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第16話 勉強が出来るだけの娘が勝てよう筈がない
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召喚術の講義が終わり周りは週末明けの授業までにどんな生物を召喚し、契約してくるかという話題で教室は持ちきりである。
因みにこの魔術学園で一番強く、そして珍しいとされる生物を今現在従えているのが何を隠そう聖女メアリーであり、その生物とはドラゴンの頭に蝙蝠の翼、一対の鷲の足に蛇の尻尾、そして尻尾の先には矢尻がある生物、そうその生物とは魔術学園始まって以来歴代最高位最強の生物であるワイバーンである。
しかもただのワイバーンではなく純白に光り輝く変異種でありその白い巨軀はまさに聖女メアリーの為の召喚獣と言えよう。
その生物を聖女メアリーは一学年時に契約を果たしているのだからその才能の高さが窺えて来る。
そしてわたくしが一学年の時に契約を果たした生物は鳩である。
それも雉鳩という神々しさよりも野性味が強い見た目である。
恐らく今もどこかの森で楽しく生きている事でしょう。
そもそもの話殆どの生徒がリスや小鳥と言った小動物であり、偶に鷲や狼と契約を果たす者がちらほら出てくるぐらいであるのだ。
そんな中で純白に輝くワイバーンと契約を果たした聖女メアリーは、聖女というカテゴリーを外しても召喚術師としては王国一の才能を持っていると言っても過言では無い。
かたや公爵家の娘という肩書を外したら魔法は闇と光を除き全て色普通で突出した色は無く、召喚術師としても雀以上鷲以下の真ん中と平平凡凡、自慢と言えば苦手な色の魔術が無い事と筆記テストは常にトップスリーに入る程の位置である事ぐらいであろう。
言うなれば勉強だけはできる娘、といった評価であろう。
かたや聖女という肩書を外したら魔法は光という珍しい色の使い手でしかも今現在は一回のみであるが高段位魔術までも扱える才能の持ち主であり、光の他には水魔術の色もそこそこ適正は高く今現在では中段位の回復魔術を扱える程である。そしてそれだけでは無く召喚術師としての才能は最早申し分無く、名実共に隙がなくその美貌がそれらの名声に更に拍車をかける始末である。
そんな相手に勉強が出来るだけの娘が勝てよう筈がない。
「悔しい………」
そう分かっていてもそう呟かずにはいられなかった。
どうせこの週末いくら頑張ろうとも、無理しようとも、去年より幾ばくか成長していようとも、わたくしが契約出来るのはせいぜい意思疎通しやすい鳥類で、カラス辺りが関の山であろう。
そう思うと悲しみの感情が襲い始め、わたくしはスカートをギュッと握り涙が溢れ出すのを堪える。
因みにこの魔術学園で一番強く、そして珍しいとされる生物を今現在従えているのが何を隠そう聖女メアリーであり、その生物とはドラゴンの頭に蝙蝠の翼、一対の鷲の足に蛇の尻尾、そして尻尾の先には矢尻がある生物、そうその生物とは魔術学園始まって以来歴代最高位最強の生物であるワイバーンである。
しかもただのワイバーンではなく純白に光り輝く変異種でありその白い巨軀はまさに聖女メアリーの為の召喚獣と言えよう。
その生物を聖女メアリーは一学年時に契約を果たしているのだからその才能の高さが窺えて来る。
そしてわたくしが一学年の時に契約を果たした生物は鳩である。
それも雉鳩という神々しさよりも野性味が強い見た目である。
恐らく今もどこかの森で楽しく生きている事でしょう。
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そんな中で純白に輝くワイバーンと契約を果たした聖女メアリーは、聖女というカテゴリーを外しても召喚術師としては王国一の才能を持っていると言っても過言では無い。
かたや公爵家の娘という肩書を外したら魔法は闇と光を除き全て色普通で突出した色は無く、召喚術師としても雀以上鷲以下の真ん中と平平凡凡、自慢と言えば苦手な色の魔術が無い事と筆記テストは常にトップスリーに入る程の位置である事ぐらいであろう。
言うなれば勉強だけはできる娘、といった評価であろう。
かたや聖女という肩書を外したら魔法は光という珍しい色の使い手でしかも今現在は一回のみであるが高段位魔術までも扱える才能の持ち主であり、光の他には水魔術の色もそこそこ適正は高く今現在では中段位の回復魔術を扱える程である。そしてそれだけでは無く召喚術師としての才能は最早申し分無く、名実共に隙がなくその美貌がそれらの名声に更に拍車をかける始末である。
そんな相手に勉強が出来るだけの娘が勝てよう筈がない。
「悔しい………」
そう分かっていてもそう呟かずにはいられなかった。
どうせこの週末いくら頑張ろうとも、無理しようとも、去年より幾ばくか成長していようとも、わたくしが契約出来るのはせいぜい意思疎通しやすい鳥類で、カラス辺りが関の山であろう。
そう思うと悲しみの感情が襲い始め、わたくしはスカートをギュッと握り涙が溢れ出すのを堪える。
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