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第75話この世界に二人の魔王が誕生した瞬間
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目の前に広がる光景、それはアーシェ側クロ側全ての者達がクロに向けて膝を地につけ頭を垂れている光景であった。
そしてクロはどうしたもんかと悩むも直ぐに名案が閃いたのかスキル【拡声】を使うと全員に聞こえるように声を張上げ告げる。
「………二人の魔王の決闘は終わり、今この時より決闘に勝利した私、クロ・フリートを大魔王とし、アーシェ・ヘルミオネを引き続き魔王とする!」
そして、この世界に二人の魔王が誕生した瞬間であった。
◇◆◆◇
「お兄ちゃん、本当に行っちゃうの?」
「ああ。ここにいても仕方がないしな、それにこの世界の事をもっと知りたいと思ってもいるからな」
正式にこの世界の魔王になってから小一時間ほど経過した今、クロ達はノクタスのギルドにいた。
「えーっ、別に今じゃなくてもいいじゃん! 一緒に色んなことしようよ!」
「いや、そう言われてもなぁ…」
明らかに下心丸出しなアーシェの提案に言葉を濁すクロ。
クロはこれから適当な理由を付けてここではない何処かへ旅立つつもりなのだが、旅立つ決心がついた理由にアーシェから自らの貞操を守りきる自信が無かったからとは口が裂けても言えそうにない。
まぁ元より貞操と言えるほどの清い身体ではもうないのだが…。
「クロ様! 冒険者登録を済ましました!」
「わ、私も…私も登録済んだ!」
そう言いながらセラとルシフェルが作ったばかりのギルドカードを手に嬉しそうにクロの元へ駆けて来る。
「しかし、私たちが使える魔術段位と扱える属性色を言ったら怪物でも見るかのような目線を受付の方が向けてくるんですよ?」
「ははは…」
そして冒険者登録にあたりセラの担当になった職員の対応に不満を漏らすセラ。
しかしクロはギルド職員の気持ちが少なからず分かってしまい乾いた笑いでごまかす。
この世界では段位五以上の魔術保持者は、単に今までその者たちが黙秘しているだけなのか、本当にいなかったのか定かではないのだが今までこの世界には現れなかったのだからそんな中魔術段位五以上の魔術を扱える者が登録しに来たのだ。
しかも、先ほどの俺とアーシェの戦いを見ているため否定しようにもその上の魔術の存在を実際に肌で感じ、見てしまった後となっては認めざるを得ないのだろう。
しかも魔術段位五以上使える者はセラだけではなく、次々に段位五以上を軽く超えて来る、クロの家臣でもある新たな登録者達に受付で対応している複数の職員の目が座っている気がしないでもない。
そしてクロはどうしたもんかと悩むも直ぐに名案が閃いたのかスキル【拡声】を使うと全員に聞こえるように声を張上げ告げる。
「………二人の魔王の決闘は終わり、今この時より決闘に勝利した私、クロ・フリートを大魔王とし、アーシェ・ヘルミオネを引き続き魔王とする!」
そして、この世界に二人の魔王が誕生した瞬間であった。
◇◆◆◇
「お兄ちゃん、本当に行っちゃうの?」
「ああ。ここにいても仕方がないしな、それにこの世界の事をもっと知りたいと思ってもいるからな」
正式にこの世界の魔王になってから小一時間ほど経過した今、クロ達はノクタスのギルドにいた。
「えーっ、別に今じゃなくてもいいじゃん! 一緒に色んなことしようよ!」
「いや、そう言われてもなぁ…」
明らかに下心丸出しなアーシェの提案に言葉を濁すクロ。
クロはこれから適当な理由を付けてここではない何処かへ旅立つつもりなのだが、旅立つ決心がついた理由にアーシェから自らの貞操を守りきる自信が無かったからとは口が裂けても言えそうにない。
まぁ元より貞操と言えるほどの清い身体ではもうないのだが…。
「クロ様! 冒険者登録を済ましました!」
「わ、私も…私も登録済んだ!」
そう言いながらセラとルシフェルが作ったばかりのギルドカードを手に嬉しそうにクロの元へ駆けて来る。
「しかし、私たちが使える魔術段位と扱える属性色を言ったら怪物でも見るかのような目線を受付の方が向けてくるんですよ?」
「ははは…」
そして冒険者登録にあたりセラの担当になった職員の対応に不満を漏らすセラ。
しかしクロはギルド職員の気持ちが少なからず分かってしまい乾いた笑いでごまかす。
この世界では段位五以上の魔術保持者は、単に今までその者たちが黙秘しているだけなのか、本当にいなかったのか定かではないのだが今までこの世界には現れなかったのだからそんな中魔術段位五以上の魔術を扱える者が登録しに来たのだ。
しかも、先ほどの俺とアーシェの戦いを見ているため否定しようにもその上の魔術の存在を実際に肌で感じ、見てしまった後となっては認めざるを得ないのだろう。
しかも魔術段位五以上使える者はセラだけではなく、次々に段位五以上を軽く超えて来る、クロの家臣でもある新たな登録者達に受付で対応している複数の職員の目が座っている気がしないでもない。
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