おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ

Crosis

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第33話 単純な思考でできている

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「クズね……」

 私がこの世界で初めて潰すと判断した相手がどのような奴であるか気になった私はマップ機能を使って確認してみると、私が想像していた以上にドクズであった。

 もし、万が一良い奴であれあば注意をするだけで許してやとうと思っていたのだが、想像通りというかなんというか、やっぱりクズであった。

 あの父親の息子であるのだから間違いなくクズであろうなとは思っていたのだけれども、こうも気持ちのいいくらいクズであれば、心地よく制裁ができるというものである。

 それも、この馬鹿の父親である皇帝にも同時に制裁ができるので一石二鳥であろう。

「どうされましたか? ミサト様」
「いえ、何も無いわ。 むしろ私は心置きなく相手を粛清できるという事が分かって嬉しいって思えているくらいよ」
「それはようございましたねっ」

 そしてそんな私を見て今日の側仕え当番であるメイド、黒髪おかっぱが可愛らしいトロワが話しかけてくる。

 あぁ、なんと可愛いメイドなのだろうか?

 私のメイド部隊に関しては名前こそ手抜きなのだがビジュアルや性能に関しては一切手を抜かずに仕上げておいて良かったと心の底から思う。

 こんなにも可愛らしいメイドから心配されるような日常を過ごせる時が来るとは、生前の私は思ってすらいなかったもの……。

 ただブラックな企業に出社して、日付が変わる頃に帰宅して寝る。

 そんな毎日ではそもそも『何かを考える事』すらできなかっただろう。

 言い方はちょっとアレなのだけれども、この瞬間だけは『死んで良かった』とすら思える。

 まさに、この天空城は私にとっての天竺そのものであろう。

「さてと、相手がクズであると分かったら何だか心が一気に軽くなって食欲も出てきたわね」

 そして私というものはなんと単純な思考でできているのだろう。

 今の今まで、初めて人を殺すかもしれないと思うとストレスで食欲が湧かないどころか何なら多少気持ち悪くもあったのだが、相手が生きる価値もないクズであると分かった瞬間にこれである。

「では、料理長へ何か軽くつまめるものを用意するように伝えてきます」
「あーーーーそれも良いんだけれどもちょっと待てくれる?」
「はい。 何かお考えがあるのでしょうか?」

 そして私の『食欲も出てきた』という言葉を聞いたトロワが料理長へ軽食を作るように指示をだしてくると言うので、私はそれを一旦止める。

 するとトロワはキラッキラした目で私の方へ向くと、『他に何か考えがあるのか?』と聞いてくるではないか。
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