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第268話思っていた以上に興奮していたのだろう

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「そうだな、亜人は一定のスキルと魔術の威力が上がりそれ以外のスキルや魔術の威力は弱くなる。獣人はスキルの威力が上がり魔術の威力が下がる。人間は全てが平均的で魔族はスキルは平均的で魔術の威力が上がる。これだけ見れば魔族はデメリットが無く魔術の威力が高いメリットだけある為強い種族に見えるが、魔族だけ空気中のマナを魔力に変換する──」

 目を輝かしながらレニア達はクロの話す懐かしい思い出話しを聞いていたのだが、いつのまにかサラ達も興味津々といった感じでクロの話しに耳を傾け聞いておりクロは種族人間が苦手種族でいつもそこで負けていた話しをしている。

 するとレニア達に混じりさり気なくクロに寄り添って話しを聞いていたミイアが驚きを隠せない様子で吃驚し、クロから一瞬手を離した瞬間何者かの手がミイアの首根っこを掴みずるりと後退させるとその空いたスペースにターニャが何食わぬ顔で陣取り空いたスペースを狙っていた複数人の落胆した声がクロには聞こえない程度の音量で聞こえてくる。

「そうだな、もともと種族差的にも八対ニぐらいはあったからなぁ……仲間内には最悪ブッパで賭けに出る奴も多かったな」
「えぇ!?そんなに差がある様には見えないんだけど!むしろ魔族の方が人間より強いイメージがあるんだけど!」

 クロの話に珍しくキンバリーが食いつてくる。

 というよりもあまり自分の事を話さないクロの昔話に皆集中して聞いていた為クロが試合に出ていたという事には興味をもてても魔族と人間の優劣にはクロの過去よりかは興味をそそる物ではない為なのだがキンバリーの言葉により確かにと皆一様に疑問に思う。

「魔族は空気中のマナを魔力に変換する事が出来ないんだ。そして人間だけが体内で魔力を作り空気中のマナを魔力に変換出来る種族なんだ。すなわち防御に徹してさえいれば魔族は勝手に魔力切れしてしまう」

 上機嫌でそう話すクロに最初は知らない知識もあり楽しかったのだがクロが自分の事を一向に喋ろうとしなくりそこから軽く二時間近くマニアックな事を話す事となるとは彼女達は知る由もなかった。


◇◆◆◇


 久しぶりに飲んだと思える程クロは飲んだ。

 それは多分レニア達の試合を観て昔の、まだ低ランクでNPCですら手こずっていたあの頃を思い出し思っていた以上に興奮していたのだろう。

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