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第148話素直に可愛いと思える要因

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「は、花だなんて…」
「お、俺がご主人様にとっての花だと……」

 そう言って顔を赤らめうつむきながら照れる二人の頭を軽く撫で、更に顔を真っ赤にしてしまう二人。

 二人共そういう反応も可愛いという事に気付いてないみたいでそういうところも素直に可愛いと思える要因だろう。

 しかし例え欺とさが見え、演技だと分かっていても可愛いものは可愛いと思ってしまうのだが。

「しかし、なんで人間お前が大魔王であるご主人様に好意を寄せたんだ?」
「気付いたら好きになってたのよ。確かに最初は怖かったし、好意どころか嫌悪すら抱いていたわね。…でもそうね、多分クロがレニア達に対する接し方を間近で見てきたから、ですね」

 顔を赤らめうつむきながらクロの後ろをついて来ていた二人なのだが、二人はクロに聞こえないように小声で会話をし始めたのだが、その内容が全部聞こえてしまいクロは若干顔をあからめる。

「ふーん。そういうもんか?」
「ええ。特にレニアさん達はただでさえ周りから酷い扱いをされていたのでそのぶんクロの人となりが分かるというか、何というか……と、いうか私ばかりずるいですよ?そういうアルさんはどうなんですか?アルさんは昨日クロと会ったばかりでしょう」
「たっく、しょうがねーな…わかったよ。……俺って見た目男じゃん?それがコンプレックスだったんだが、それをご主人様が……その……つ、つまりよういう事だっ!」

 どういう事だよと言いたくなるのだがなんとか我慢する。聞かなくてもなんとなく想像できるのでわざわざ盗み聞きしている事をばらす必要もないだろう。

 そしてサラもどういう事か理解したのか顔から湯気が出始めショート寸前である。

 もしこれが前世なら浮気やら二股やらで修羅場であろう事は想像できてしまい胃のあたりが痛くなる……いや、今の状況は婚約者である二人には伝えてないためこの世界でもアウトなのだろうが……婚約者ではもうないのだろう事実に今度は胸が痛み出すも後ろで無駄に恥ずかしくなり胸をかきむしりたくなる内容を幸せそうに語る二人には同じ過ちを犯してはならないと強く誓う。

「さて、着いたぞ」
「着いたって服屋じゃないか」
「新しい服を買うのですか?」

 そうこうしているうちに目的地についたのだが後をついて来た二人は要領を得てないみたいである。


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