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第105話まさかサラに男が出来たなんてね

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 ちなみに目の届く範囲内に彼を置く事は難しいため新たにギルドガードを作る際に次いでに私とクロだけのパーティーを作り、パーティー内で使えるシステム“メンバー同士の位置情報の把握ができる”という機能を使い、彼が何処にいるか確認できるようにしている。

 もちろん、私の位置情報も彼に知られてしまうのだが、この際仕方ないと割り切っている。

「見たわよサラ。まさかサラに男が出来たなんてね……せめて親友の私には誰なのか教えてよ?」

 そして大魔王がこの学園都市にいるという事実など知るよしもないキンバリーが笑顔で問いかけてくるのだが、目がマジである。

「まったく、こういう時にだけ親友って言葉を使うんだから」

 そう言うとキンバリーは「あら、そうだったかしら?」と悪びれもなく惚ける。

 剣帝と恐れられている私にも分け隔てなく接してくれる所が彼女 の良き部分なのだが、この時ばかりはそれが煩わしく思ってしまう。

「まぁ、それは置いといて……でっ、彼は誰なのかしら!?まさかサラが束縛癖があるってのも意外だったわっ!」
「誰でも良いでしょ。それに束縛癖なんてありませんっ!」
「でもパーティー登録を進めたのはサラの方からだったよね?どうしてパーティー登録なんかする必要があるのかなぁ?」
「それは彼が何処で何をしているか気になるからに決まっているでしょう!本当は私の目が届く範囲に彼を置いときたいのを我慢してるんですからね!できないからパーティー登録したんですっ!!」

 いつの間にかギルド内は静かになっており私の声がギルド内の隅々まで響き渡り、反響する。

 キンバリーが煩わしくなりつい語気を強めて反論してしまったのだが、これは取り返しのつかない事をしてしまったのではないか?どう考えても私の反論は束縛癖を肯定するような内容そのものである。

 どう説明したら良いものか。

 そう思いつつも親友の顔を見ると今まで見たことの無いような物凄く良い笑顔をしているではないか。

「…………サラ?」
「な、なんですか?」
「仕事が終わったら飲みに行くわよ」
「いや、でもクロと落ち合う約束を……」
「へぇークロさんという方ですか。すでに呼び捨てで呼んでる仲ですか」
「いや、そうじゃなくてっ」
「言い訳は飲みの席で聞いてあげるから。奢りよね?」
「………………はい」

 19歳で未だに独身のキンバリーの目を見て断る事が出来ないサラであった。

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