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最終章
マールアの使節団 2
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挨拶をしてマールアの王子たちの控室に入ると驚いたラムゼスと面白そうな笑みを浮かべたユースティスが出迎えた。
「今日は遠くマールアから祝いに来てくれて感謝する」
王子が二人に向かって感謝を述べる。
「こちらこそ、招いていただき感謝します。
よき日に晴天に恵まれた。 天もセレスタの慶事を祝福しているようですね」
にこやかに言葉を返すのはユースティス。
突然のことでも全く動揺を見せず、微笑んで握手を交わし合う。
「ラムゼス殿もよく来てくれた。
「お二人の参加は我が国にとっても貴国にとっても素晴らしいことだ。
この友好を続けていけるよう願っている」
「ああ、マールアも同じ気持ちだ」
ユースティスのようににこやかに、ではないもののラムゼスもごく普通の社交辞令で返した。
視線がこちらを向いたので頭を下げ、礼をする。
「お久しぶりです、お二方とも」
久方ぶりに会った殿下方に挨拶を述べる。
誘拐事件以来なので実に一年半くらいは経つ。
ユースティスは元々あった貫禄が増し、油断ならない雰囲気を放っている。
ラムゼスはますます精悍になって鍛えた身体の厚みも増していた。
……このラムゼスに殴られたのだったら、口の中をちょっと切ったくらいでは済まなかったかもしれない。
二人とも正反対の方向に自分の能力を伸ばしたんだなというのが見て取れる。
「そなたも久しぶりだな、会わぬうちに魅力を増した。
女性は数日見ないだけで雰囲気が変わると聞くが、一年経てば言うまでもないな」
「ありがとうございます。 ユースティス様もお変わりなく。
シェイヌ様はお元気ですか?」
「ああ、あれから体調を崩すことも減り健やかに過ごしている」
ユースティスの顔はシェイヌ様のことを話すときは笑みが柔らかくなる。
答える言葉まで優しく聞こえるのだから不思議なものだ。
「実はこの前懐妊していることがわかってな。 今は医者の話を聞いて身体を休めているところだ。
そなたには感謝しておるよ、昔のように体調を崩しがちであれば子は諦めねばならなかっただろうからな」
いきなりの祝い事に驚いた。
「それはおめでとうございます!」
シェイヌ様が母親になるなんて……!
驚いたけれどとてもおめでたいことだ。
シェイヌ様の顔を思い浮かべる。きっととても優しい母親になるのだろう。
穏やかな微笑みを思い出すと、そう思えた。
「それはめでたい。 お子が生まれた際にはセレスタからも祝いの品を贈ろう」
横で聞いていた王子も祝いを述べる。
「ありがとうございます。 まだ先になりますが今から待ち遠しくて仕方ないのですよ」
うれしそうに笑うユースティスに王子も気持ちはわかると微笑む。
その後ろでラムゼスは冷めた顔で話を聞いていた。
「今日は遠くマールアから祝いに来てくれて感謝する」
王子が二人に向かって感謝を述べる。
「こちらこそ、招いていただき感謝します。
よき日に晴天に恵まれた。 天もセレスタの慶事を祝福しているようですね」
にこやかに言葉を返すのはユースティス。
突然のことでも全く動揺を見せず、微笑んで握手を交わし合う。
「ラムゼス殿もよく来てくれた。
「お二人の参加は我が国にとっても貴国にとっても素晴らしいことだ。
この友好を続けていけるよう願っている」
「ああ、マールアも同じ気持ちだ」
ユースティスのようににこやかに、ではないもののラムゼスもごく普通の社交辞令で返した。
視線がこちらを向いたので頭を下げ、礼をする。
「お久しぶりです、お二方とも」
久方ぶりに会った殿下方に挨拶を述べる。
誘拐事件以来なので実に一年半くらいは経つ。
ユースティスは元々あった貫禄が増し、油断ならない雰囲気を放っている。
ラムゼスはますます精悍になって鍛えた身体の厚みも増していた。
……このラムゼスに殴られたのだったら、口の中をちょっと切ったくらいでは済まなかったかもしれない。
二人とも正反対の方向に自分の能力を伸ばしたんだなというのが見て取れる。
「そなたも久しぶりだな、会わぬうちに魅力を増した。
女性は数日見ないだけで雰囲気が変わると聞くが、一年経てば言うまでもないな」
「ありがとうございます。 ユースティス様もお変わりなく。
シェイヌ様はお元気ですか?」
「ああ、あれから体調を崩すことも減り健やかに過ごしている」
ユースティスの顔はシェイヌ様のことを話すときは笑みが柔らかくなる。
答える言葉まで優しく聞こえるのだから不思議なものだ。
「実はこの前懐妊していることがわかってな。 今は医者の話を聞いて身体を休めているところだ。
そなたには感謝しておるよ、昔のように体調を崩しがちであれば子は諦めねばならなかっただろうからな」
いきなりの祝い事に驚いた。
「それはおめでとうございます!」
シェイヌ様が母親になるなんて……!
驚いたけれどとてもおめでたいことだ。
シェイヌ様の顔を思い浮かべる。きっととても優しい母親になるのだろう。
穏やかな微笑みを思い出すと、そう思えた。
「それはめでたい。 お子が生まれた際にはセレスタからも祝いの品を贈ろう」
横で聞いていた王子も祝いを述べる。
「ありがとうございます。 まだ先になりますが今から待ち遠しくて仕方ないのですよ」
うれしそうに笑うユースティスに王子も気持ちはわかると微笑む。
その後ろでラムゼスは冷めた顔で話を聞いていた。
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