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第74話眼前に広がる光景思わず息を飲む
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そう言いながらクロは無詠唱で光と水の魔術段位七【トリメンデス・ヒール】を自身にかけてみせる。
「はあ…お兄ちゃんの体力を一に戻した装備品ってお兄ちゃんの奥さんがお兄ちゃんとゲーム内でも結婚した時に貰ったアイテムだよね? また、私は負けちゃったのか…」
「いや、お前は負けてもないし勝ってもいないだろう?」
「…え?」
「だってお前まだ同じ土俵に上がってきたばかりの新米だろう? この試合が終わってはじめてお前は俺の嫁の恋敵になったんだ。今までは勝負ですらなくただの独りよがりだ」
自分で言って恥ずかしくなり顔が若干熱をおびる。
「そして今日の、お前の気持ちの返事は保留だ」
そう言うとクロはストレージから金貨をほぼ全てアーシェの前に出し切る。
そして突然の返事と目の前の光景にただただ呆けることしかできないでいるアーシェ。
「これは試合で壊してしまった城の修繕費用だ。足りないかもしれないが…。あと、これをお前に貸すから今度は城の建設後もちゃんと国民に仕事わ食料を与えれる魔王を目指せ。一応俺が死ぬ日までの事はネット検索できるみたいだしそこから得られる情報を小出ししていけばなんとかなるんじゃないか?」
そう言うとクロはアーシェにタブレット型端末を渡す。
この端末機器はスリムホンも同様に何故かネットに接続でき、滝沢祐介が死んだ時間から止まってしまったかのように全ページ更新がされてない。
逆にそれまでの情報は得れるわけだ。
政を生業にしているアーシェの役に少しは立つだろう。
こんな俺が持つよりも役立ててくれるだろう。
「さて、死合では勝ったが試合では負けた訳だから俺の魔王の称号をお前に引き渡すよ」
そう言いながらカーソルを動かし称号画面へと移動するクロなのだが、その指をアーシェが手を添えて首をふる。
「魔王は力が全てなの。お兄ちゃんを殺しきれず圧倒的な力量の差を見せつけられて負けた私にはもう魔王の資格は無いの。もちろんだからといってこの国の政から手を引かないから安心して?」
「いや、しかしだな……」
「目の前に広がる光景を見ても?」
なおも反論しようとするクロの言葉を遮りアーシェはクロに周りを見て同じ事が言えるのか?と指摘すると、方膝を地に付けクロに頭を下げる。
突然のアーシェの行動に頭を上げるよう促すも一向に聞く耳を持たないアーシェに「ったく……我が儘なお姫様だな」と言うと渋々といった感じで辺りを見渡すクロ。
「…………なっ」
眼前に広がる光景思わず息を飲む。
「はあ…お兄ちゃんの体力を一に戻した装備品ってお兄ちゃんの奥さんがお兄ちゃんとゲーム内でも結婚した時に貰ったアイテムだよね? また、私は負けちゃったのか…」
「いや、お前は負けてもないし勝ってもいないだろう?」
「…え?」
「だってお前まだ同じ土俵に上がってきたばかりの新米だろう? この試合が終わってはじめてお前は俺の嫁の恋敵になったんだ。今までは勝負ですらなくただの独りよがりだ」
自分で言って恥ずかしくなり顔が若干熱をおびる。
「そして今日の、お前の気持ちの返事は保留だ」
そう言うとクロはストレージから金貨をほぼ全てアーシェの前に出し切る。
そして突然の返事と目の前の光景にただただ呆けることしかできないでいるアーシェ。
「これは試合で壊してしまった城の修繕費用だ。足りないかもしれないが…。あと、これをお前に貸すから今度は城の建設後もちゃんと国民に仕事わ食料を与えれる魔王を目指せ。一応俺が死ぬ日までの事はネット検索できるみたいだしそこから得られる情報を小出ししていけばなんとかなるんじゃないか?」
そう言うとクロはアーシェにタブレット型端末を渡す。
この端末機器はスリムホンも同様に何故かネットに接続でき、滝沢祐介が死んだ時間から止まってしまったかのように全ページ更新がされてない。
逆にそれまでの情報は得れるわけだ。
政を生業にしているアーシェの役に少しは立つだろう。
こんな俺が持つよりも役立ててくれるだろう。
「さて、死合では勝ったが試合では負けた訳だから俺の魔王の称号をお前に引き渡すよ」
そう言いながらカーソルを動かし称号画面へと移動するクロなのだが、その指をアーシェが手を添えて首をふる。
「魔王は力が全てなの。お兄ちゃんを殺しきれず圧倒的な力量の差を見せつけられて負けた私にはもう魔王の資格は無いの。もちろんだからといってこの国の政から手を引かないから安心して?」
「いや、しかしだな……」
「目の前に広がる光景を見ても?」
なおも反論しようとするクロの言葉を遮りアーシェはクロに周りを見て同じ事が言えるのか?と指摘すると、方膝を地に付けクロに頭を下げる。
突然のアーシェの行動に頭を上げるよう促すも一向に聞く耳を持たないアーシェに「ったく……我が儘なお姫様だな」と言うと渋々といった感じで辺りを見渡すクロ。
「…………なっ」
眼前に広がる光景思わず息を飲む。
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