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セレスタ 帰還編
追跡 2
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…!
……!!
足元の屋根を見る。
明らかにマリナに向かって音を鳴らしていた。
「……」
少しだけ考えて屋根の端に寄る。
窓を見下ろすと今度は窓を叩き出した。
「…」
窓をたたく音が段々大きくなっている。誘拐犯に気づかれたら困る。
仕方なしに屋根から降りて窓を覗き込んだ。
目が合ったマリナに驚いたのか技師が後ろに倒れる。
あんまり音を立てないでほしいんだけど…。
「静かにしてくださいね」
音量を絞って声を掛ける。
部屋には男性が一人のみ。これが王子が探していた技師か。
背は高いけれどひょろっとしている。
簡素な服に汚れ防止のエプロンをつけて、本当に突然攫われたようだ。
男たちの言っていた通り手と足に枷を付けられている。
壊さないと自力では逃げられない。
というか歩けもしてない。ずりずりと膝で歩いて窓の下までやってくる。
「もしかして君が僕を追いかけてた人…?」
「ええ、その通りです」
窓に手を掛けるけれど開かない。
彼に開けてと言うのも酷なので、窓越しに話をする。
「騎士団が迎えに来るとは思いますけれど、少し時間が掛かると思います。
それまでお待ちいただけますか」
説明すると男性がわずかに安堵した表情になった。
「よかったー。 最近怪しい奴が工房の周りをうろうろしてたから危ない気がしてたんだよ」
数日前から男たちがうろついていたらしい。先を越されそうになったことに歯噛みする。
手遅れになる前でよかったと切り替えるべきなんだろうけれど、悔しい。
「男たちの目的は聞いていますか?」
「何も。 でも想像つくだろう?」
「……」
当然男たちの目的はセレスタの魔法技術だろう。
男たちは魔法や魔道具があまり発達していない国の人間だ。
だからと言って人を攫って技術を獲得しようとは、セレスタに喧嘩を売っているとしか思えない。
「私は騎士団に連絡を取りますので、彼らを刺激しないようにお願いします」
大人しくしていればこれ以上危害は加えられないだろう。
屋根に戻って王子たちに連絡を取る。
レグルスからは早ければ馬で数十分といったところかな?
でもレグルスの騎士と連携して救出に来るならもう少しかかるかもしれない。
のんびりと待つことにする。
もし男たちが移動するようなら再度位置を知らせればいいだけだ。
ざっくりとした位置を目指して追いかけて来る方は大変だと思う。
移動する前に間に合えばいいけど。
太陽は真上に昇っている。
(……お腹すいたな)
お昼の時間が大幅にずれそうなのに気付いて、少し切ない気持ちになった。
……!!
足元の屋根を見る。
明らかにマリナに向かって音を鳴らしていた。
「……」
少しだけ考えて屋根の端に寄る。
窓を見下ろすと今度は窓を叩き出した。
「…」
窓をたたく音が段々大きくなっている。誘拐犯に気づかれたら困る。
仕方なしに屋根から降りて窓を覗き込んだ。
目が合ったマリナに驚いたのか技師が後ろに倒れる。
あんまり音を立てないでほしいんだけど…。
「静かにしてくださいね」
音量を絞って声を掛ける。
部屋には男性が一人のみ。これが王子が探していた技師か。
背は高いけれどひょろっとしている。
簡素な服に汚れ防止のエプロンをつけて、本当に突然攫われたようだ。
男たちの言っていた通り手と足に枷を付けられている。
壊さないと自力では逃げられない。
というか歩けもしてない。ずりずりと膝で歩いて窓の下までやってくる。
「もしかして君が僕を追いかけてた人…?」
「ええ、その通りです」
窓に手を掛けるけれど開かない。
彼に開けてと言うのも酷なので、窓越しに話をする。
「騎士団が迎えに来るとは思いますけれど、少し時間が掛かると思います。
それまでお待ちいただけますか」
説明すると男性がわずかに安堵した表情になった。
「よかったー。 最近怪しい奴が工房の周りをうろうろしてたから危ない気がしてたんだよ」
数日前から男たちがうろついていたらしい。先を越されそうになったことに歯噛みする。
手遅れになる前でよかったと切り替えるべきなんだろうけれど、悔しい。
「男たちの目的は聞いていますか?」
「何も。 でも想像つくだろう?」
「……」
当然男たちの目的はセレスタの魔法技術だろう。
男たちは魔法や魔道具があまり発達していない国の人間だ。
だからと言って人を攫って技術を獲得しようとは、セレスタに喧嘩を売っているとしか思えない。
「私は騎士団に連絡を取りますので、彼らを刺激しないようにお願いします」
大人しくしていればこれ以上危害は加えられないだろう。
屋根に戻って王子たちに連絡を取る。
レグルスからは早ければ馬で数十分といったところかな?
でもレグルスの騎士と連携して救出に来るならもう少しかかるかもしれない。
のんびりと待つことにする。
もし男たちが移動するようなら再度位置を知らせればいいだけだ。
ざっくりとした位置を目指して追いかけて来る方は大変だと思う。
移動する前に間に合えばいいけど。
太陽は真上に昇っている。
(……お腹すいたな)
お昼の時間が大幅にずれそうなのに気付いて、少し切ない気持ちになった。
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