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第63話海
しおりを挟む来てしまった
今、私の目の前に広がるは海、そして引き締まった水樹の肉体美。
同じゲーマーの癖に何故こうも筋肉の付き方が私と違うのか。
そう思いながら私はお腹を摘むと『むに』という擬音が聞こえて来そうな感じで摘む事が出来た。
解せぬ。
きっとコレは女性と男性の違いであろう。
男性の方が筋肉が付きやすいとも言うし、決して私がだらしないだとか、水樹がちゃんと日課として運動をしているとかではない。
そもそも、何故今私が弱点である夏の日差しの元にいるのかと言うと、去年はなんだかんだでちゃんと彼氏彼女として(その時はカップルの演技という体ではあったものの)純粋に海を楽しむ事が出来なかったというシコリがあったのでどうせならば二人っきりで泊まりで行こうというその場のノリで来てしまったのである。
今思えば、あの時の私はどうかしていたと、実際にこうして海に来た事で気づく事ができた。
もともと海はあまり好きではないと。
いや、そもそもアウトドア系全てあまり好きではない。
にもかかわらず海に行こうと盛り上がってのはただ単に水樹と二人で行けると舞い上がっただけで、の時の私は水樹と二人で行くのならばどこでも良かった。
まさに恋愛脳に毒されて頭を馬鹿にされてしまっていたのだろう。
悔やんでも悔やみきれない。
「どうした?」
そんな私の感情の変化に気付いてくれたのか水樹が近づいて来て、ぽんぽんと頭を軽く撫でながら心配そうに優しく聞いて来てくれる。
そう、私の頭を撫でれるくらい近づいて来るという事は、水樹の身体(裸体)が私の手が触れれる位置にまで近づいて来るという訳で。
至近距離から見る水樹の肉体(上半身裸体。ここ大事)はもう、一つの芸術品ではないかと思える程美しく、欲望を理性で保っていないと抱きついて押し倒し、頬ずりしそうなレベルである。
こんな芸術品が只で見れるのならば、海……………………来てよかったのかもしれないわね。
おっと涎が。
「や、だ、大丈夫っ、大丈夫だからっ!!」
「そうか? あまり無理はするなよ?少しでも体調が悪いと思ったら我慢せず直ぐに言えよ?」
そう聞いた瞬間、私の理性は吹き飛び水樹の上半身に抱きついていた。
「ど、どうしたんだ? いきなり」
「我慢するなって言われたから抱きついてこの完成された細マッチョという芸術品に抱きついているのよ」
「そ、そうか……まぁ、元気そうで良かったわ」
「うん、心配してくれてありがとう」
「むしろ俺が我慢できなくなりそうだ……」
「なんか言った?」
「いや、何も」
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