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セレスタ 弟さんの結婚式編
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久々にマリナと魔法を打ち合った。
アイツが双翼になる前はそこそこの頻度でやってたのに。
年々魔力を伸ばすマリナを貴族たちは魔女だとか馬鹿な蔑称で呼んでいたけど、自分たちが遠く及ばない存在に嫉妬や恐怖を覚えていただけだろ。
メルヒオールにも覚えがある。
素晴らしいと褒め称えながら裏では化け物と蔑むヤツら。
面と向かって言ってきたなら化け物に相応しい報復でもしてやるけど、そこまでの馬鹿はいなかった。
生まれが一応貴族だというのもあるんだろうけど。
そこがマリナとは違う。
アイツがラウールに連れられて王宮に来たときにはあまりに場違いですごく注目を集めていた。
何しろ王宮に子供がいる。
栄養が足りていなく痩せた愛想のない子供。
ガリガリとまでは言わないけれど王宮にいる人間たちとはかけ離れた姿に誰もが戸惑った。
戸惑いから悪意に変わるのはすぐだ。
一人悪意を持った人間がいれば周囲は容易く流される。
マリナに好意的だったのは師匠のラウールとその弟のリオール、師長率いる魔術師たちくらいだった。
あれで可愛げがあったらまだマシだったかもしれない。
まあ、悪意に泣くだけの可愛い子供だったら王宮魔術師はともかく双翼にはなれないだろうが。
慣れてきて少し笑顔を見せるようになったと思ったら次に会ったときには貴族みたいな作った笑みを見せるようになった。
気持ち悪かったので文句を言ったらメルヒオールにはその笑顔を見せることはなくなった。普通の笑顔も見せなくなったけど。
出会った頃から子供らしくなかったのにどんどん子供らしさを失っていくマリナになんでそこまでするのかと思ったのは一度や二度じゃない。
煩わしいことを全て排除してもらって研究に打ち込むことも出来るのに。
元々魔術師は好きな事だけに打ち込む傾向があるからアイツがそうしたところで誰も責めない。
寧ろその方が自分たちに関わって来ないと貴族たちに歓迎されただろう。
それを双翼候補に挙げられて、辞退するのかと思ったら何の文句も言わず受け入れて。
とうとう双翼にまで上り詰めた。
幼すぎるとか生まれがどうとかいう反対意見を全て撥ね除けて。
メルヒオールを含めて、能力があっても面倒な立場を望まない人間が多かったこともあり、残った候補者でマリナに敵う人間はいなかった。
セレスタ史上最年少の双翼の出来上がり。
マリナの立場で得られる最高の位じゃないかと思う。
流石に魔術師長の位は平民には回って来ないだろうし。
成長するごとに、能力や立場を上げる度にマリナを疎ましく思う人間は増えた。
何も持っていない子供が、恵まれた生まれを持つ自分よりも上に行くのが許せないと言うように。
そのくだらない争いに、アイツは真っ向から立ち向かっていった。
足の引っ張り合いをするような奴らと同じ立場に立って。
理解できない。
それしか道がないわけではないのに。
育ってきた環境が少しだけ似ているからと引き合わされたのが始まり。
その度に全然似ていないと思った。
もしメルヒオールの前に親たちが現れたら魔力が暴走したフリで消してやりたい。
師長が怒るからしないけど。
家族に対する考え方も、それこそ人生に対する考え方も、マリナとメルヒオールでは何から何まで違っている。
何でわざわざ面倒の多い道を選ぶのか。
きっとメルヒオールに理解できる日は来ないだろう。
そして仮に理解したとしてもマリナと同じことをしたいとは思わない。
マリナがどんな人生を送ろうとそれはアイツの勝手だった。
所属も立場も異なるマリナに何かをしてやろうと思うことも無い。
ただ、子供だと思っていたヤツが自分よりも成長していたことに、ささやかな悔しさと淋しさを感じるだけだった。
アイツが双翼になる前はそこそこの頻度でやってたのに。
年々魔力を伸ばすマリナを貴族たちは魔女だとか馬鹿な蔑称で呼んでいたけど、自分たちが遠く及ばない存在に嫉妬や恐怖を覚えていただけだろ。
メルヒオールにも覚えがある。
素晴らしいと褒め称えながら裏では化け物と蔑むヤツら。
面と向かって言ってきたなら化け物に相応しい報復でもしてやるけど、そこまでの馬鹿はいなかった。
生まれが一応貴族だというのもあるんだろうけど。
そこがマリナとは違う。
アイツがラウールに連れられて王宮に来たときにはあまりに場違いですごく注目を集めていた。
何しろ王宮に子供がいる。
栄養が足りていなく痩せた愛想のない子供。
ガリガリとまでは言わないけれど王宮にいる人間たちとはかけ離れた姿に誰もが戸惑った。
戸惑いから悪意に変わるのはすぐだ。
一人悪意を持った人間がいれば周囲は容易く流される。
マリナに好意的だったのは師匠のラウールとその弟のリオール、師長率いる魔術師たちくらいだった。
あれで可愛げがあったらまだマシだったかもしれない。
まあ、悪意に泣くだけの可愛い子供だったら王宮魔術師はともかく双翼にはなれないだろうが。
慣れてきて少し笑顔を見せるようになったと思ったら次に会ったときには貴族みたいな作った笑みを見せるようになった。
気持ち悪かったので文句を言ったらメルヒオールにはその笑顔を見せることはなくなった。普通の笑顔も見せなくなったけど。
出会った頃から子供らしくなかったのにどんどん子供らしさを失っていくマリナになんでそこまでするのかと思ったのは一度や二度じゃない。
煩わしいことを全て排除してもらって研究に打ち込むことも出来るのに。
元々魔術師は好きな事だけに打ち込む傾向があるからアイツがそうしたところで誰も責めない。
寧ろその方が自分たちに関わって来ないと貴族たちに歓迎されただろう。
それを双翼候補に挙げられて、辞退するのかと思ったら何の文句も言わず受け入れて。
とうとう双翼にまで上り詰めた。
幼すぎるとか生まれがどうとかいう反対意見を全て撥ね除けて。
メルヒオールを含めて、能力があっても面倒な立場を望まない人間が多かったこともあり、残った候補者でマリナに敵う人間はいなかった。
セレスタ史上最年少の双翼の出来上がり。
マリナの立場で得られる最高の位じゃないかと思う。
流石に魔術師長の位は平民には回って来ないだろうし。
成長するごとに、能力や立場を上げる度にマリナを疎ましく思う人間は増えた。
何も持っていない子供が、恵まれた生まれを持つ自分よりも上に行くのが許せないと言うように。
そのくだらない争いに、アイツは真っ向から立ち向かっていった。
足の引っ張り合いをするような奴らと同じ立場に立って。
理解できない。
それしか道がないわけではないのに。
育ってきた環境が少しだけ似ているからと引き合わされたのが始まり。
その度に全然似ていないと思った。
もしメルヒオールの前に親たちが現れたら魔力が暴走したフリで消してやりたい。
師長が怒るからしないけど。
家族に対する考え方も、それこそ人生に対する考え方も、マリナとメルヒオールでは何から何まで違っている。
何でわざわざ面倒の多い道を選ぶのか。
きっとメルヒオールに理解できる日は来ないだろう。
そして仮に理解したとしてもマリナと同じことをしたいとは思わない。
マリナがどんな人生を送ろうとそれはアイツの勝手だった。
所属も立場も異なるマリナに何かをしてやろうと思うことも無い。
ただ、子供だと思っていたヤツが自分よりも成長していたことに、ささやかな悔しさと淋しさを感じるだけだった。
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