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第1章・転生しました
1-22 ニ人目発見…!?
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魔法収納を習得してから早2年。私も8歳となり、背も20センチは伸びている…と思います。
えぇと、私は今商店街にいます。リリスも一緒です、ハイ。なんでこんな話し方なんだって?
お母さんと買い物に来てあちこち歩き回った結果…疲れたんです。当然ですよね、1時間歩き続けたんですもん。
お母さんは家に帰るそうですが、私とリリスは図書館に寄りたかったので、お母さんと別れてリリスと2人で図書館へゴーです。
「リリスは何調べるの?」
そう聞くと、リリスは何故か黒いオーラを滲み出しながら笑っています。
「心理学、かな…?ふふ」
怖い!私の妹が怖い!心理学で何するんですか!え、ほんと何するの。
後で聞いた話なんですが、教会ではなく学園に行けるようにする為だそうです。いや、あの時「大丈夫」って言ったのはなんだったんですか。
今日はいつもの所ではなく、王都の大きな図書館に来ています。この世界の「常識」や、貴族について、学園について調べるのです。
私たちの街でも十分わかるのですが、詳しいことはこちらの方がわかると聞いたので。
〝ゲーム〟でも分からない事がありますからね。
「あ、私こっちだ。じゃ、スピカ。また後でね」
「りょーかい。2時間したらここシューゴーね」
見事なまでに正反対に歩き出す私たち。
リリスはあっちに行っちゃったから、もう私だけ。じゃ、私は私のやるべき事をしましょうか!
「えーっと?あぁ、こっちか」
そして向かう先は勿論歴史。この中のどれかが麗しき悪役令嬢、ベルローズちゃんの家系の歴史が書かれた本があるはずです。
「…お?これかな?」
赤や青、黄に緑などのカラフルな色が多い中、それだけは落ち着いた色をしていた。
本を手に取り、題名を見る。
〝ハートライズ王国貴族〟
ビンゴですね!
そう、私が知りたかったのはこれなんです。ベルローズちゃん…様の方がいいかな?
で、ベルローズ様が6歳の頃にベルローズ様のお母様が亡くなってしまったんです。理由はなんとベルローズ様のせい。ベルローズ様の悪戯が原因なんだとか。
ですから、今この本にベルローズ様のお母様の名前が残っていたら、ベルローズ様は転生者という可能性が高いわけです。
さて…どうでしょうか。
ペらりペらりとページをめくる。数ページめくった所でヴェストラー家を見つける。
「………生きてる」
家系図にはベルローズ・ヴェストラーの上の2つの名前にはどちらにもバツは打たれていません。
エリカ・ヴェストラー、それがお母様の名前のようです。エリカ様は死んでいません。
つまり、ベルローズ様は転生者の可能性が高い!
そう、ベルローズ様は転生者の可能性が高いのです。
…それがどうした、ですって?
考えても見てください。ゲーム内では私、ヒロインを徹底的に敵視していたベルローズ様はいないのです。
ラノベとかでは悪役という役目を全うしようとしている方もいますが、そうだとしても、嫌われていたヒロインはいません。こんな中身アホのヒロインですよ?嫌われます?…きっと馬鹿だからって嫌われますね。まぁ近づきますけど。
つまり何が言いたいかと言うと、
嫌われずにベルローズ様を眺めることが出来る!!
はあ…なんという至福。学園が楽しみになってきました。
え、気持ち悪い?
可愛いものをめでて何が悪いのです。
なんて事を考えてにやにやと気味の悪い笑いを浮かべている私は相当気持ち悪いでしょう。時々刺さる視線が痛いです。
「ねぇ」
嗚呼ベルローズ様。私はあなたを愛しています。ですから一緒にあそびましょう!
「おーい」
小さい頃の思い出って素敵ですよね。学園で感動の再会!みたいな感じです。
「聞いてるー?」
「アッハイなんでしょう」
嫌な予感に2回無視を続けたらさすがに怒られました。いや、怒られてはないですけど。
横を向けばふんわりとした青色の髪。明らか貴族な感じの服装。
知 っ て た 。
何が「知ってた」だって?察してますよね?既に。攻略キャラですよこんちくしょう。久しぶりに遠出したらこれですか。
取り敢えず彼のスペックを。
彼の名前はアレックス・ドーナード。
どっかのご子息。…誰でしたっけ?
今度リリスに聞きに行ってみましょう。え、お父さんやお母さんじゃないのかって?お父さんとお母さんに乙女ゲームだって言いたくないですから。
で、このアレックスく…様がどうしてここに。
「君は笑っているけど、その本は面白いの?」
あー…。
ついに突っ込まれましたね。大人じゃなくてよかったとは思いますけど。それにしてもなんて言いましょう?もう正直に言っちゃいましょうそうしましょう。無い頭を働かせるのが面倒になってきたんですすみません。
「いえ。本自体は全く面白くないです」
「じゃあどうして笑っているの?」
「この本でわかったことから、あることを考えていまして。その事が合っているとしたら楽しみで楽しみで…!」
アレックス様はこてんと首をかしげている。可愛いです。子供って可愛いですよね。でもごめんなさい、貴方の大人の姿は別に好きじゃないんですよ。でも性格は好きなので女子に生まれ変わってください。
…すみませんでした。
っていうか、いい感じにごまかせたのでは?いや、〝あること〟が気になるのはわかりますがそれはあざとく「なーいしょ!」って言っとけばいいんですよ。その心配は杞憂に終わりましたが。
その後2、3言話してばいばーいです。
え?あっさりしすぎじゃね?と思った皆さん。
私もそう思います、ハイ。
だって幼くても、ヒロインの中身が別人でもヒロインと攻略対象ですよ?もうちょっとなんかあっても、ねぇ?いやね、何も無いことが一番なんでしょうけどね……。
なんとも言えないこの気持ち…。リリスに愚痴ろう。そうしましょう。
因みに、リリスもアレックスに会ったんだとか何とか。しかし話の内容もこちらとそう変わらず。「その本面白い?」「おすすめの本とかある?」程度の会話だそうです。
えぇと、私は今商店街にいます。リリスも一緒です、ハイ。なんでこんな話し方なんだって?
お母さんと買い物に来てあちこち歩き回った結果…疲れたんです。当然ですよね、1時間歩き続けたんですもん。
お母さんは家に帰るそうですが、私とリリスは図書館に寄りたかったので、お母さんと別れてリリスと2人で図書館へゴーです。
「リリスは何調べるの?」
そう聞くと、リリスは何故か黒いオーラを滲み出しながら笑っています。
「心理学、かな…?ふふ」
怖い!私の妹が怖い!心理学で何するんですか!え、ほんと何するの。
後で聞いた話なんですが、教会ではなく学園に行けるようにする為だそうです。いや、あの時「大丈夫」って言ったのはなんだったんですか。
今日はいつもの所ではなく、王都の大きな図書館に来ています。この世界の「常識」や、貴族について、学園について調べるのです。
私たちの街でも十分わかるのですが、詳しいことはこちらの方がわかると聞いたので。
〝ゲーム〟でも分からない事がありますからね。
「あ、私こっちだ。じゃ、スピカ。また後でね」
「りょーかい。2時間したらここシューゴーね」
見事なまでに正反対に歩き出す私たち。
リリスはあっちに行っちゃったから、もう私だけ。じゃ、私は私のやるべき事をしましょうか!
「えーっと?あぁ、こっちか」
そして向かう先は勿論歴史。この中のどれかが麗しき悪役令嬢、ベルローズちゃんの家系の歴史が書かれた本があるはずです。
「…お?これかな?」
赤や青、黄に緑などのカラフルな色が多い中、それだけは落ち着いた色をしていた。
本を手に取り、題名を見る。
〝ハートライズ王国貴族〟
ビンゴですね!
そう、私が知りたかったのはこれなんです。ベルローズちゃん…様の方がいいかな?
で、ベルローズ様が6歳の頃にベルローズ様のお母様が亡くなってしまったんです。理由はなんとベルローズ様のせい。ベルローズ様の悪戯が原因なんだとか。
ですから、今この本にベルローズ様のお母様の名前が残っていたら、ベルローズ様は転生者という可能性が高いわけです。
さて…どうでしょうか。
ペらりペらりとページをめくる。数ページめくった所でヴェストラー家を見つける。
「………生きてる」
家系図にはベルローズ・ヴェストラーの上の2つの名前にはどちらにもバツは打たれていません。
エリカ・ヴェストラー、それがお母様の名前のようです。エリカ様は死んでいません。
つまり、ベルローズ様は転生者の可能性が高い!
そう、ベルローズ様は転生者の可能性が高いのです。
…それがどうした、ですって?
考えても見てください。ゲーム内では私、ヒロインを徹底的に敵視していたベルローズ様はいないのです。
ラノベとかでは悪役という役目を全うしようとしている方もいますが、そうだとしても、嫌われていたヒロインはいません。こんな中身アホのヒロインですよ?嫌われます?…きっと馬鹿だからって嫌われますね。まぁ近づきますけど。
つまり何が言いたいかと言うと、
嫌われずにベルローズ様を眺めることが出来る!!
はあ…なんという至福。学園が楽しみになってきました。
え、気持ち悪い?
可愛いものをめでて何が悪いのです。
なんて事を考えてにやにやと気味の悪い笑いを浮かべている私は相当気持ち悪いでしょう。時々刺さる視線が痛いです。
「ねぇ」
嗚呼ベルローズ様。私はあなたを愛しています。ですから一緒にあそびましょう!
「おーい」
小さい頃の思い出って素敵ですよね。学園で感動の再会!みたいな感じです。
「聞いてるー?」
「アッハイなんでしょう」
嫌な予感に2回無視を続けたらさすがに怒られました。いや、怒られてはないですけど。
横を向けばふんわりとした青色の髪。明らか貴族な感じの服装。
知 っ て た 。
何が「知ってた」だって?察してますよね?既に。攻略キャラですよこんちくしょう。久しぶりに遠出したらこれですか。
取り敢えず彼のスペックを。
彼の名前はアレックス・ドーナード。
どっかのご子息。…誰でしたっけ?
今度リリスに聞きに行ってみましょう。え、お父さんやお母さんじゃないのかって?お父さんとお母さんに乙女ゲームだって言いたくないですから。
で、このアレックスく…様がどうしてここに。
「君は笑っているけど、その本は面白いの?」
あー…。
ついに突っ込まれましたね。大人じゃなくてよかったとは思いますけど。それにしてもなんて言いましょう?もう正直に言っちゃいましょうそうしましょう。無い頭を働かせるのが面倒になってきたんですすみません。
「いえ。本自体は全く面白くないです」
「じゃあどうして笑っているの?」
「この本でわかったことから、あることを考えていまして。その事が合っているとしたら楽しみで楽しみで…!」
アレックス様はこてんと首をかしげている。可愛いです。子供って可愛いですよね。でもごめんなさい、貴方の大人の姿は別に好きじゃないんですよ。でも性格は好きなので女子に生まれ変わってください。
…すみませんでした。
っていうか、いい感じにごまかせたのでは?いや、〝あること〟が気になるのはわかりますがそれはあざとく「なーいしょ!」って言っとけばいいんですよ。その心配は杞憂に終わりましたが。
その後2、3言話してばいばーいです。
え?あっさりしすぎじゃね?と思った皆さん。
私もそう思います、ハイ。
だって幼くても、ヒロインの中身が別人でもヒロインと攻略対象ですよ?もうちょっとなんかあっても、ねぇ?いやね、何も無いことが一番なんでしょうけどね……。
なんとも言えないこの気持ち…。リリスに愚痴ろう。そうしましょう。
因みに、リリスもアレックスに会ったんだとか何とか。しかし話の内容もこちらとそう変わらず。「その本面白い?」「おすすめの本とかある?」程度の会話だそうです。
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