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第1章・転生しました
1-27おかしいですわ!Bellrose's story
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皆様ごきげんよう。私はベルローズ・ヴェストラー。ヴェストラー侯爵家の長女ですわ。
さて、皆様ご存知の通り、私は乙女ゲームのヒロイン…を虐める悪役令嬢ですわ。
攻略対象と呼ばれる方は全員で6人。皇太子であるリカルド・リュカ様。皇太子殿下の補佐を務めるハロルド・エドワーズ様。私と同じく侯爵家であるアレックス・ドーナード様。国の財政を支えるウィリアム・クロフォード様。獣人であるレオナルド様。それともう一人。あまり覚えていませんが…確か、王家の執事、だったと思いますわ。
…で、本題はここからなのです。
今言ったうちの3人、皇太子殿下、エドワーズ様、クロフォード様が、何故か。何故か。私に好意を抱いているのです!
はあ?自意識かじょう?言っててよ。今からはなすことをきいたら考えをあらためるから。
…なんて、少し(愛神が操作してた方の)私風ですわ。
まず皇太子殿下。私がお母様と共にお城へ行くと、まるでそれが当然だと言うように私の手を引いて庭園に連れていかれます。そしてお茶会に。何処か俺様気質が感じられますが、本気で嫌がることは絶対にしませんわ。
次にエドワーズ様。所謂ツンデレという種族ですわね。漫画でしか見た事ない「べっ、別にお前のためなんかじゃないんだからな!!」が見れてお母様幸せですわ。申し訳ございません、エドワーズ様。私、あなたを見ていると恋情なんてものより母性が溢れて…。まあ、ある意味一番好きな方ですわね。
そしてクロフォード様。この方は正直苦手なのです。だって…Sっ気があるのですわ。毒舌もありますが…それは別に問題なしですわね。問題はSっ気…。他のご令嬢には王子様スマイルすると言うのに、私だけこの仕打ち…。気に入られて喜ぶべきなのか…。できるだけ、関わりたくはないです。
そんな個性的な3人は結構仲がよろしいようで、楽しそうに話しています。
しかし、そこに私が加わればあら不思議。
私を取り合う美男子の図が出来上がるわけです。
3人とも落ち着いている方なので、争いは静かです。はたから見たら、美男美女が美しい笑み(エドワーズ様を除く)を浮かべ談笑している、とても絵になる構図。周りのご令嬢はうっとりとするのですわ。
でも!私は嫌だ!美男子3人が氷点下の笑みで口論を始める、しかも私で!羨ましいですって?いやいやいや、想像してくださいまし!この状況!慣れないと泣きますわよ!?
そして私は今も御三方に囲まれています。…泣いていい?
「おや、ベルローズ。どうしたんだい?顔色が優れないようだ」
少し現実から目を背けていた為か、急に話しかけられビクッとなる。話しかけたのは、皇太子殿下。
「っ!だ、大丈夫ですわ…!お気になさらず…」
「いいや、大切に思う女性が体調が悪いというのだから、心配になるものだよ。…俺の部屋で休んでいくか?」
「ほ、本当に大丈夫ですのよ…」
嫌って言いたいですけど、我慢。
嫌って即答したいですけど、我慢。
「何を仰いますか皇太子殿下。ヴェストラー公爵令嬢の顔色が悪いのはあなたの言動のせいでしょう。怖がっているのがわかりませんか」
「分かっていないのは君だよクロフォード。……」
私が聞き取れたのはここまでですわ。
そのあとはまた現実逃避してましたから。
でも、ふっと気づいたら、3人とも私より口論を優先させていたものですから、私は覚えたての魔法で気配を消し、執事のアイザックの元へ向かうのです。
「…また逃げましたね、お嬢様」
ある程度近づくと、アイザックが声をかける。
「あら、気づいたの?」
「何度も何度もお屋敷で逃走していれば、ある程度耐性はつきます」
そう、覚えたてとはいえ、家ではアイザックの言う通り何度も使ったのです。その結果、アイザックにだけは姿こそ見えないものの、気配や音がバレてしまいますわ。
「言い訳は考えておいでで?」
「…いいえ、まったく」
「…はあ、俺は知りませんよ」
「ええ、安心してくださいまし。あなたは消して巻き込みませんわ」
「それ言って何度俺を巻き込んだんです?」
「…さあ?」
「…はぁ…。…さ、帰りますよ。馬車にお乗り下さい」
「ふふ」
こうして、私は恒例のように、美男子3人を放置して、執事のアイザックと共に帰るのですわ。
これが私の6歳の日常。
何年後かに魔王が来るとは思えない平和な世界。
私が転生者、しかも前世で幼馴染の一家を皆殺しにしたことも忘れそう。
この幸せが、頃からも続くように、また明日もこの世界の〝神〟に願う。
…でもやっぱり、ここは一応乙女ゲームの世界な訳でして。ゲームの悪役令嬢としては、この日常、
おかしいですわ!
さて、皆様ご存知の通り、私は乙女ゲームのヒロイン…を虐める悪役令嬢ですわ。
攻略対象と呼ばれる方は全員で6人。皇太子であるリカルド・リュカ様。皇太子殿下の補佐を務めるハロルド・エドワーズ様。私と同じく侯爵家であるアレックス・ドーナード様。国の財政を支えるウィリアム・クロフォード様。獣人であるレオナルド様。それともう一人。あまり覚えていませんが…確か、王家の執事、だったと思いますわ。
…で、本題はここからなのです。
今言ったうちの3人、皇太子殿下、エドワーズ様、クロフォード様が、何故か。何故か。私に好意を抱いているのです!
はあ?自意識かじょう?言っててよ。今からはなすことをきいたら考えをあらためるから。
…なんて、少し(愛神が操作してた方の)私風ですわ。
まず皇太子殿下。私がお母様と共にお城へ行くと、まるでそれが当然だと言うように私の手を引いて庭園に連れていかれます。そしてお茶会に。何処か俺様気質が感じられますが、本気で嫌がることは絶対にしませんわ。
次にエドワーズ様。所謂ツンデレという種族ですわね。漫画でしか見た事ない「べっ、別にお前のためなんかじゃないんだからな!!」が見れてお母様幸せですわ。申し訳ございません、エドワーズ様。私、あなたを見ていると恋情なんてものより母性が溢れて…。まあ、ある意味一番好きな方ですわね。
そしてクロフォード様。この方は正直苦手なのです。だって…Sっ気があるのですわ。毒舌もありますが…それは別に問題なしですわね。問題はSっ気…。他のご令嬢には王子様スマイルすると言うのに、私だけこの仕打ち…。気に入られて喜ぶべきなのか…。できるだけ、関わりたくはないです。
そんな個性的な3人は結構仲がよろしいようで、楽しそうに話しています。
しかし、そこに私が加わればあら不思議。
私を取り合う美男子の図が出来上がるわけです。
3人とも落ち着いている方なので、争いは静かです。はたから見たら、美男美女が美しい笑み(エドワーズ様を除く)を浮かべ談笑している、とても絵になる構図。周りのご令嬢はうっとりとするのですわ。
でも!私は嫌だ!美男子3人が氷点下の笑みで口論を始める、しかも私で!羨ましいですって?いやいやいや、想像してくださいまし!この状況!慣れないと泣きますわよ!?
そして私は今も御三方に囲まれています。…泣いていい?
「おや、ベルローズ。どうしたんだい?顔色が優れないようだ」
少し現実から目を背けていた為か、急に話しかけられビクッとなる。話しかけたのは、皇太子殿下。
「っ!だ、大丈夫ですわ…!お気になさらず…」
「いいや、大切に思う女性が体調が悪いというのだから、心配になるものだよ。…俺の部屋で休んでいくか?」
「ほ、本当に大丈夫ですのよ…」
嫌って言いたいですけど、我慢。
嫌って即答したいですけど、我慢。
「何を仰いますか皇太子殿下。ヴェストラー公爵令嬢の顔色が悪いのはあなたの言動のせいでしょう。怖がっているのがわかりませんか」
「分かっていないのは君だよクロフォード。……」
私が聞き取れたのはここまでですわ。
そのあとはまた現実逃避してましたから。
でも、ふっと気づいたら、3人とも私より口論を優先させていたものですから、私は覚えたての魔法で気配を消し、執事のアイザックの元へ向かうのです。
「…また逃げましたね、お嬢様」
ある程度近づくと、アイザックが声をかける。
「あら、気づいたの?」
「何度も何度もお屋敷で逃走していれば、ある程度耐性はつきます」
そう、覚えたてとはいえ、家ではアイザックの言う通り何度も使ったのです。その結果、アイザックにだけは姿こそ見えないものの、気配や音がバレてしまいますわ。
「言い訳は考えておいでで?」
「…いいえ、まったく」
「…はあ、俺は知りませんよ」
「ええ、安心してくださいまし。あなたは消して巻き込みませんわ」
「それ言って何度俺を巻き込んだんです?」
「…さあ?」
「…はぁ…。…さ、帰りますよ。馬車にお乗り下さい」
「ふふ」
こうして、私は恒例のように、美男子3人を放置して、執事のアイザックと共に帰るのですわ。
これが私の6歳の日常。
何年後かに魔王が来るとは思えない平和な世界。
私が転生者、しかも前世で幼馴染の一家を皆殺しにしたことも忘れそう。
この幸せが、頃からも続くように、また明日もこの世界の〝神〟に願う。
…でもやっぱり、ここは一応乙女ゲームの世界な訳でして。ゲームの悪役令嬢としては、この日常、
おかしいですわ!
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