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最終章
マールアの使節団 1
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マールアからの使者が到着した、という報告を受けてマリナたちは視線を交わし合う。
まず言葉を発したのはヴォルフだった。
「来たのは誰だ?」
「第一王子ユースティス様と第二王子ラムゼス様だ」
ヴォルフの問いにヴァルトさんが答える。
事前に聞いていた通り、マールアからは二人が来たようだ。
「今どちらに?」
人選をしたのはユースティスだろう。流石の配慮だと思う。
二人は近隣の都市に滞在し、王都には結婚式の当日に来ることになっていた。
フレスのマリエール様のように王宮に滞在しなかったのは婚約式の後の事件を重く見て自重するというアピールだろう。
セレスタ側には何もしませんという意思表示になるし、マールア側としてもセレスタの報復を恐れる必要がない。
今回マールアの使節団にはセレスタに入った瞬間から案内人という名の監視役が付いている。
驚くことにマールア側から申し出があってのことだ。
疑われ監視されることを受け入れたユースティスの判断と同行者に納得させた手腕に感心する。中でもラムゼスに妥協させるのは苦労したのではないかと思う。
それでも流石にユリノアスは連れて来なかった。
来たら来たでもてなしを考えていたけれど、そこまで厚顔ではなかったらしい。
他国に後継者たる王子を全員向かわせるわけにもいかないとの考えもあるだろうし。
ユースティスとラムゼスはお互いに相手を残して国を留守にするのは嫌だったろうから、二人で来たというのもまあわかる。
ユリノアスならいないうちに王座を手に入れるための工作をしようなんて考えない、そう思ったのだろう。
「今は貴賓室で外務卿が挨拶をしている」
「では、外務卿の挨拶が終わったら謁見室に向かうことになりますね」
国王陛下はずうっと謁見室で使者たちの挨拶を受けている。
挨拶だけでもしておこうか、知らぬ中でもないのだし。別に嫌がらせじゃないよ?
「せっかくだから私も挨拶しておこうか」
王子の言葉にぎょっとした顔になったのはヴァルトさんだけだった。
まず言葉を発したのはヴォルフだった。
「来たのは誰だ?」
「第一王子ユースティス様と第二王子ラムゼス様だ」
ヴォルフの問いにヴァルトさんが答える。
事前に聞いていた通り、マールアからは二人が来たようだ。
「今どちらに?」
人選をしたのはユースティスだろう。流石の配慮だと思う。
二人は近隣の都市に滞在し、王都には結婚式の当日に来ることになっていた。
フレスのマリエール様のように王宮に滞在しなかったのは婚約式の後の事件を重く見て自重するというアピールだろう。
セレスタ側には何もしませんという意思表示になるし、マールア側としてもセレスタの報復を恐れる必要がない。
今回マールアの使節団にはセレスタに入った瞬間から案内人という名の監視役が付いている。
驚くことにマールア側から申し出があってのことだ。
疑われ監視されることを受け入れたユースティスの判断と同行者に納得させた手腕に感心する。中でもラムゼスに妥協させるのは苦労したのではないかと思う。
それでも流石にユリノアスは連れて来なかった。
来たら来たでもてなしを考えていたけれど、そこまで厚顔ではなかったらしい。
他国に後継者たる王子を全員向かわせるわけにもいかないとの考えもあるだろうし。
ユースティスとラムゼスはお互いに相手を残して国を留守にするのは嫌だったろうから、二人で来たというのもまあわかる。
ユリノアスならいないうちに王座を手に入れるための工作をしようなんて考えない、そう思ったのだろう。
「今は貴賓室で外務卿が挨拶をしている」
「では、外務卿の挨拶が終わったら謁見室に向かうことになりますね」
国王陛下はずうっと謁見室で使者たちの挨拶を受けている。
挨拶だけでもしておこうか、知らぬ中でもないのだし。別に嫌がらせじゃないよ?
「せっかくだから私も挨拶しておこうか」
王子の言葉にぎょっとした顔になったのはヴァルトさんだけだった。
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