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第88話子供ができたら
しおりを挟む「ならこないだ先輩がおすすめしてくれたラーメン屋さんに行ってみたいですっ! 一人だと行く勇気が無くて……」
「あぁ、ブタ太郎ね。 今日行くところは裏メニューで味噌五目ラーメンがあって絶品だよ。 因みにブタ太郎はチェーン店なのに店舗ごとによって味が全然違うからドライブで店舗巡りもいいわよ?」
「へぇー、そうなんですね。 やっぱり彼氏さんとですか?」
「そんなところ。 さぁ仕事に戻った戻った」
そしてこれからは、子供が出来たら子供と一緒に巡りたいとも思う。
しかしながら自分を慕ってくれる後輩ともう少しで別れるのだと思うとそれはそれで寂しくなるなと倉庫へ向かう後輩の背中を眺めながら思うのであった。
◆
「どうした? 美奈子」
「ううん、何でもない。 ただ……」
「ただ?」
「ただこんなに幸せでいいのかなぁーって、漠然と思っちゃって」
結婚式まで後一週間、今現在私と水樹は大学時代ぶりに同棲を始めていた。
もちろん、一緒に暮らしたいというのもあるが、一緒に暮らした分家賃など節約できるものもある為とりあえずは一緒に暮らそうと私からい言い始めたのだ。
因みに社会人からの一人暮らしなのだが、人生で一回くらいは一人暮らしを経験したいという気持ちもあったというのも大きいのだが、今考えればそう思った私を殴ってやりたい気分だ。
でも、そのおかげで家事スキルは飛躍的に上がった気がするし、今こうして水樹と二人で暮らせるという喜びをまるでスルメイカの干物かのように噛み締めまくっている。
そして、噛み締めまくった結果、結婚を控えているという事もあり少しばかり精神的に不安定になってしまったのかもしれない。
何というか、今でこそあり得ないほど幸せなのにこれ以上幸せになってしまうのが逆に怖くなってしまったというか、幸せのキャパを超えてしまうのではないか? と考えてしまったのである。
「そうだなぁ、たとえば赤の他人が美奈子の事を幸せだから嫌いと思うとしようか」
「……ん? ……うん」
「でもそれは美奈子には関係ないよな?」
「う、うん」
「それに、誰に何を言おうが今俺と美奈子が幸せなのって、俺と美奈子がお互い信頼し続けて来れた結果で、それってとても難しい奇跡みたいな事で、その結果が今の幸せにつながっているのだとしたら、俺は妥当だと思うな。 だって、高校から付き合って今この歳までお互いが大好きで、幸せだっていう人、ここ日本でもいない事はないと思うけどかなり限られたごく少数だと思う。
「まぁ、確かに……」
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