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第87話 世界を変える魔術の一つである
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「どっちでもいい。どの道二人とも殺せば一緒だからなっと、他人が喋っている途中で殴って来るのも行儀が悪い行為であると我は思うのだが?」
「残念ながら人に向かって殺す等という者はマナー以前の問題ですので喋っている途中で殴られても仕方がございませんわ」
しかしながら目の前の魔王はわたくし達を殺すと言うのでやはり後ろの魔王ではなく目の前の魔王から先に倒すとしよう。
そしてわたくしが目くらましがてら光魔術低段位【閃光】を発動し、その間姿勢を落とし一気に距離を詰め、敵の魔王が射程圏内に入った瞬間身体を起こして顎を下から風魔術低段位【風・突上打】で打ち抜こうとするも、寸前の所で止められてしまう。
「因みに我の名前はベルゼーブブだ覚えておけ小娘。まぁ、次の瞬間には跡形もなく死んでいるだろうがな」
目の前の魔王は自身の名を言った後、恐らく闇の魔術であろう攻撃魔術を無詠唱で行使してくるのが、ベルゼーブブの身体を走る魔力の流れから感知できたのだが、先ほどのわたくしの攻撃を防がれた時に右腕を掴まれており逃げる事ができない。
そして次の瞬間には、わたくしは闇の奔流に飲み込まれ、錐揉み状に吹き飛ばされてしまうが、重力魔術【浮遊】を使い華麗に舞い降りて見せる。
因みにこの重力魔術という存在自体が大発見物であるのだが、この【浮遊】にしても今までの風魔術である【飛行】の上位互換であると実際に使用してみた結果そう思える程の代物である。
何よりも便利なのが遅いスピードでの移動や、空中で停止する時のコントロールが【浮遊】の方が圧倒的に制御しやすいのである。
これが広がれば【飛行】を使用して突然の突風などでコントロールが効かなくなった結果墜落死してしまうという事故が一気に減る事だろう。
ある意味で世界を変える魔術の一つであるとわたくしは思っている。
こういう今までに無かった属性や魔術を知っているマオは一体何者なのか、本当にただの魔王ですらここ最近では怪しいと思い始めていたりする。
「あら? 今何かわたくしに攻撃しましたか? そよ風が吹いただけに思うのですが? あ、申し遅れました。わたくしシャルロット・ヨハンナ・ランゲージと申します。因みに後ろで控えている魔王の弟子でもあります………将来の妻かもしれませんわね」
「はははははっ!! 魔王っ! 魔王と申したか小娘っ!?」
「小娘ではございませんわ。シャルロット・ヨハンナ・ランゲージです。記憶力が全くないバカなのかしら?この山羊擬きは」
「残念ながら人に向かって殺す等という者はマナー以前の問題ですので喋っている途中で殴られても仕方がございませんわ」
しかしながら目の前の魔王はわたくし達を殺すと言うのでやはり後ろの魔王ではなく目の前の魔王から先に倒すとしよう。
そしてわたくしが目くらましがてら光魔術低段位【閃光】を発動し、その間姿勢を落とし一気に距離を詰め、敵の魔王が射程圏内に入った瞬間身体を起こして顎を下から風魔術低段位【風・突上打】で打ち抜こうとするも、寸前の所で止められてしまう。
「因みに我の名前はベルゼーブブだ覚えておけ小娘。まぁ、次の瞬間には跡形もなく死んでいるだろうがな」
目の前の魔王は自身の名を言った後、恐らく闇の魔術であろう攻撃魔術を無詠唱で行使してくるのが、ベルゼーブブの身体を走る魔力の流れから感知できたのだが、先ほどのわたくしの攻撃を防がれた時に右腕を掴まれており逃げる事ができない。
そして次の瞬間には、わたくしは闇の奔流に飲み込まれ、錐揉み状に吹き飛ばされてしまうが、重力魔術【浮遊】を使い華麗に舞い降りて見せる。
因みにこの重力魔術という存在自体が大発見物であるのだが、この【浮遊】にしても今までの風魔術である【飛行】の上位互換であると実際に使用してみた結果そう思える程の代物である。
何よりも便利なのが遅いスピードでの移動や、空中で停止する時のコントロールが【浮遊】の方が圧倒的に制御しやすいのである。
これが広がれば【飛行】を使用して突然の突風などでコントロールが効かなくなった結果墜落死してしまうという事故が一気に減る事だろう。
ある意味で世界を変える魔術の一つであるとわたくしは思っている。
こういう今までに無かった属性や魔術を知っているマオは一体何者なのか、本当にただの魔王ですらここ最近では怪しいと思い始めていたりする。
「あら? 今何かわたくしに攻撃しましたか? そよ風が吹いただけに思うのですが? あ、申し遅れました。わたくしシャルロット・ヨハンナ・ランゲージと申します。因みに後ろで控えている魔王の弟子でもあります………将来の妻かもしれませんわね」
「はははははっ!! 魔王っ! 魔王と申したか小娘っ!?」
「小娘ではございませんわ。シャルロット・ヨハンナ・ランゲージです。記憶力が全くないバカなのかしら?この山羊擬きは」
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