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セレスタ 帰還編
事後処理 2
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「さて、この度の視察でマールアの間者と接触したと聞きましたが、詳しく説明願えますか」
執務室に入るなり外務卿が核心を問う。
「その様子だと先にある程度は話を聞いていそうだな」
「ええ、多少は」
王子の言葉に内務卿、外務卿が揃って首肯する。
「まずは結果から話そうか…。
マールアの間者と見られる者だが、全部で4人。
今はレグルス守備騎士団にて拘束されている」
すでに捕らえられていると聞いても二人の表情は厳しい。
「犯人たちは全てレグルス守備騎士団が捕らえており、私たちは姿を見せてはいない」
そこまで言うとようやく二人の表情にも安堵が見える。
外務卿はマールアとの外交という立場から、内務卿はセレスタの防衛という観点からこの事件を危険視していた。
「では、王子や近衛騎士たちの姿は見られていないと」
「ああ、私は勿論のこと近衛騎士たちも捕縛には関わらせていない」
危険はすべて排除して行動していたと王子が答える。
「では、マリナ殿は?」
追跡していたマリナの姿は見られているのではないか、と外務卿は危惧していた。
「追跡は技師の持っていた魔道具を頼りに一本以上離れた道から追っていたので気づかれてはないと思います」
マリナは自分の見解を述べる。
「彼らが気が付いていたのなら、レグルスを出た際に待機などせず、即座に国境に向けて移動したでしょう。
途中王子に連絡を取るため魔法を使った時も彼らは全く気づきませんでしたし、魔法や魔力に関して全くの無知だと言わざるを得ません」
多少なりとも敏感な人間ならマリナが王子たちに地図を見せた時に気が付いてないとおかしい。
また、魔道具の反応がなかったことから、彼らが魔力を遮断したり魔力を感知する機器すら持っていないのがわかった。
「なるほど。 街の外から中まで届くような魔法を行使したのに気付かないなら相当だな」
魔法を使える使えないは別として、魔法が使われているような気配というのは、少し学んだ者ならなんとなくわかるものだ。
街中にはそれこそ魔道具が溢れているので普段意識はしなくても、あんな人里離れた場所なら普通気づく。
「ええ、捕縛の際には突入を楽にするために一つだけ魔法を使いましたけれど、彼らが私の干渉に気付くことはないでしょう」
あの魔法が魔術師によるものか魔道具によるものかなんてわかるわけがない。
レグルス守備騎士団にも魔術師はいるし、光を発する魔道具だってある。
「技師が探知が得意だと言うので辺り一帯を探知してもらいましたが、捕らえられた男たち以外に隠れて見ているような人間はいませんでした」
連絡要員が隠れている可能性も考えていた。杞憂でよかったけれど。
技師の能力のおかげでマリナは大分楽をさせてもらった。
「そこまで確認したのか…」
外務卿が感嘆なのか呆れなのかという声で呟く。
取りこぼしはしたくなかったので。
「やれやれ、ならば私の出る幕はありませんな」
外務卿がほっとした顔になる。
場合によっては、マールア相手に交渉内容を詰めなければならなかったのだから、大変だ。
弱腰になんてなれるわけがないし、強硬な態度を取り過ぎてもいけない。
神経を使う仕事だと思う。
出番が無くなってよかったと心から思った。
執務室に入るなり外務卿が核心を問う。
「その様子だと先にある程度は話を聞いていそうだな」
「ええ、多少は」
王子の言葉に内務卿、外務卿が揃って首肯する。
「まずは結果から話そうか…。
マールアの間者と見られる者だが、全部で4人。
今はレグルス守備騎士団にて拘束されている」
すでに捕らえられていると聞いても二人の表情は厳しい。
「犯人たちは全てレグルス守備騎士団が捕らえており、私たちは姿を見せてはいない」
そこまで言うとようやく二人の表情にも安堵が見える。
外務卿はマールアとの外交という立場から、内務卿はセレスタの防衛という観点からこの事件を危険視していた。
「では、王子や近衛騎士たちの姿は見られていないと」
「ああ、私は勿論のこと近衛騎士たちも捕縛には関わらせていない」
危険はすべて排除して行動していたと王子が答える。
「では、マリナ殿は?」
追跡していたマリナの姿は見られているのではないか、と外務卿は危惧していた。
「追跡は技師の持っていた魔道具を頼りに一本以上離れた道から追っていたので気づかれてはないと思います」
マリナは自分の見解を述べる。
「彼らが気が付いていたのなら、レグルスを出た際に待機などせず、即座に国境に向けて移動したでしょう。
途中王子に連絡を取るため魔法を使った時も彼らは全く気づきませんでしたし、魔法や魔力に関して全くの無知だと言わざるを得ません」
多少なりとも敏感な人間ならマリナが王子たちに地図を見せた時に気が付いてないとおかしい。
また、魔道具の反応がなかったことから、彼らが魔力を遮断したり魔力を感知する機器すら持っていないのがわかった。
「なるほど。 街の外から中まで届くような魔法を行使したのに気付かないなら相当だな」
魔法を使える使えないは別として、魔法が使われているような気配というのは、少し学んだ者ならなんとなくわかるものだ。
街中にはそれこそ魔道具が溢れているので普段意識はしなくても、あんな人里離れた場所なら普通気づく。
「ええ、捕縛の際には突入を楽にするために一つだけ魔法を使いましたけれど、彼らが私の干渉に気付くことはないでしょう」
あの魔法が魔術師によるものか魔道具によるものかなんてわかるわけがない。
レグルス守備騎士団にも魔術師はいるし、光を発する魔道具だってある。
「技師が探知が得意だと言うので辺り一帯を探知してもらいましたが、捕らえられた男たち以外に隠れて見ているような人間はいませんでした」
連絡要員が隠れている可能性も考えていた。杞憂でよかったけれど。
技師の能力のおかげでマリナは大分楽をさせてもらった。
「そこまで確認したのか…」
外務卿が感嘆なのか呆れなのかという声で呟く。
取りこぼしはしたくなかったので。
「やれやれ、ならば私の出る幕はありませんな」
外務卿がほっとした顔になる。
場合によっては、マールア相手に交渉内容を詰めなければならなかったのだから、大変だ。
弱腰になんてなれるわけがないし、強硬な態度を取り過ぎてもいけない。
神経を使う仕事だと思う。
出番が無くなってよかったと心から思った。
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