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セレスタ 帰還編
爆発音 1
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レグルスの街は今日も賑わっている。
「馬車から見るより人が多く見えるな」
「そうですね、同じ目線だと距離も近く感じますしね」
通りは買い物に来た人が多い。この辺りは高級店が多いので呼び込みの声などは聞こえてこない。
王子と一緒に歩いているのはマリナとヴォルフ、近衛騎士のディルクさんとハルトさんのみ。
他の人は少し離れたところから警戒していたり、先回りして怪しいものがないか確認している。
王子を中心として前にディルクさんが、横にマリナ、後ろではヴォルフとハルトさんがさりげなく周辺に注意を払っていた。
マリナも王子と話をしながら動きのある魔力を探している。
怪しい動きをしているものは感じられない。
感じられる魔力は殆どが魔道具によるものだ。
大通りを渡り、南西の区画に入ると練成に魔力を使っているのか活発な魔力の動きを感じる。
それはこちらを指向するものではなく、それぞれ自らの手元に向かっていた。
(ふーん、結構魔力持ちの鍛冶師って多いのね)
意識してやっているのかはわからないけれど、左に見える工房の親方は良い魔力を持っている。
鉄を打ちながら魔力を流し、錬る。綺麗な魔力の流れに感嘆した。
一流と言われる鍛冶師はみな、こうして自分の持っている力を作品に注ぎ込んでいるのかもしれない。
一振りごとに輝きを増す作品を見ながらそう思った。
「あちらの角を左です」
数軒先に見える角を曲がると工房が見えるようになる。
王子が頷いたのを見て魔力を探るのに集中した。
工房からは微弱な魔力が感じられる。昨日とは違う魔力の気配に警戒が湧く。
「王子、少し待っ…」
先に様子を見に行こうとしたとき、工房の中から魔力が膨れ上がるのを感じた。
―――!
ドォォォンと大きな音がして空気が揺れた。
咄嗟に衝撃を防ぐ魔法を展開させる。
大きな音は一度だけ。
王子を庇うようにヴォルフとディルクさんが立ち、ハルトさんは音がした方を警戒している。
目的としていた工房から白煙が広がり辺りを覆う。
一気に広がった煙でみんなが見えなくなった。
視界を奪われた中でそれぞれの持つ魔力を感知する。
王子、ヴォルフ、ディルクさんにハルトさん。こちらに向かって走って来るミヒャエルさんに他数名の近衛たち。
「王子、これを」
手の先も見えない白煙の中で、王子に持っていた魔道具を渡す。
流れる煙の中で一瞬だけ見えた王子はマリナの手をしっかりと握り返した。
「戻るまで持っていてください」
王子が頷くのを確認して魔力が流れて行った方向に向かって走り出した。
「馬車から見るより人が多く見えるな」
「そうですね、同じ目線だと距離も近く感じますしね」
通りは買い物に来た人が多い。この辺りは高級店が多いので呼び込みの声などは聞こえてこない。
王子と一緒に歩いているのはマリナとヴォルフ、近衛騎士のディルクさんとハルトさんのみ。
他の人は少し離れたところから警戒していたり、先回りして怪しいものがないか確認している。
王子を中心として前にディルクさんが、横にマリナ、後ろではヴォルフとハルトさんがさりげなく周辺に注意を払っていた。
マリナも王子と話をしながら動きのある魔力を探している。
怪しい動きをしているものは感じられない。
感じられる魔力は殆どが魔道具によるものだ。
大通りを渡り、南西の区画に入ると練成に魔力を使っているのか活発な魔力の動きを感じる。
それはこちらを指向するものではなく、それぞれ自らの手元に向かっていた。
(ふーん、結構魔力持ちの鍛冶師って多いのね)
意識してやっているのかはわからないけれど、左に見える工房の親方は良い魔力を持っている。
鉄を打ちながら魔力を流し、錬る。綺麗な魔力の流れに感嘆した。
一流と言われる鍛冶師はみな、こうして自分の持っている力を作品に注ぎ込んでいるのかもしれない。
一振りごとに輝きを増す作品を見ながらそう思った。
「あちらの角を左です」
数軒先に見える角を曲がると工房が見えるようになる。
王子が頷いたのを見て魔力を探るのに集中した。
工房からは微弱な魔力が感じられる。昨日とは違う魔力の気配に警戒が湧く。
「王子、少し待っ…」
先に様子を見に行こうとしたとき、工房の中から魔力が膨れ上がるのを感じた。
―――!
ドォォォンと大きな音がして空気が揺れた。
咄嗟に衝撃を防ぐ魔法を展開させる。
大きな音は一度だけ。
王子を庇うようにヴォルフとディルクさんが立ち、ハルトさんは音がした方を警戒している。
目的としていた工房から白煙が広がり辺りを覆う。
一気に広がった煙でみんなが見えなくなった。
視界を奪われた中でそれぞれの持つ魔力を感知する。
王子、ヴォルフ、ディルクさんにハルトさん。こちらに向かって走って来るミヒャエルさんに他数名の近衛たち。
「王子、これを」
手の先も見えない白煙の中で、王子に持っていた魔道具を渡す。
流れる煙の中で一瞬だけ見えた王子はマリナの手をしっかりと握り返した。
「戻るまで持っていてください」
王子が頷くのを確認して魔力が流れて行った方向に向かって走り出した。
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