31 / 99
第31話 青く煌き始める魔法陣に、漏れ出す魔力
しおりを挟む
言いたい事だけ一方的に言うとカイザル殿下と聖女メアリーはわたくしから離れ、召喚術の担当講師の元へ去って行く。
そもそも聖女メアリーの契約している生物は確かにドラゴンではあるもののワイバーンと言えば良いのにと思うとそれを口にするとまた面倒臭い事になるので最後まで我慢できたわたくしを誰か褒めて欲しい。
「では、早速皆さんの契約した生物を順番に召喚していきましょう、と言いたいところではありますが今日は何と、あの聖女メアリーさんが来てくれてます。まずは皆様のお手本として召喚の実演をして頂きましょう」
講師がそう言うと、周りから歓声に上がり聖女メアリーが前へ出ると可愛らしくペコリとお辞儀をする。
そして何故かカイザル殿下はまるで自分の事のように誇らしげにしていた。
「では、聖女メアリーさん、お願いします」
「分かりました。では、行きます」
聖女メアリーは講師から召喚する様に促され、点高くに召喚術式の魔法陣を展開させて行く。
青く煌き始める魔法陣に、漏れ出す魔力。
その眩い程の輝きと魔力の濃度に今から召喚される生物が桁外れな存在であると言うのを告げている。
そして純白のワイバーンが召喚され、ホバリングした後舞い降りてくると、頭を聖女メアリーに撫でられてご機嫌そうに喉を鳴らしている姿が見える。
その雄々しいくも神々しいささえあるワイバーンをカイザル殿下が目を輝かせながら眺めていた。
「流石聖女メアリー。パーフェクトでした。そしていつ見ても美しいワイバーンですね。間違いなく歴代最高峰、歴代最強の召喚生物として何十年、何百年と魔術学園、いや王国で語り継がれて行く事でしょう」
「先生、褒めても何も出ませんよっ。ですが、それに恥じない様にこれからも精進して頑張って行きたいと思います」
そして、聖女メアリーの召喚が終わるといよいよわたくし達の番である。
聖女メアリーに続けとばかりに契約してきた様々な生物を皆召喚していき、気がつけばまだ召喚していない者はわたくしだけとなっていた。
因みにカイザル殿下は少しだけ大きな蜥蜴を召喚してレッサードラゴンと言い張っていた姿は流石に滑稽であった。
「では最後にシャルロットさん、お願いします」
「無理なら無理で良いんですよ?」
「最後に笑いのオチをつけるとは。恥ずかしいなら恥ずかしいと素直に言えないのか?」
何か聖女メアリーやカイザル殿下がわたくしに何か言っていたのだが、もうわたくしの耳には何も届かない。
そもそも聖女メアリーの契約している生物は確かにドラゴンではあるもののワイバーンと言えば良いのにと思うとそれを口にするとまた面倒臭い事になるので最後まで我慢できたわたくしを誰か褒めて欲しい。
「では、早速皆さんの契約した生物を順番に召喚していきましょう、と言いたいところではありますが今日は何と、あの聖女メアリーさんが来てくれてます。まずは皆様のお手本として召喚の実演をして頂きましょう」
講師がそう言うと、周りから歓声に上がり聖女メアリーが前へ出ると可愛らしくペコリとお辞儀をする。
そして何故かカイザル殿下はまるで自分の事のように誇らしげにしていた。
「では、聖女メアリーさん、お願いします」
「分かりました。では、行きます」
聖女メアリーは講師から召喚する様に促され、点高くに召喚術式の魔法陣を展開させて行く。
青く煌き始める魔法陣に、漏れ出す魔力。
その眩い程の輝きと魔力の濃度に今から召喚される生物が桁外れな存在であると言うのを告げている。
そして純白のワイバーンが召喚され、ホバリングした後舞い降りてくると、頭を聖女メアリーに撫でられてご機嫌そうに喉を鳴らしている姿が見える。
その雄々しいくも神々しいささえあるワイバーンをカイザル殿下が目を輝かせながら眺めていた。
「流石聖女メアリー。パーフェクトでした。そしていつ見ても美しいワイバーンですね。間違いなく歴代最高峰、歴代最強の召喚生物として何十年、何百年と魔術学園、いや王国で語り継がれて行く事でしょう」
「先生、褒めても何も出ませんよっ。ですが、それに恥じない様にこれからも精進して頑張って行きたいと思います」
そして、聖女メアリーの召喚が終わるといよいよわたくし達の番である。
聖女メアリーに続けとばかりに契約してきた様々な生物を皆召喚していき、気がつけばまだ召喚していない者はわたくしだけとなっていた。
因みにカイザル殿下は少しだけ大きな蜥蜴を召喚してレッサードラゴンと言い張っていた姿は流石に滑稽であった。
「では最後にシャルロットさん、お願いします」
「無理なら無理で良いんですよ?」
「最後に笑いのオチをつけるとは。恥ずかしいなら恥ずかしいと素直に言えないのか?」
何か聖女メアリーやカイザル殿下がわたくしに何か言っていたのだが、もうわたくしの耳には何も届かない。
14
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
家族と移住した先で隠しキャラ拾いました
狭山ひびき@バカふり160万部突破
恋愛
「はい、ちゅーもーっく! 本日わたしは、とうとう王太子殿下から婚約破棄をされました! これがその証拠です!」
ヴィルヘルミーネ・フェルゼンシュタインは、そう言って家族に王太子から届いた手紙を見せた。
「「「やっぱりかー」」」
すぐさま合いの手を入れる家族は、前世から家族である。
日本で死んで、この世界――前世でヴィルヘルミーネがはまっていた乙女ゲームの世界に転生したのだ。
しかも、ヴィルヘルミーネは悪役令嬢、そして家族は当然悪役令嬢の家族として。
ゆえに、王太子から婚約破棄を突きつけられることもわかっていた。
前世の記憶を取り戻した一年前から準備に準備を重ね、婚約破棄後の身の振り方を決めていたヴィルヘルミーネたちは慌てず、こう宣言した。
「船に乗ってシュティリエ国へ逃亡するぞー!」「「「おー!」」」
前世も今も、実に能天気な家族たちは、こうして断罪される前にそそくさと海を挟んだ隣国シュティリエ国へ逃亡したのである。
そして、シュティリエ国へ逃亡し、新しい生活をはじめた矢先、ヴィルヘルミーネは庭先で真っ黒い兎を見つけて保護をする。
まさかこの兎が、乙女ゲームのラスボスであるとは気づかづに――
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!
ユウ
恋愛
幼い頃から兄を溺愛する母。
自由奔放で独身貴族を貫いていた兄がようやく結婚を決めた。
しかし、兄の結婚で全てが崩壊する事になった。
「今すぐこの邸から出て行ってくれる?遺産相続も放棄して」
「は?」
母の我儘に振り回され同居し世話をして来たのに理不尽な理由で邸から追い出されることになったマリーは自分勝手な母に愛想が尽きた。
「もう縁を切ろう」
「マリー」
家族は夫だけだと思い領地を離れることにしたそんな中。
義母から同居を願い出られることになり、マリー達は義母の元に身を寄せることになった。
対するマリーの母は念願の新生活と思いきや、思ったように進まず新たな嫁はびっくり箱のような人物で生活にも支障が起きた事でマリーを呼び戻そうとするも。
「無理ですわ。王都から領地まで遠すぎます」
都合の良い時だけ利用する母に愛情はない。
「お兄様にお任せします」
実母よりも大事にしてくれる義母と夫を優先しすることにしたのだった。
追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります
秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。
そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。
「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」
聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる