24 / 293
第24話当たり前の事だろ?
しおりを挟むしかしそんな過去があれば、普通なら冒険者が多く集まるギルド職員は避ける職業の筆頭だと思えるのだがそれなりの理由でもあるのだろうか?
「全ての男性が獣人だからと暴力振るわない事も理解できてますし、その時に率先して動いてくれて犯人を逮捕してくれたのがギルド職員の女性でして、私はその方に憧れてギルド職員を目指しました。冒険者も含めて守れるような存在になりたくて…………くふー」
そしてメアがミイアに代わってさらに補足してくれる。
「ようは、ミイアは男性冒険者からイジメられた経験からなのか男性、特に筋肉隆々とした男性が苦手らしくて頭では 男性でも悪い人ばかりではないと理解できているから日常生活には問題ないんだが、心はそうもいかないらしく発情期が来なかったみたいなんだ。そこに細身ながら実力も相当強いと見受けられるクロが現れ、強い異性に引かれる雌としての本能と、苦手意識が低い細身な身体をしているクロの存在は……」
そこで一度言葉を区切るとクロの胸に顔をグリグリと押し付け我を忘れているミイアをみる。
「今まで溜め込んできたものが爆発する切っ掛けになったのだろうな」
「なるほど、今まで溜め込んだダムが決壊して今まで発情した経験もないから自分の感情の押さえかたが分からないという事か」
そう言いながらミイアの頭をなで回し耳をくしゅくしゅと指で擦ってあげると「みぃっ……」と可愛らしい声を上げて、もっと撫でてという風にクロにしなだれかかってくるその姿はまさに猫そのものを彷彿とさせる。
そんな二人の姿を見てメアは若干羨ましげに眺めてはいるものの、妹へ母親に甘える権利を譲った姉のようである。
その姿を見るとやはり日本で長く暮らしていた俺には異様に思えてしまう。
「ところでメアは俺がミイアとこんな事しても何も思わないのか?」
「どういう事だ?」
「俺の国では一夫一妻が常識でそれを破れば離婚、果ては慰謝料まで発生するんだが……」
「あぁ、婚約者の前で他の女性と仲睦まじくしていて怒らないのか? って事か。しかしそれは逆に理解に苦しむな」
「なんでだ?」
「より優れた子供を産むのが女の役目だからだ」
当たり前の事だろ?とメア。
確かに言われて見ればそうなのだが腑に落ちない部分も無いわけじゃない。
「だがメアの親父さんは冒険者で相当な実力だったのだろ? 何で妻が一人なんだ? メアの言い分だと何人も妻がいてもおかしくないと思うんだが」
30
お気に入りに追加
105
あなたにおすすめの小説
彼女がいなくなった6年後の話
こん
恋愛
今日は、彼女が死んでから6年目である。
彼女は、しがない男爵令嬢だった。薄い桃色でサラサラの髪、端正な顔にある2つのアーモンド色のキラキラと光る瞳には誰もが惹かれ、それは私も例外では無かった。
彼女の墓の前で、一通り遺書を読んで立ち上がる。
「今日で貴方が死んでから6年が経ったの。遺書に何を書いたか忘れたのかもしれないから、読み上げるわ。悪く思わないで」
何回も読んで覚えてしまった遺書の最後を一息で言う。
「「必ず、貴方に会いに帰るから。1人にしないって約束、私は破らない。」」
突然、私の声と共に知らない誰かの声がした。驚いて声の方を振り向く。そこには、見たことのない男性が立っていた。
※ガールズラブの要素は殆どありませんが、念の為入れています。最終的には男女です!
※なろう様にも掲載
【完結】記憶を失くした旦那さま
山葵
恋愛
副騎士団長として働く旦那さまが部下を庇い頭を打ってしまう。
目が覚めた時には、私との結婚生活も全て忘れていた。
彼は愛しているのはリターナだと言った。
そんな時、離縁したリターナさんが戻って来たと知らせが来る…。
【R18】さよなら、婚約者様
mokumoku
恋愛
婚約者ディオス様は私といるのが嫌な様子。いつもしかめっ面をしています。
ある時気付いてしまったの…私ってもしかして嫌われてる!?
それなのに会いに行ったりして…私ってなんてキモいのでしょう…!
もう自分から会いに行くのはやめよう…!
そんなこんなで悩んでいたら職場の先輩にディオス様が美しい女性兵士と恋人同士なのでは?と笑われちゃった!
なんだ!私は隠れ蓑なのね!
このなんだか身に覚えも、釣り合いも取れていない婚約は隠れ蓑に使われてるからだったんだ!と盛大に勘違いした主人公ハルヴァとディオスのすれ違いラブコメディです。
ハッピーエンド♡
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
女の子がひたすら気持ちよくさせられる短編集
春
恋愛
様々な設定で女の子がえっちな目に遭うお話。詳しくはタグご覧下さい。モロ語あり一話完結型。注意書きがない限り各話につながりはありませんのでどこからでも読めます。pixivにも同じものを掲載しております。
おっぱいみるく~乳首からミルクが出るようになっちゃった~
多崎リクト
BL
徹也(てつや)と潮(うしお)はラブラブの恋人同士。乳首好きの徹也。気持ちいいことに弱い潮。
ある日、潮の乳首からミルクが出るようになってしまって……!
タイトル通りとっても頭の悪い話です。頭を空っぽにして読んでね!
Twitterで連載したものをたまったら加筆修正してます。
他、ムーンライトノベルズ様と自サイトにも掲載中。
私をもう愛していないなら。
水垣するめ
恋愛
その衝撃的な場面を見たのは、何気ない日の夕方だった。
空は赤く染まって、街の建物を照らしていた。
私は実家の伯爵家からの呼び出しを受けて、その帰路についている時だった。
街中を、私の夫であるアイクが歩いていた。
見知った女性と一緒に。
私の友人である、男爵家ジェーン・バーカーと。
「え?」
思わず私は声をあげた。
なぜ二人が一緒に歩いているのだろう。
二人に接点は無いはずだ。
会ったのだって、私がジェーンをお茶会で家に呼んだ時に、一度顔を合わせただけだ。
それが、何故?
ジェーンと歩くアイクは、どこかいつもよりも楽しげな表情を浮かべてながら、ジェーンと言葉を交わしていた。
結婚してから一年経って、次第に見なくなった顔だ。
私の胸の内に不安が湧いてくる。
(駄目よ。簡単に夫を疑うなんて。きっと二人はいつの間にか友人になっただけ──)
その瞬間。
二人は手を繋いで。
キスをした。
「──」
言葉にならない声が漏れた。
胸の中の不安は確かな形となって、目の前に現れた。
──アイクは浮気していた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる