上 下
11 / 95

第11話ワタシ、ウソツカナイ

しおりを挟む



しかしながら私を舐めないで欲しい。

いくら見てくれが良くてもコイツの中身がドス黒い事を知っている限り惚れる様な事などあり得ようが無いのだ。

そう考えれば高城はこの私を舐めすぎていると言えよう。

今現在夕方の十六時。

書類作業を無給で裁き出して約五時間が経過していた。

そして今現在、高城は姿勢を崩すことなく綺麗な姿勢の状態で眠っているではないか。

むしろ動かない事に違和感を感じれなければ私は高城が眠っている事等分からなかったであろう。

眠っている姿まで姿勢が綺麗とかふざけているのかと私はまだ見ぬ神に問いかけるも当然返事が返って来る気配はない。

私なんて朝起きると掛布団が毎回どっか行っているし………。

そもそも自分の仕事を他人に押し付けといて、自分は眠るとかいかがなものかと私は思いますけどねっ!!

結局、高城が眠っているって気付く前に書類作業全て終わらしてしまったこの私の出来る女ぶりを再確認してしまったではないか。

あぁ、イケメンを何人も侍らせて颯爽とオフィスを歩く、できるOL姿の私の姿が目に浮かぶ。

しっかし、姿勢もさる事ながら綺麗な顔立ちよね。

黙ってればイケメンなのに。

あー、まつ毛長っ。

ほっぺもぷにぷにだし。

髪もサラサラ………。

こりゃモテるのも分かるわ。





「すまん、いつの間にか眠ってたみたいだ。書類作業何処まで進んだ?あとは俺が家に持って帰って作業するから」
「へっ!、ああ、うんっ!!大丈夫ダイジョーブっ!全部終わらしといたからっ!!」
「うん?どうかしたか?そんなに慌てて」
「何にもない何にもない。ナンニモナイヨ?ワタシ、ショウジキ。ワタシ、ウソツカナイ」

あ、危なかった。

髪の触り心地があまりにも良くて思わずテーブルに身を乗り出して頭を撫でてしまっていた事が、あと少し高城が起きるのが早すぎるとバレていた所であった。

ただでさえ複数の弱みを握られているというのに更にこの鬼畜悪魔に弱みを見せる所であった。

「ふーん。普通に怪しいけど今日は書類作業終わらしてくれてたみたいだから追及はしないでおくわ」
「な、何も無いけど、一応感謝はしとくわっ!何も無いけどねっ!」

この時私は何とか凌げた安心感により、高城の頬が若干赤く染まっている事に気付くことが出来なかった。


「では、お邪魔しました。また機会があればお邪魔します」
「もう来るなっ!!」
「はいっ!次来る時は私を彼女にしてくれても良いからねっ!!」
「こんな娘でよければいつでも差し上げるから遠慮せず来ていいわよ」
「むぐぐぐぐぐっ!!(娘はやらんぞぉっ!!)」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…

ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。 しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。 気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

君の浮気にはエロいお仕置きで済ませてあげるよ

サドラ
恋愛
浮気された主人公。主人公の彼女は学校の先輩と浮気したのだ。許せない主人公は、彼女にお仕置きすることを思いつく。

見知らぬ男に監禁されています

月鳴
恋愛
悪夢はある日突然訪れた。どこにでもいるような普通の女子大生だった私は、見知らぬ男に攫われ、その日から人生が一転する。 ――どうしてこんなことになったのだろう。その問いに答えるものは誰もいない。 メリバ風味のバッドエンドです。 2023.3.31 ifストーリー追加

ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました

宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。 ーーそれではお幸せに。 以前書いていたお話です。 投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと… 十話完結で既に書き終えてます。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました

白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。 あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。 そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。 翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。 しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。 ********** ●早瀬 果歩(はやせ かほ) 25歳、OL 元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。 ●逢見 翔(おうみ しょう) 28歳、パイロット 世界を飛び回るエリートパイロット。 ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。 翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……? ●航(わたる) 1歳半 果歩と翔の息子。飛行機が好き。 ※表記年齢は初登場です ********** webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です! 完結しました!

王太子の子を孕まされてました

杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。 ※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。

処理中です...