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第53話お家デート2
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そしてやいのやいの、あれやこれやと喋りだす家族。
ああもう最悪だ。
私自身、浮かれていて少し周りが見えていなかったのかもしれないと今になって激しく後悔する。
何か奇跡よ起きてくれ、そして我が家族に地味に嫌な天罰を下してください。神様仏様観音様、えーと、その他諸々誰でもいいのでそこのところ宜しくお願い致します。
そう今まで信じてこなかった神だ仏だと言う存在に本気で縋る。
しかしながら私の願いも空しく鳴り響く我が家へ来客を告げるチャイム音。
神はやはりいなかった。
ニーチェの言う通りきっと神は死んだのだろう。
でなければこれ程可憐で美しくいたいけな少女一人、救わないはずがない。
「はいはいはいはいはいーーーーーーっ!! 私の王子様いらっしゃぁぁぁああああいっ!!」
「あっ!? このっ、愚妹っ!!」
そして私が絶望に浸っているその瞬間、愚妹は一流のスポーツ選手もっかうやという反射神経と華麗な足捌きを駆使して滑るようにリビングから玄関へと駆けて行くではないか。
やられたっ!!
と思った瞬間には既に愚妹は玄関に到着しており、勢いよく開けるとそのまま私の彼氏へ迷うことなくダイブするではないか。
それ、『玄関を開けて抱きつく』という行為は今日私がやりたかった事の一つなのにっ!!
あぁ、私の中の何か恐ろしい物が目覚めてしまいそうだ。
「おっと、確か美奈子の妹の……」
「はいはいっ!! 私ぃー、奈央子っていいますぅっ!!」
「奈央子ちゃんね、こんにちは」
「こんにちはっ!!」
「お姉ちゃんはいるかな?」
「お姉ちゃん? 誰それわからないー。 あ、今から二人でお出かけしませんか?きゃっ、言っちゃったっ」
「こんのぉっ、泥棒猫がぁあっ!! 今すぐ高城から離れなさいよこの愚妹っ!! 水樹はわ・た・し・の・彼氏なのっ!! 高城の彼女は私であんたはただの彼女の妹、それ以上でも以下でもないモブよっ!!」
「うるさいっ!! 恋愛は最後にゴールインしてお嫁さんになった人が勝者なのっ!! 彼女なんか今の女ってだけでいずれ過去の女に変わる存在でしかないわっ!!」
そう、これは負けられない女と女の戦い。
相手が例え妹であろうと容赦など無用、ぶっ潰してやるわっ!!
「あのーー……二人とも仲が良いのは分かったけど、取り敢えず中に入って良いか?」
「「……………………はい」」
と、妹と掴み合いの取っ組み合いになりかけた所で高城が困ったような表情で声をかけて来る。
そして今の私の状況。
客観的にみても百年の恋も冷めるのでは? という大失態である事だけは理解できる。
ああもう最悪だ。
私自身、浮かれていて少し周りが見えていなかったのかもしれないと今になって激しく後悔する。
何か奇跡よ起きてくれ、そして我が家族に地味に嫌な天罰を下してください。神様仏様観音様、えーと、その他諸々誰でもいいのでそこのところ宜しくお願い致します。
そう今まで信じてこなかった神だ仏だと言う存在に本気で縋る。
しかしながら私の願いも空しく鳴り響く我が家へ来客を告げるチャイム音。
神はやはりいなかった。
ニーチェの言う通りきっと神は死んだのだろう。
でなければこれ程可憐で美しくいたいけな少女一人、救わないはずがない。
「はいはいはいはいはいーーーーーーっ!! 私の王子様いらっしゃぁぁぁああああいっ!!」
「あっ!? このっ、愚妹っ!!」
そして私が絶望に浸っているその瞬間、愚妹は一流のスポーツ選手もっかうやという反射神経と華麗な足捌きを駆使して滑るようにリビングから玄関へと駆けて行くではないか。
やられたっ!!
と思った瞬間には既に愚妹は玄関に到着しており、勢いよく開けるとそのまま私の彼氏へ迷うことなくダイブするではないか。
それ、『玄関を開けて抱きつく』という行為は今日私がやりたかった事の一つなのにっ!!
あぁ、私の中の何か恐ろしい物が目覚めてしまいそうだ。
「おっと、確か美奈子の妹の……」
「はいはいっ!! 私ぃー、奈央子っていいますぅっ!!」
「奈央子ちゃんね、こんにちは」
「こんにちはっ!!」
「お姉ちゃんはいるかな?」
「お姉ちゃん? 誰それわからないー。 あ、今から二人でお出かけしませんか?きゃっ、言っちゃったっ」
「こんのぉっ、泥棒猫がぁあっ!! 今すぐ高城から離れなさいよこの愚妹っ!! 水樹はわ・た・し・の・彼氏なのっ!! 高城の彼女は私であんたはただの彼女の妹、それ以上でも以下でもないモブよっ!!」
「うるさいっ!! 恋愛は最後にゴールインしてお嫁さんになった人が勝者なのっ!! 彼女なんか今の女ってだけでいずれ過去の女に変わる存在でしかないわっ!!」
そう、これは負けられない女と女の戦い。
相手が例え妹であろうと容赦など無用、ぶっ潰してやるわっ!!
「あのーー……二人とも仲が良いのは分かったけど、取り敢えず中に入って良いか?」
「「……………………はい」」
と、妹と掴み合いの取っ組み合いになりかけた所で高城が困ったような表情で声をかけて来る。
そして今の私の状況。
客観的にみても百年の恋も冷めるのでは? という大失態である事だけは理解できる。
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