!)
数で有利を保っているうちに出来るだけ相手の戦力を削り取る。主犯だって逃しはしない。
「総員、陣形を崩さず攻撃を続けろ!」
「はっ!」
自警団員たちは皆心を一つにして戦い続けた。
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雨音に混じる銃声。香る硝煙と血の匂い。
夜の闇の中で鴉族の私兵団と自警団の衝突は酷くなるばかりだった。
「団長! もっと人員が必要です! このままでは無用な犠牲が出てしまう!」
ロムはライフルで応戦しながら団長に通信を試みた。
『こちら本部、現在クーデターが起こるとされていた繁華街で鴉族の私兵団と交戦中! そちらに回せる人員がいない!』
「な・・・・・・っ!? そちらも戦っているのですか!?」
団長の言葉にロムは目を見開く。まさか敵が二手に分かれて攻撃してくるなんて。
しかし此方もこのままでは状況が悪化していくだけだ。何とか打開策を講じなければならない。
「団長、こちらは死者一名、重軽傷者多数です! 何とかなりませんか!」
『死者一名・・・・・・ヨルか。先程から通信が途絶えている』
「はい・・・・・・」
『状況は分かった。こちらを鎮圧し次第急行する! それまでどうか持ち堪えてくれ!』
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ロムの部隊は回復役がメインの編成、今はそこにヨルの部隊が加わって二個小隊分の戦力だ。称号が戦闘向きでないロムのような隊員は銃火器を持つ事で戦力を補っている。そんな中相手は火力の高い編成で、こちらは押されている状態。トコヤミに対して大口を叩いたはいいものの、援軍が到着するまで戦えるか微妙なところだった。
「はぁぁぁぁ!」
「・・・・・・っ!」
ロムは右から襲いかかってきた敵をライフルでぶん殴り思い切り蹴り上げる。
「ロム隊長! お怪我は!」
「気にするな! それよりも一人でも多く敵を倒せ!」
部下に指示を飛ばしながらロムは奮戦する。これ以上仲間は殺させない。そう心に誓って、銃を握る手に力を込める。撃ち出した銃弾は正確に敵の肩を撃ち抜いた。
(あと五十人程度・・・・・・!)
数で有利を保っているうちに出来るだけ相手の戦力を削り取る。主犯だって逃しはしない。
「総員、陣形を崩さず攻撃を続けろ!」
「はっ!」
自警団員たちは皆心を一つにして戦い続けた。
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