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第1章・転生しました
1-12プレゼント Bellrose's story
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四月一日すず。それが両親がくれた、最初で最後の名前。
私は、本当は、本当ならば、普通の生活を送ってたんだなぁって思う。私だって別に、狂ってる訳じゃない。少なくとも、今は。
あの時は、ユウが好きだった。でも、好きじゃなかった。〝好き〟の針が無理矢理ユウに向いた感じ。本当の好きじゃ、ない。何でかなんて分からない。でも、分かった。
そんな、曖昧な答えしか出せないのに、神奈をユウを皆を傷つけた。
今は、どっち?本当の心?それとも…
その問について私がハッキリと分かった頃、目の前にあった景色は…
くろ。
一面のクロ。
果てのない黒。
私は絶望した。ついさっきの出来事を思い出したからだ。完全な自分の意思ではなかったとはいえ、やったことには変わりない。何も無い事が私への罰だろうか。
一瞬の光
しろ。
一面のシロ。
果てのない白。
此処は?さっきまで、真っ暗なところにいたのに。あ、真っ白って怖いんだね。希望が無いから。真っ暗ならば、一筋の光を夢見ることだってできる。真っ白は、本当に何も無いから、こわい。夢見ることも出来ない。
カチャリ
すぐ後ろで金属と金属がぶつかる音が聞こえる。
警戒心むき出しで振り向くと、そこには美少年が優雅なティータイムを満喫している最中だった。
「あ、おはよ~」
「…。お、おはよぉ?」
パニックになるのは仕方が無いよね?
「あー、そんなに警戒しなくてもいいからね~」
少年は、「ま、お茶でも飲みなよ」と言い私を座るように促す。
そういえば、もう死んでるんだし、また死ぬことは無いからけいかいしなくてもいいのかもね。
ありがとう、と言ってお茶も飲む。アールグレイだった。美味しぃ。
「ねぇ、此処ど─」
「あ、僕が先に全部話すから、その後に質問してね」
長いから、纏めたらこうなる←
○少年自身の話
・ある者は〝神〟と呼んだ有るような無いようなものである
・神と呼んだ者達は〝愛を司る神〟、愛神と呼んだ
・愛神は好意を操れる
○現在の状況の話
・世界Xが生贄が必要
・生贄はその世界に転生するだけで一度死んだその後は特別害はない
・転生は自殺の意思があった者にしか出来ない
○私の話
・私が〝すず〟を動かせなくなったのは転生する為
・愛神が私の好意を操ってユウを殺した
・その間私が壊れない為に精神だけ分離させた
要約すると、
全部は神様のせいだってこと。
嫌がらせ含め今度からは愛神って呼ぶことにする。
一応見た目男だしきっと嫌がらせになる。…と思う。
「はい、僕の話はおしまい。聞きたいことは?」
「自殺の意思がないユウ君は転生しないの?」
「うん、そうなるね」
「なんで私が生贄になったの?」
「そういうキマリゴトなのと、神たちの成り行きかな」
「キマリゴトって?」
「それは禁則事項だから言えないよ」
「転生する世界は?」
「魔法があって、君たちの言う…中世ヨーロッパみたいな感じ。君たちの世界ではこの世界のゲームもあると運命の子が言ってたよ」
「私が殺した神奈たちはどうなるの?」
「一緒の世界に転生するよ」
「そう、もう、無いかな」
「それじゃあ最後にひとつ。僕に聞きたいことがある時は〝招待状はハートのトランプ〟って言ってね」
最後に微笑んだ愛神の顔はひどく黒く見えた。目の前が暗くなっていくからかな?
「招待状、ハートのトランプ…ってまさかパク…」
「ってないよ~借りたっだけ~♪」
永遠に返さないやつ!
っていうかちょっと違う!
次に目が覚めたのは、知らないベッドの上だった。
「旦那様、奥様、ベルローズ様がお目覚めになりました」
ベルローズ・ヴェストラー。それが両親がくれた最初の名前。
私は、本当は、本当ならば、普通の生活を送ってたんだなぁって思う。私だって別に、狂ってる訳じゃない。少なくとも、今は。
あの時は、ユウが好きだった。でも、好きじゃなかった。〝好き〟の針が無理矢理ユウに向いた感じ。本当の好きじゃ、ない。何でかなんて分からない。でも、分かった。
そんな、曖昧な答えしか出せないのに、神奈をユウを皆を傷つけた。
今は、どっち?本当の心?それとも…
その問について私がハッキリと分かった頃、目の前にあった景色は…
くろ。
一面のクロ。
果てのない黒。
私は絶望した。ついさっきの出来事を思い出したからだ。完全な自分の意思ではなかったとはいえ、やったことには変わりない。何も無い事が私への罰だろうか。
一瞬の光
しろ。
一面のシロ。
果てのない白。
此処は?さっきまで、真っ暗なところにいたのに。あ、真っ白って怖いんだね。希望が無いから。真っ暗ならば、一筋の光を夢見ることだってできる。真っ白は、本当に何も無いから、こわい。夢見ることも出来ない。
カチャリ
すぐ後ろで金属と金属がぶつかる音が聞こえる。
警戒心むき出しで振り向くと、そこには美少年が優雅なティータイムを満喫している最中だった。
「あ、おはよ~」
「…。お、おはよぉ?」
パニックになるのは仕方が無いよね?
「あー、そんなに警戒しなくてもいいからね~」
少年は、「ま、お茶でも飲みなよ」と言い私を座るように促す。
そういえば、もう死んでるんだし、また死ぬことは無いからけいかいしなくてもいいのかもね。
ありがとう、と言ってお茶も飲む。アールグレイだった。美味しぃ。
「ねぇ、此処ど─」
「あ、僕が先に全部話すから、その後に質問してね」
長いから、纏めたらこうなる←
○少年自身の話
・ある者は〝神〟と呼んだ有るような無いようなものである
・神と呼んだ者達は〝愛を司る神〟、愛神と呼んだ
・愛神は好意を操れる
○現在の状況の話
・世界Xが生贄が必要
・生贄はその世界に転生するだけで一度死んだその後は特別害はない
・転生は自殺の意思があった者にしか出来ない
○私の話
・私が〝すず〟を動かせなくなったのは転生する為
・愛神が私の好意を操ってユウを殺した
・その間私が壊れない為に精神だけ分離させた
要約すると、
全部は神様のせいだってこと。
嫌がらせ含め今度からは愛神って呼ぶことにする。
一応見た目男だしきっと嫌がらせになる。…と思う。
「はい、僕の話はおしまい。聞きたいことは?」
「自殺の意思がないユウ君は転生しないの?」
「うん、そうなるね」
「なんで私が生贄になったの?」
「そういうキマリゴトなのと、神たちの成り行きかな」
「キマリゴトって?」
「それは禁則事項だから言えないよ」
「転生する世界は?」
「魔法があって、君たちの言う…中世ヨーロッパみたいな感じ。君たちの世界ではこの世界のゲームもあると運命の子が言ってたよ」
「私が殺した神奈たちはどうなるの?」
「一緒の世界に転生するよ」
「そう、もう、無いかな」
「それじゃあ最後にひとつ。僕に聞きたいことがある時は〝招待状はハートのトランプ〟って言ってね」
最後に微笑んだ愛神の顔はひどく黒く見えた。目の前が暗くなっていくからかな?
「招待状、ハートのトランプ…ってまさかパク…」
「ってないよ~借りたっだけ~♪」
永遠に返さないやつ!
っていうかちょっと違う!
次に目が覚めたのは、知らないベッドの上だった。
「旦那様、奥様、ベルローズ様がお目覚めになりました」
ベルローズ・ヴェストラー。それが両親がくれた最初の名前。
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