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第243話それでもまだ足りない
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そして少女はそれだけ言うと今度こそ門の向こう側へ行ってしまい、その門は消えて無くなってしまう。
「はは……やっぱりお前じゃないか、ルル」
そして少女は確かに自分に向けて言ったのだ「ロッド」と。
それはルルしかし使わない俺の呼び名である。
「やっぱり俺じゃお前の横には並べなかったのか……」
そして幼き頃から今まで目をそらしていた事実を今、受け止める覚悟を持つ。
目の前にはルルを本当の意味で救った男性が静かに佇み、俺を見据えている。
どう足掻いた所で勝てない事は既に重々承知。
しかし、其れでも男としての意地だけは捨てたくはない。
「クロ・フリートにはスキルを使うな……か。普通ならこれ程の相手にスキルを使わないのは自殺行為だが……」
ルルが言うならそうなんだろう。
そして俺は短く息を吐くと十振りの死が待ち受ける場へと駆け出して行く。
その瞬間クロ・フリートの周りを浮遊する刀が俺を襲ってくるがそれらを見切り躱し大鎌の腹で弾き防ぐ。
クロ・フリートが攻めに転じればどうなるか先ほど痛いほど思い知らされた。
一度ガードするだけでこちらが攻める隙を消されただひたすらガードを崩されるのを待つだけであろうことは容易に想像出来てしまう。
それは浮遊し攻撃をしてくるこの刀にも言える事であるため、けして刀による斬撃を受け止めようとはせず、躱し攘う事に撤する。
であるならばクロ・フリートが攻めに移る隙を無くさなければならず、その為にはひたすら攻めに転じるのみである。
もっと早く…もっと早く…もっと早く…もっと早くっ!!
もはや身体の限界を超えたスピードだと言うのは軋む身体が教えてくれる。
それでもまだ足りない。
攻撃速度も威力も何もかも。
であるならば身体の限界を超えていようとも更に早く更に重い一撃を放つまでである。
喰らえ………喰らえ……喰らえ…喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ!!
身体の何処かが切れた音が聞こえてくる。
視界が赤く染まり、鉄の味が口に広がりその匂いが鼻を抜ける。
文字通り身体のリミッターを外して更に身体強化のスキルと魔術を重ねがけしている為、もし万が一クロ・フリートに勝てたとしてももうまともに歩く事すら出来ないであろう。
それでも、まだ届かない。
「はは……やっぱりお前じゃないか、ルル」
そして少女は確かに自分に向けて言ったのだ「ロッド」と。
それはルルしかし使わない俺の呼び名である。
「やっぱり俺じゃお前の横には並べなかったのか……」
そして幼き頃から今まで目をそらしていた事実を今、受け止める覚悟を持つ。
目の前にはルルを本当の意味で救った男性が静かに佇み、俺を見据えている。
どう足掻いた所で勝てない事は既に重々承知。
しかし、其れでも男としての意地だけは捨てたくはない。
「クロ・フリートにはスキルを使うな……か。普通ならこれ程の相手にスキルを使わないのは自殺行為だが……」
ルルが言うならそうなんだろう。
そして俺は短く息を吐くと十振りの死が待ち受ける場へと駆け出して行く。
その瞬間クロ・フリートの周りを浮遊する刀が俺を襲ってくるがそれらを見切り躱し大鎌の腹で弾き防ぐ。
クロ・フリートが攻めに転じればどうなるか先ほど痛いほど思い知らされた。
一度ガードするだけでこちらが攻める隙を消されただひたすらガードを崩されるのを待つだけであろうことは容易に想像出来てしまう。
それは浮遊し攻撃をしてくるこの刀にも言える事であるため、けして刀による斬撃を受け止めようとはせず、躱し攘う事に撤する。
であるならばクロ・フリートが攻めに移る隙を無くさなければならず、その為にはひたすら攻めに転じるのみである。
もっと早く…もっと早く…もっと早く…もっと早くっ!!
もはや身体の限界を超えたスピードだと言うのは軋む身体が教えてくれる。
それでもまだ足りない。
攻撃速度も威力も何もかも。
であるならば身体の限界を超えていようとも更に早く更に重い一撃を放つまでである。
喰らえ………喰らえ……喰らえ…喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ!!
身体の何処かが切れた音が聞こえてくる。
視界が赤く染まり、鉄の味が口に広がりその匂いが鼻を抜ける。
文字通り身体のリミッターを外して更に身体強化のスキルと魔術を重ねがけしている為、もし万が一クロ・フリートに勝てたとしてももうまともに歩く事すら出来ないであろう。
それでも、まだ届かない。
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