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第251話空気が震えるほどの歓声が響く

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 そのスピードを乗せた渾身の突きをレニアは対戦相手の一人に放ち見事命中させる事に成功させるとレニアは右手を二回握りその後左手を一回握る。

 その瞬間レニアは後ろに跳躍し、その下を文字どうり這うようにエシリアが前に出る。

「行きます!はっ!!」

 そしてエシリアは相手の胸目掛けて鋭い一撃を白く輝くハルバートで一閃、そして間髪入れず身体を鋭く回転させて尻尾に装備している尻尾刀で切るつけるとハルバートを握る両手を二回強く握る。

 その瞬間エシリアは慣性を無視した動きとスピードで飛ぶ様に後退する。

 それと同時に相手の前衛は倒れ、中衛が露わになる。

 その中衛目掛けて真上から不自然な光が煌めきとっさに中衛は横へステップし移動するとランスを持ったレニアが降って来て先程まで中衛が居た場所の地面に深く一撃を入れていた。

 レニア達の空間を広く使うこの戦い方に対戦相手はある種の恐怖を植え付けられる。

 上下左右に前衛中衛の入れ替わりスキルを使わず攻撃しているにもかかわらずその一撃一撃は非常に重い。

 更に本来なら攻撃魔法を撃ってくるはずの後衛は何もせず仕切りに手を動かすだけである。

 そんな見たことも無い戦い方をする相手と戦う術を対戦相手は知らずただただ混乱するだけである。

「何なんだよ何なんだよ何なんだよ!!こんなの聞いていないんだよ!【龍尾の一振り】!」

 そんな未知から来る恐怖に対戦相手は自身の持つ最高の一撃をレニアに向けて何も考えず放ってしまう。

「トントントンタン!」

 そのスキルは今まで彼を数々の窮地から救ってくれた最も信頼出来るの一撃だった事は間違いない。

 レニアは単に相手の攻撃をクロに教わったリズムに合わせて直前ガードをし硬直時間を無くすとスキル終わりに出来る致命的とも言える隙を狙おうとしただけなのだがそれ故に目の前の光景を受け入れる事が出来ないでいる。

 そして彼等は知らない。レニア達が既にAランクの冒険者相手でも難なく立ち回れる事に。

「下段弱・下段中・足払い【刺突】下段弱・立ち中・ディレイ・立ち弱・立ち中・立ち強【雷撃】」

 その瞬間闘技場から音が消え、その後に空気が震えるほどの歓声が響く。


◇◆◇◆


「は、初めて勝ちました!!」
「やりましたね!レニア!」
「ま…まぁ当然ですわね。なんたって私達の師はお師匠様ですもの……っ!」



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