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セレスタ 波乱の婚約式編
マリナの行方 2
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近くにいた騎士の一人を使いに出してからメルヒオールが魔道具に魔力を流す。
王宮で広範囲に影響のある魔術を使うには事前に連絡をしておかないと魔力を感知した騎士や魔術師たちが駆けつけてくることになる。
セレスタの王宮にはいくつもの魔力を感知する魔道具や重要な場所を守るための結界が仕掛けられているので、不用意に魔術を使うと大騒ぎになってしまう。
まして王子の婚約式に招待された他国の要人が何人もいる中での騒ぎはシャレにならない。
要人を狙った襲撃かと疑われかねない行動なので、さすがにメルヒオールも報告しに行った騎士が戻ってくるまで魔道具を使おうとはしなかった。
影響を与えない範囲で構造を調べてはいたが。
「……」
人目につかないように室内に移動したところでメルヒオールが魔道具を握る。
透明の石の部分が淡く光り出す。
メルヒオールが流す魔力に呼応して明滅する光を見守る。
しかし、いくら待っても望む反応はなかった。
「ダメだね。 反応しない」
淡々とした声で呟いたメルヒオールが魔力を流すのを止める。
「アイツ他にもなにか言ってなかった?
どのくらいまでが効果範囲だとか」
魔道具をもらった時のことを思い出しながらメルヒオールの問いに答える。
「王宮から王都の端までなら人によっては届くと言っていた」
ヴォルフの言葉にメルヒオールは顎に手を当てて思案を始めた。
「……アイツならどこまでだと言っていた?」
ややあって顔を上げたメルヒオールが再度ヴォルフに問いかける。
「王都内なら問題ないが隣町までは無理だと言っていたな」
聞かれたままに答えるとメルヒオールが険しい顔で口を開く。
「フィルの奴を呼んできてくれる? いなければ師長でもいい」
険しい顔のまま部屋にいた近衛騎士の一人に告げる。
言われた騎士は戸惑った様子でヴォルフやギュンターを窺う。
「言う通りに頼む。 あとジーク……、は忙しいな。 ディルクかハルトを連れてきてくれ」
ギュンターが指示を出すと近衛騎士は急いで出て行った。
たった数刻マリナの姿が見えない。
それだけのことなのに、この場にいる誰もが不穏な空気を感じていた。
王宮で広範囲に影響のある魔術を使うには事前に連絡をしておかないと魔力を感知した騎士や魔術師たちが駆けつけてくることになる。
セレスタの王宮にはいくつもの魔力を感知する魔道具や重要な場所を守るための結界が仕掛けられているので、不用意に魔術を使うと大騒ぎになってしまう。
まして王子の婚約式に招待された他国の要人が何人もいる中での騒ぎはシャレにならない。
要人を狙った襲撃かと疑われかねない行動なので、さすがにメルヒオールも報告しに行った騎士が戻ってくるまで魔道具を使おうとはしなかった。
影響を与えない範囲で構造を調べてはいたが。
「……」
人目につかないように室内に移動したところでメルヒオールが魔道具を握る。
透明の石の部分が淡く光り出す。
メルヒオールが流す魔力に呼応して明滅する光を見守る。
しかし、いくら待っても望む反応はなかった。
「ダメだね。 反応しない」
淡々とした声で呟いたメルヒオールが魔力を流すのを止める。
「アイツ他にもなにか言ってなかった?
どのくらいまでが効果範囲だとか」
魔道具をもらった時のことを思い出しながらメルヒオールの問いに答える。
「王宮から王都の端までなら人によっては届くと言っていた」
ヴォルフの言葉にメルヒオールは顎に手を当てて思案を始めた。
「……アイツならどこまでだと言っていた?」
ややあって顔を上げたメルヒオールが再度ヴォルフに問いかける。
「王都内なら問題ないが隣町までは無理だと言っていたな」
聞かれたままに答えるとメルヒオールが険しい顔で口を開く。
「フィルの奴を呼んできてくれる? いなければ師長でもいい」
険しい顔のまま部屋にいた近衛騎士の一人に告げる。
言われた騎士は戸惑った様子でヴォルフやギュンターを窺う。
「言う通りに頼む。 あとジーク……、は忙しいな。 ディルクかハルトを連れてきてくれ」
ギュンターが指示を出すと近衛騎士は急いで出て行った。
たった数刻マリナの姿が見えない。
それだけのことなのに、この場にいる誰もが不穏な空気を感じていた。
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