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第1章・転生しました
1-23あるひのできごとEtoile's story
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6月20日(☀)
私が「うち」として高校に入った。自己紹介でうっかり「関西弁モドキ」って言ってしまったけど、「いろんな所を回っているうちに関西弁じゃなくなった所がある」と言い訳しておいた。これは関西弁が微妙に分からなくなっていた麗魅のせいだ。
6月21日(☔)
こちらへ来てから数週間後に私はライラックの元に行った。ライラック─花宮菫は元気だった。私のことも覚えていて、色々な話をした。でも、菫は私の記憶の中の彼女とは程遠く、今ではすっかり年老いていた。それでも元気で、中身は変わらなかった。彼女は私に花宮を名乗るように言われた。有難く名乗らせてもらおう。
6月22日(☀)
「うち」にも友達が出来て、どうしようか悩んでいた部活動に一緒に誘ってくれた。入ったのは陸上部。今でもそこそこ早い自信はあるけど、もっと速い人がいて、その人に勝ちたいって思った。それと、最近麗魅がうるさすぎる。ニヤニヤと「よかったのう」とか言って殴りたい衝動に駆られる時がある。
6月23日(☔)
今日も菫の家に行った。親戚のこと言う設定らしく、いつでも遊びに来ていいらしい。菫は娘の話をよく話す。今は旦那さんのところに住んでいるらしいがここにも度々来るんだそう。そして毎回お土産に菫の好きなお菓子を持ってくると言った。楽しそうでなによりだ。
6月24日(☀)
体育の授業があった。ハードルといって、さくのようなものを飛び越えながら走る競技だ。ハードル自体はやったことがないが、走るのは好きだし、柵を飛び越えるのはよくやっていた。クラスで2番目くらいに速かったと言われた。そこらの男子より速いからか、男子とも仲良くなれた。多分仲良くなれたのは女子力のなさからだろうが…。
6月25日(☔)
菫の家に行くと、子供が来ていた。小さな男の子で、カズキと言っていた。菫の年齢は知らないが、カズキは三、四歳くらいだろうからひ孫になるんじゃないだろうか。…娘夫婦は幾つなのだろうか。カズキと遊んでいたら帰る時間になった。別れは惜しいがまた会えるだろうから挨拶をして帰る。カズキから折り紙のチューリップを貰った。
6月26日(☁)
今日は菫の命日だ。最近は進学やらテストやらでバタバタしていたし、ずっと晴れが続いているのだからすっかり忘れていた。もう1年だろうか。お葬式には「うち」も呼ばれていたっけか。再開して1年も経っていないはずだ。そう言えば、丁度菫と再開した日から雨が降り続いていた気がする。今とは随分と対照的だ。来年の今日もこうしてまた思い出すのだろうか。彼女との「あちら」での生活、「こちら」での思い出を、彼女がくれた安らぎを。
私が「うち」として高校に入った。自己紹介でうっかり「関西弁モドキ」って言ってしまったけど、「いろんな所を回っているうちに関西弁じゃなくなった所がある」と言い訳しておいた。これは関西弁が微妙に分からなくなっていた麗魅のせいだ。
6月21日(☔)
こちらへ来てから数週間後に私はライラックの元に行った。ライラック─花宮菫は元気だった。私のことも覚えていて、色々な話をした。でも、菫は私の記憶の中の彼女とは程遠く、今ではすっかり年老いていた。それでも元気で、中身は変わらなかった。彼女は私に花宮を名乗るように言われた。有難く名乗らせてもらおう。
6月22日(☀)
「うち」にも友達が出来て、どうしようか悩んでいた部活動に一緒に誘ってくれた。入ったのは陸上部。今でもそこそこ早い自信はあるけど、もっと速い人がいて、その人に勝ちたいって思った。それと、最近麗魅がうるさすぎる。ニヤニヤと「よかったのう」とか言って殴りたい衝動に駆られる時がある。
6月23日(☔)
今日も菫の家に行った。親戚のこと言う設定らしく、いつでも遊びに来ていいらしい。菫は娘の話をよく話す。今は旦那さんのところに住んでいるらしいがここにも度々来るんだそう。そして毎回お土産に菫の好きなお菓子を持ってくると言った。楽しそうでなによりだ。
6月24日(☀)
体育の授業があった。ハードルといって、さくのようなものを飛び越えながら走る競技だ。ハードル自体はやったことがないが、走るのは好きだし、柵を飛び越えるのはよくやっていた。クラスで2番目くらいに速かったと言われた。そこらの男子より速いからか、男子とも仲良くなれた。多分仲良くなれたのは女子力のなさからだろうが…。
6月25日(☔)
菫の家に行くと、子供が来ていた。小さな男の子で、カズキと言っていた。菫の年齢は知らないが、カズキは三、四歳くらいだろうからひ孫になるんじゃないだろうか。…娘夫婦は幾つなのだろうか。カズキと遊んでいたら帰る時間になった。別れは惜しいがまた会えるだろうから挨拶をして帰る。カズキから折り紙のチューリップを貰った。
6月26日(☁)
今日は菫の命日だ。最近は進学やらテストやらでバタバタしていたし、ずっと晴れが続いているのだからすっかり忘れていた。もう1年だろうか。お葬式には「うち」も呼ばれていたっけか。再開して1年も経っていないはずだ。そう言えば、丁度菫と再開した日から雨が降り続いていた気がする。今とは随分と対照的だ。来年の今日もこうしてまた思い出すのだろうか。彼女との「あちら」での生活、「こちら」での思い出を、彼女がくれた安らぎを。
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