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第24話当たり前の事だろ?
しおりを挟むしかしそんな過去があれば、普通なら冒険者が多く集まるギルド職員は避ける職業の筆頭だと思えるのだがそれなりの理由でもあるのだろうか?
「全ての男性が獣人だからと暴力振るわない事も理解できてますし、その時に率先して動いてくれて犯人を逮捕してくれたのがギルド職員の女性でして、私はその方に憧れてギルド職員を目指しました。冒険者も含めて守れるような存在になりたくて…………くふー」
そしてメアがミイアに代わってさらに補足してくれる。
「ようは、ミイアは男性冒険者からイジメられた経験からなのか男性、特に筋肉隆々とした男性が苦手らしくて頭では 男性でも悪い人ばかりではないと理解できているから日常生活には問題ないんだが、心はそうもいかないらしく発情期が来なかったみたいなんだ。そこに細身ながら実力も相当強いと見受けられるクロが現れ、強い異性に引かれる雌としての本能と、苦手意識が低い細身な身体をしているクロの存在は……」
そこで一度言葉を区切るとクロの胸に顔をグリグリと押し付け我を忘れているミイアをみる。
「今まで溜め込んできたものが爆発する切っ掛けになったのだろうな」
「なるほど、今まで溜め込んだダムが決壊して今まで発情した経験もないから自分の感情の押さえかたが分からないという事か」
そう言いながらミイアの頭をなで回し耳をくしゅくしゅと指で擦ってあげると「みぃっ……」と可愛らしい声を上げて、もっと撫でてという風にクロにしなだれかかってくるその姿はまさに猫そのものを彷彿とさせる。
そんな二人の姿を見てメアは若干羨ましげに眺めてはいるものの、妹へ母親に甘える権利を譲った姉のようである。
その姿を見るとやはり日本で長く暮らしていた俺には異様に思えてしまう。
「ところでメアは俺がミイアとこんな事しても何も思わないのか?」
「どういう事だ?」
「俺の国では一夫一妻が常識でそれを破れば離婚、果ては慰謝料まで発生するんだが……」
「あぁ、婚約者の前で他の女性と仲睦まじくしていて怒らないのか? って事か。しかしそれは逆に理解に苦しむな」
「なんでだ?」
「より優れた子供を産むのが女の役目だからだ」
当たり前の事だろ?とメア。
確かに言われて見ればそうなのだが腑に落ちない部分も無いわけじゃない。
「だがメアの親父さんは冒険者で相当な実力だったのだろ? 何で妻が一人なんだ? メアの言い分だと何人も妻がいてもおかしくないと思うんだが」
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