29 / 99
第29話 ランゲージ家にとっての家族
しおりを挟む
「それは実に心強いですな」
「ええ、それはもう勿論ですわっ!!」
そう力強く答えるわたくしを見てセバスはとても優しい表情を浮かべる。
「ここ最近シャルロットお嬢様の笑顔を見れてなかったので、今日久しぶりにシャルロットお嬢様の笑顔を見れて私は安堵致しました。魔王だろうが悪魔であろうが私には関係ありません。シャルロットお嬢様の笑顔を護れる者か、シャルロットお嬢様の笑顔を消す者か、ただそれだけですので私にとっての魔王様はまごう事なきシャルロットお嬢様の笑顔を取り戻す事が出来た恩人で御座います。御礼に何かプレゼントを差し上げたいのですけれどもシャルロットお嬢様は魔王様の好みをご存知で?」
「もう、流石にセバスは大袈裟すぎですわ………大袈裟すぎですわよね?」
流石にマオの事を持ち上げ過ぎであると言うのだがセバスの真剣な表情を見て思わず聞き返してしまう。
「大袈裟では御座いません。家族の笑顔を取り戻せたのですから」
「そ、そうですわよねっ! わたくしとセバスは血こそ繋がっておりませんがまごう事なき家族ですわね。いや、セバスだけでは御座いませんわ。使用人全てがランゲージ家にとっての家族ですわね」
その家族に心配をかけてしまっていたという事に今更ながら気付き反省する。
「とりあえずマオの好みを後で聞いておきますわ」
「シャルロットお嬢様にはお手数をお掛けいたしますが何卒宜しくお願い致します」
そしてわたくしはセバスと離れて魔術学園の校舎へと向かう。
それにしても、マオの好みは何であろうか?
まるで想像がつかない。
そんなこんなでマオの好みや今欲しそうなものをあれやこれやと想像しているといつの間にか教室についていた。
なんだかんだで今までは無視をされる事を気にしていたのだが、今日はそんな事よりもマオの好みの方が気になって仕方がない。
むしろマオの好みの事と比べると無視をされる事など最早どうでも良いとさえ思ってしまうのだから不思議である。
そして教室に入ると皆今日の話題は召喚術の実技の事で盛り上がっている様である。
あぁ、今この者達に『わたくしは物凄く強い者と契約する事ができた』と、どれ程言いたいことか。
そんなわたくしの中の欲求と戦いながらいよいよ召喚術の授業となり、皆実技の為に魔術訓練場へと移動する。
「では、これより召喚術の実技へ移りたいと思うのですが皆んなは宿題として出していた、何らかの生物との契約は出来ているでしょうか?」
講師がクラスメイト達に声をかけると講師からの問いに各々一斉に答え出す。
「ええ、それはもう勿論ですわっ!!」
そう力強く答えるわたくしを見てセバスはとても優しい表情を浮かべる。
「ここ最近シャルロットお嬢様の笑顔を見れてなかったので、今日久しぶりにシャルロットお嬢様の笑顔を見れて私は安堵致しました。魔王だろうが悪魔であろうが私には関係ありません。シャルロットお嬢様の笑顔を護れる者か、シャルロットお嬢様の笑顔を消す者か、ただそれだけですので私にとっての魔王様はまごう事なきシャルロットお嬢様の笑顔を取り戻す事が出来た恩人で御座います。御礼に何かプレゼントを差し上げたいのですけれどもシャルロットお嬢様は魔王様の好みをご存知で?」
「もう、流石にセバスは大袈裟すぎですわ………大袈裟すぎですわよね?」
流石にマオの事を持ち上げ過ぎであると言うのだがセバスの真剣な表情を見て思わず聞き返してしまう。
「大袈裟では御座いません。家族の笑顔を取り戻せたのですから」
「そ、そうですわよねっ! わたくしとセバスは血こそ繋がっておりませんがまごう事なき家族ですわね。いや、セバスだけでは御座いませんわ。使用人全てがランゲージ家にとっての家族ですわね」
その家族に心配をかけてしまっていたという事に今更ながら気付き反省する。
「とりあえずマオの好みを後で聞いておきますわ」
「シャルロットお嬢様にはお手数をお掛けいたしますが何卒宜しくお願い致します」
そしてわたくしはセバスと離れて魔術学園の校舎へと向かう。
それにしても、マオの好みは何であろうか?
まるで想像がつかない。
そんなこんなでマオの好みや今欲しそうなものをあれやこれやと想像しているといつの間にか教室についていた。
なんだかんだで今までは無視をされる事を気にしていたのだが、今日はそんな事よりもマオの好みの方が気になって仕方がない。
むしろマオの好みの事と比べると無視をされる事など最早どうでも良いとさえ思ってしまうのだから不思議である。
そして教室に入ると皆今日の話題は召喚術の実技の事で盛り上がっている様である。
あぁ、今この者達に『わたくしは物凄く強い者と契約する事ができた』と、どれ程言いたいことか。
そんなわたくしの中の欲求と戦いながらいよいよ召喚術の授業となり、皆実技の為に魔術訓練場へと移動する。
「では、これより召喚術の実技へ移りたいと思うのですが皆んなは宿題として出していた、何らかの生物との契約は出来ているでしょうか?」
講師がクラスメイト達に声をかけると講師からの問いに各々一斉に答え出す。
4
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
「婚約を破棄したい」と私に何度も言うのなら、皆にも知ってもらいましょう
天宮有
恋愛
「お前との婚約を破棄したい」それが伯爵令嬢ルナの婚約者モグルド王子の口癖だ。
侯爵令嬢ヒリスが好きなモグルドは、ルナを蔑み暴言を吐いていた。
その暴言によって、モグルドはルナとの婚約を破棄することとなる。
ヒリスを新しい婚約者にした後にモグルドはルナの力を知るも、全てが遅かった。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
婚約破棄されたので暗殺される前に国を出ます。
なつめ猫
ファンタジー
公爵家令嬢のアリーシャは、我儘で傲慢な妹のアンネに婚約者であるカイル王太子を寝取られ学院卒業パーティの席で婚約破棄されてしまう。
そして失意の内に王都を去ったアリーシャは行方不明になってしまう。
そんなアリーシャをラッセル王国は、総力を挙げて捜索するが何の成果も得られずに頓挫してしまうのであった。
彼女――、アリーシャには王国の重鎮しか知らない才能があった。
それは、世界でも稀な大魔導士と、世界で唯一の聖女としての力が備わっていた事であった。
【完結】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
前世を思い出したのでクッキーを焼きました。〔ざまぁ〕
ラララキヲ
恋愛
侯爵令嬢ルイーゼ・ロッチは第一王子ジャスティン・パルキアディオの婚約者だった。
しかしそれは義妹カミラがジャスティンと親しくなるまでの事。
カミラとジャスティンの仲が深まった事によりルイーゼの婚約は無くなった。
ショックからルイーゼは高熱を出して寝込んだ。
高熱に浮かされたルイーゼは夢を見る。
前世の夢を……
そして前世を思い出したルイーゼは暇になった時間でお菓子作りを始めた。前世で大好きだった味を楽しむ為に。
しかしそのクッキーすら義妹カミラは盗っていく。
「これはわたくしが作った物よ!」
そう言ってカミラはルイーゼの作ったクッキーを自分が作った物としてジャスティンに出した…………──
そして、ルイーゼは幸せになる。
〈※死人が出るのでR15に〉
〈※深く考えずに上辺だけサラッと読んでいただきたい話です(;^∀^)w〉
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げました。
※女性向けHOTランキング14位入り、ありがとうございます!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる