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異世界<日本>視察編
日本の夏 3
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離れたところで私は自己嫌悪に陥っていた。
「なんであんなこと言っちゃったかなあ……」
呟く声にも力がない。
発端はマリナさんを待っている間の何気ない会話だった。
「メルヒオールさんとマリナさんって長い付き合いなんですか?」
二人は気の置けない関係に私からは見えた。
マリナさんも遠慮なくメルヒオールさんを怒ったりできるくらいだし、関係がそれくらいでは壊れないっていう信頼が二人の間にあるんだと思う。
同じ場所で働く仲間っていうのは知っているけれど、それだけじゃないように感じた。
今日だってわざわざマリナさんに声を掛けて誘ったくらいだしね。
「アイツが子供の頃から知ってるから長いことは長いね」
つまらなそうにメルヒオールさんが答える。
メルヒオールさんは時々こんな表情をすることがあった。
興味がない話題のとき、気に入らない態度の人を見かけたときなどにこんな顔を見たことがある。
聞かれたくない話だったのかな。
そう思いながらも気づかないふりで話を振る。
「子供の頃からですか、すごい長い付き合いですね。
子供の頃のマリナさんってすごく可愛かったんじゃないですか?」
真っ直ぐに相手を見る緑の瞳がとても印象的で、あんな瞳でじっと見られたら目を逸らせなくなってしまいそう。
「子供の頃から可愛くなかったけど?
アイツ以上に可愛げのない女は見たことない」
言われた言葉に慌てる。そんな答えが返ってくるとは思わなかった。
「なんてこと言うんですか!
女の子に可愛くないなんて言っちゃダメですよ!」
思わず語調が厳しくなる。
自分がそんなことを言われたら、と思うとそれだけで苦しくなった。
「事実だから」
淡々とした声で答えるメルヒオールさんにこれ以上は言っても無駄だと悟る。
眉を下げた私を見てメルヒオールさんがフォローするように言葉を足す。
「アイツも俺に可愛いとか言われたくないと思うよ?
すごい顔して正気を疑ってくるね、間違いなく」
本当に遠慮のない関係なんだなと呆れ混じりの羨望が胸に広がる。
「でも、マリナさんのことは特別に思ってるんですよね?
今日だって一緒に花火を見に誘ったくらいですし……」
メルヒオールさんの顔が何を言うのかと訝しむ顔に変わった。
「誘ったのは花火がどんなものか見せてみたかったからだよ。
……参考になるだろうから」
少し開けた間に何が入るのか私にはわからない。
ただメルヒオールさんにとって綺麗な光景を共有したい相手なんだと思った。
「そうなんですか。 それにしてもマリナさんってすごいですよね。
すごくしっかりしてるし、それに……」
痛む心の内を隠して話を続ける。何か話していないと、もう間が持たなかった。
「かけがえのない人間であるのは確かだね。
アイツがいなくなったら……」
ふいに考え込むように言葉を止めるメルヒオールさんに、抑えようとしていた気持ちが零れた。
「やっぱり大切な人なんじゃないですか」
「え?」
口にした瞬間に我に返る。
弁解をしようと思って上げた目がマリナさんを捉えた。
私とメルヒオールさんを交互に見て首を傾げる。
その姿に頭に冷や水を浴びせられたような気がした。
瞳から涙があふれ出す。
驚きに目を瞠るマリナさんを直視できなくて顔を背ける。
せめて涙が零れる前にと後ろを向いて顔を隠す。
涙の訳を問われる前に私は走りだし、その場から逃げだした。
改めて自己嫌悪に沈む。
勝手にメルヒオールさんを好きになって、他に大切な人がいることに勝手に傷ついているなんて、最低だ。
本当は今日はデートのつもりだった。
勇気を出してメルヒオールさんを誘って。
メルヒオールさんはいつもと同じ異世界を観察するくらいの気持ちだったなんてわかってる。
それでも高校最後の夏祭りを好きな人と回ってみたかった。
一人で盛り上がっていたからこんなことになるのだ。
落ち込んでいると葉擦れの音がしてメルヒオールさんが現れた。
「……!!」
驚いて立ち上がる。逃げ道を探すけれど前は後ろは川で、前にはメルヒオールさんがいる。
メルヒオールさんとの距離はすぐ近くで、右にも左にも逃げられるほどのスペースがない。
視線を彷徨わせる私を見下ろしてメルヒオールさんが問いかけた。
「なんで急に逃げたの」
「……」
そんなこと言えない。
メルヒオールさんに片思いしていて、大切に想われているマリナさんに嫉妬して、そんな自分が嫌で逃げ出したなんて。
自分で聞いても嫌な女なのに、好きな人に聞かせたいなんて思わない。
黙っているとメルヒオールさんが手を伸ばした。
「あんまり川の側にいると危ないよ。
こっちにおいで」
伸ばされた手を見つめる。
私が手を伸ばさないでいると催促するようにメルヒオールさんが手を上下に振る。
「ほら」
逆らえずに手を乗せるとぐいっと強い力で引っ張られる。
「……!」
気が付いたら私はメルヒオールさんの腕の中にいた。
「……?!」
まず感じたのは混乱。
次いで羞恥が襲ってくる。
「な、なんなんですか? なんで……」
混乱の極みでまともな言葉も発せない。
「こういうことかと思って」
メルヒオールさんの返事も意味がわからなかった。
「こういうことってなんですか」
「ミサキは俺のことが好きなのかと思って」
「……!!」
落とされた爆弾に頭が冷える。
気持ちがばれてしまったことに焦りと、もうどうしようもないという諦めが同時に湧いた。
「ごめんなさい……」
俯いて謝る。いきなりそんなことを言われても迷惑だよね。
「なんで謝るの?
可愛い女の子に好きだって言われて嬉しくない男はいないと思うけど」
「え?」
思わず顔を上げてメルヒオールさんを見る。
メルヒオールさんは口元をわずかに緩めて楽しそうな顔をしていた。
困惑のまま「なんで?」と呟く。
メルヒオールさんはマリナさんが好きなんじゃなかったの?
疑問が顔に浮かんだのかメルヒオールさんが苦笑いの顔になる。
「もしかして俺がマリナを好きなんじゃないかとか思った?
それアイツが知ったら怒るよ。 マリナには婚約者がいるし、俺とそういう仲だとか勘違いされるのすごい嫌がるから」
「え? ……婚約者?」
マリナさんって私より一つ下だよね、婚約者?
頭がフリーズした。
ミサキ?というメルヒオールさんの呼びかけで我に返る。
「だ、だってかけがえのない人だって……」
その言葉は単純に好きだというより深い想いに聞こえた。
「ああ、言ったことなかったっけ?
アイツは俺たちの国で王子の護衛と補佐をやってるんだ。
いなくなったらアイツの恋人だけじゃなくて王子やその周りも困るんじゃないかと思っただけ」
続けられる説明に脱力する。
完全な勘違いだった。
恥ずかしすぎる……!
顔を覆いたい気持ちになるけれど体勢のせいで手が動かせない。
「俺のことを好きだって言ってくれたのすごくうれしかった。 もう一回言ってくれる?」
抱き締められているので、すごく近くから声が降ってくる。
そのことに動揺しながらも理性では抵抗した。
「でも、メルヒオールさんは私のこと好きじゃありませんよね」
「好きだよ。 愛してるかって言われたらわからないけど」
身もふたもない返事に苦笑が漏れた。
仕方ない、メルヒオールさんはこういう人なんだもの。
私が好きになった人はそんなマイペースな人だった。
「私も愛とかはよくわかりません。 まだ早いと思うので」
好きはよくわかるけど、愛は難しい。
「そう。 一緒だね」
メルヒオールさんの笑みが深まった。
顔が近づいてきて思わず手でガードする。
「ダメです……」
「どうして?」
笑みを作った顔のままメルヒオールさんが問う。
気持ちが完全に通じ合っていないのにキスするのは嫌だ。
浮かんだその気持ちは口にせず、別のことを言う。
「この国では犯罪です」
メルヒオールさんは大人の男の人でも、私はまだ子供だ。
嫌じゃないくせにそんなことを言ってしまう。
「そうなんだ。 じゃあ、したくなったときは俺の国に来てよ」
メルヒオールさんは気にした様子もなくそんなことを言う。
「あっちなら成人してる年齢だから」
向こうの国の成年は16かららしい。
気持ちは別の問題を訴えているのに、頷かされてしまいそうだ。
「その時だけは……、悪い子になって?」
耳元で囁かれた声の甘さに真っ赤になって硬直した。
メルヒオールさんは、穏やかに見える外見と中身が一致しない。
知っていたはずのことが現実となって身に染みた。
「なんであんなこと言っちゃったかなあ……」
呟く声にも力がない。
発端はマリナさんを待っている間の何気ない会話だった。
「メルヒオールさんとマリナさんって長い付き合いなんですか?」
二人は気の置けない関係に私からは見えた。
マリナさんも遠慮なくメルヒオールさんを怒ったりできるくらいだし、関係がそれくらいでは壊れないっていう信頼が二人の間にあるんだと思う。
同じ場所で働く仲間っていうのは知っているけれど、それだけじゃないように感じた。
今日だってわざわざマリナさんに声を掛けて誘ったくらいだしね。
「アイツが子供の頃から知ってるから長いことは長いね」
つまらなそうにメルヒオールさんが答える。
メルヒオールさんは時々こんな表情をすることがあった。
興味がない話題のとき、気に入らない態度の人を見かけたときなどにこんな顔を見たことがある。
聞かれたくない話だったのかな。
そう思いながらも気づかないふりで話を振る。
「子供の頃からですか、すごい長い付き合いですね。
子供の頃のマリナさんってすごく可愛かったんじゃないですか?」
真っ直ぐに相手を見る緑の瞳がとても印象的で、あんな瞳でじっと見られたら目を逸らせなくなってしまいそう。
「子供の頃から可愛くなかったけど?
アイツ以上に可愛げのない女は見たことない」
言われた言葉に慌てる。そんな答えが返ってくるとは思わなかった。
「なんてこと言うんですか!
女の子に可愛くないなんて言っちゃダメですよ!」
思わず語調が厳しくなる。
自分がそんなことを言われたら、と思うとそれだけで苦しくなった。
「事実だから」
淡々とした声で答えるメルヒオールさんにこれ以上は言っても無駄だと悟る。
眉を下げた私を見てメルヒオールさんがフォローするように言葉を足す。
「アイツも俺に可愛いとか言われたくないと思うよ?
すごい顔して正気を疑ってくるね、間違いなく」
本当に遠慮のない関係なんだなと呆れ混じりの羨望が胸に広がる。
「でも、マリナさんのことは特別に思ってるんですよね?
今日だって一緒に花火を見に誘ったくらいですし……」
メルヒオールさんの顔が何を言うのかと訝しむ顔に変わった。
「誘ったのは花火がどんなものか見せてみたかったからだよ。
……参考になるだろうから」
少し開けた間に何が入るのか私にはわからない。
ただメルヒオールさんにとって綺麗な光景を共有したい相手なんだと思った。
「そうなんですか。 それにしてもマリナさんってすごいですよね。
すごくしっかりしてるし、それに……」
痛む心の内を隠して話を続ける。何か話していないと、もう間が持たなかった。
「かけがえのない人間であるのは確かだね。
アイツがいなくなったら……」
ふいに考え込むように言葉を止めるメルヒオールさんに、抑えようとしていた気持ちが零れた。
「やっぱり大切な人なんじゃないですか」
「え?」
口にした瞬間に我に返る。
弁解をしようと思って上げた目がマリナさんを捉えた。
私とメルヒオールさんを交互に見て首を傾げる。
その姿に頭に冷や水を浴びせられたような気がした。
瞳から涙があふれ出す。
驚きに目を瞠るマリナさんを直視できなくて顔を背ける。
せめて涙が零れる前にと後ろを向いて顔を隠す。
涙の訳を問われる前に私は走りだし、その場から逃げだした。
改めて自己嫌悪に沈む。
勝手にメルヒオールさんを好きになって、他に大切な人がいることに勝手に傷ついているなんて、最低だ。
本当は今日はデートのつもりだった。
勇気を出してメルヒオールさんを誘って。
メルヒオールさんはいつもと同じ異世界を観察するくらいの気持ちだったなんてわかってる。
それでも高校最後の夏祭りを好きな人と回ってみたかった。
一人で盛り上がっていたからこんなことになるのだ。
落ち込んでいると葉擦れの音がしてメルヒオールさんが現れた。
「……!!」
驚いて立ち上がる。逃げ道を探すけれど前は後ろは川で、前にはメルヒオールさんがいる。
メルヒオールさんとの距離はすぐ近くで、右にも左にも逃げられるほどのスペースがない。
視線を彷徨わせる私を見下ろしてメルヒオールさんが問いかけた。
「なんで急に逃げたの」
「……」
そんなこと言えない。
メルヒオールさんに片思いしていて、大切に想われているマリナさんに嫉妬して、そんな自分が嫌で逃げ出したなんて。
自分で聞いても嫌な女なのに、好きな人に聞かせたいなんて思わない。
黙っているとメルヒオールさんが手を伸ばした。
「あんまり川の側にいると危ないよ。
こっちにおいで」
伸ばされた手を見つめる。
私が手を伸ばさないでいると催促するようにメルヒオールさんが手を上下に振る。
「ほら」
逆らえずに手を乗せるとぐいっと強い力で引っ張られる。
「……!」
気が付いたら私はメルヒオールさんの腕の中にいた。
「……?!」
まず感じたのは混乱。
次いで羞恥が襲ってくる。
「な、なんなんですか? なんで……」
混乱の極みでまともな言葉も発せない。
「こういうことかと思って」
メルヒオールさんの返事も意味がわからなかった。
「こういうことってなんですか」
「ミサキは俺のことが好きなのかと思って」
「……!!」
落とされた爆弾に頭が冷える。
気持ちがばれてしまったことに焦りと、もうどうしようもないという諦めが同時に湧いた。
「ごめんなさい……」
俯いて謝る。いきなりそんなことを言われても迷惑だよね。
「なんで謝るの?
可愛い女の子に好きだって言われて嬉しくない男はいないと思うけど」
「え?」
思わず顔を上げてメルヒオールさんを見る。
メルヒオールさんは口元をわずかに緩めて楽しそうな顔をしていた。
困惑のまま「なんで?」と呟く。
メルヒオールさんはマリナさんが好きなんじゃなかったの?
疑問が顔に浮かんだのかメルヒオールさんが苦笑いの顔になる。
「もしかして俺がマリナを好きなんじゃないかとか思った?
それアイツが知ったら怒るよ。 マリナには婚約者がいるし、俺とそういう仲だとか勘違いされるのすごい嫌がるから」
「え? ……婚約者?」
マリナさんって私より一つ下だよね、婚約者?
頭がフリーズした。
ミサキ?というメルヒオールさんの呼びかけで我に返る。
「だ、だってかけがえのない人だって……」
その言葉は単純に好きだというより深い想いに聞こえた。
「ああ、言ったことなかったっけ?
アイツは俺たちの国で王子の護衛と補佐をやってるんだ。
いなくなったらアイツの恋人だけじゃなくて王子やその周りも困るんじゃないかと思っただけ」
続けられる説明に脱力する。
完全な勘違いだった。
恥ずかしすぎる……!
顔を覆いたい気持ちになるけれど体勢のせいで手が動かせない。
「俺のことを好きだって言ってくれたのすごくうれしかった。 もう一回言ってくれる?」
抱き締められているので、すごく近くから声が降ってくる。
そのことに動揺しながらも理性では抵抗した。
「でも、メルヒオールさんは私のこと好きじゃありませんよね」
「好きだよ。 愛してるかって言われたらわからないけど」
身もふたもない返事に苦笑が漏れた。
仕方ない、メルヒオールさんはこういう人なんだもの。
私が好きになった人はそんなマイペースな人だった。
「私も愛とかはよくわかりません。 まだ早いと思うので」
好きはよくわかるけど、愛は難しい。
「そう。 一緒だね」
メルヒオールさんの笑みが深まった。
顔が近づいてきて思わず手でガードする。
「ダメです……」
「どうして?」
笑みを作った顔のままメルヒオールさんが問う。
気持ちが完全に通じ合っていないのにキスするのは嫌だ。
浮かんだその気持ちは口にせず、別のことを言う。
「この国では犯罪です」
メルヒオールさんは大人の男の人でも、私はまだ子供だ。
嫌じゃないくせにそんなことを言ってしまう。
「そうなんだ。 じゃあ、したくなったときは俺の国に来てよ」
メルヒオールさんは気にした様子もなくそんなことを言う。
「あっちなら成人してる年齢だから」
向こうの国の成年は16かららしい。
気持ちは別の問題を訴えているのに、頷かされてしまいそうだ。
「その時だけは……、悪い子になって?」
耳元で囁かれた声の甘さに真っ赤になって硬直した。
メルヒオールさんは、穏やかに見える外見と中身が一致しない。
知っていたはずのことが現実となって身に染みた。
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