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第34話裸にワイシャツの完成

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 そういうとメアは寂しげに笑う。

 クロの腕を掴むメアの手は弱々しく、小さく震えていて気が付くと俺はメアの頭を優しく撫でていた。

 俺は元の世界に妻子がいるし愛してもいる。

 今まで育った環境により刷り込まれた常識もある。

 しかし、今目の前の幼い女性を安心させる事が出来るのは俺しかいないのだと思うとそれらはムダな抵抗でしかなかった。

 一人異世界に放り出された現実、一度死んでいるため元の世界に帰れないかもしれない不安、たとえ帰れたとしても生命保険など様々な問題があるため元の世界に帰れても妻子に会う事はできないだろう。

 だからたった数日なのだがメアやミイアが今の俺の全てになりつつあり、それら不安や孤独を忘れさせてくれる存在になり二人に依存し始めてきていた。

 俺の心は自分が思っているよりも弱っていた事に気づく。

 俺は気が付くとメアを優しくベッドへと押し倒すと軽く敏感な所を刺激して行く。

 そしてメアが軽く絶頂を迎えた事を確認し、いざ本番へといったところでいきなりドアをノックされドア越しにミヤコが話かけてくる。

「そういやクロさんはパジャマは必要かね?」
「いえ、大丈夫です」
「そうかい。ではおやすみよ」
「………」
「………」
「…ね、寝ようか」
「そ、そうだな」

 多分ミヤコに全て聞かれていたと思うと一気に欲情した気持ちは消え去り背中に冷や汗が流れる。

 メアも同じらしく真っ赤な顔をさらに真っ赤にして布団の中に隠れだす。

 隠れたい気持ちは痛いほどわかる。

 親友の家でナニをはじめ、親友の祖母にバレやんわりと止められたのだ。

 俺なら死にたいと思うだろう。

 しかし、少しして顔を出したメアはどこか嬉しげに見えた。

 その幸せそうな顔を見て今までの行為を思い出すと、ミヤコに止められなかったらと思うと様々な罪悪感が俺を支配するのであった。


◇◆◆◇


 朝起きると隣にメアが幸せそうに眠っていた。

 裸で。

 俺が起きる動作でメアを起こしてしまったらしくメアが眠気眼をこすりながら上半身を起こす。

 一応胸を隠すようにシーツで覆っているのだが逆にその姿は扇情的で俺の男の部分を刺激する。

 このままでは色々とヤバイのでストレージから生前使っていたワイシャツを取り出すとそれをメアに渡す。

「一度見られているとはいえその、恥ずかしいからあまりジロジロ見ないでくれ。……す、少しなら許すが…………」
 
 などと恥じらいながらもそもそと着替え出すメアは初々しくて凄く可愛いらしく、着替え終わったその姿はまんま男のロマン、裸にワイシャツの完成である。
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