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セレスタ 帰還編
休憩
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「マリナ、お茶を入れてくれるか」
「はい」
王子の言葉を受けて立ち上がる。
執務机で飲むのかと思ったらソファまで移動していた。
「どうぞ」
王子の前にお茶を置く。
マリナはどうしようか迷って自分もソファに座った。
ヴォルフは決裁済みの書類を返却するように王子に頼まれていていない。
執務室には王子とマリナの二人だけだった。
お茶を口にしてふっと息を吐く。
ぬるめのお茶がなんだか心を落ち着かせてくれる。
もう少しでこの慌ただしい日々も終わりそうで、詰めて仕事をしていた甲斐があった。
マリナが視線を向けると王子はわずかにマリナの瞳から目線を逸らす。
言葉を待っていたらヴォルフが戻ってくるかもしれないのでマリナの方から口火を切った。
「それで王子、話は何ですか」
ヴォルフが持って行った書類は量が多いだけでなく場所がいくつもに分かれている。
時間稼ぎの意図は明白だ。
「わかってしまうか…」
「ええ、ヴォルフに聞かせたくない話なのでしょうか」
だとしたら珍しいなと思っていると王子がマリナに目を合わせた。
「いや、そこまで大したことではない。 ただマリナの気持ちを聞いておきたくてね」
「?」
「ヴォルフと結婚して侯爵家に入った後も双翼として仕えてくれると思っていいのかな」
何かと思えば…。
「ええ、もちろん。 お誓いした言葉を違えはしませんよ」
笑みを浮かべて答えると王子もほっとしたように笑みを浮かべる。
「それに、そういう具体的な話は全くしていないので」
というか戻ってきてから個人的な話をしたのは数えるくらいだ。
「そうか、忙しいからね。 そろそろ余裕もできるから二人の時間が取れそうだな」
「ああ、言っていませんでしたが、余裕が出来たら半日ですがヴォルフと合わせて休みをいただこうと思っています」
「半日と言わず、ゆっくりしておいで」
君たちは放っておくと休みも休まないからねと王子が笑う。
そんなことない、とは言えなかった。
王子にまで気遣われては苦笑するしかない。
冷めかけたお茶に手を伸ばすと扉を叩く音が聞こえた。
「失礼します」
手ぶらになったヴォルフが帰ってきた。マリナたちがテーブルで休んでいるのを見て自分もソファに座る。
お茶を入れ直してヴォルフの前に置く。
礼を言ってヴォルフがお茶を飲む。
王宮のほぼ端から端まで移動してきたはずなのに全く疲れた様子がない。
ただ喉は渇いたらしくお茶のお代わりを要求された。
黙ってお茶のお代わりを注ぐ。
感じた視線に顔を上げると王子がおかしそうにヴォルフとマリナを見ている。
「心配いらなかったかな?」
お茶を入れただけなのに何がそんなにおもしろいのか。
ヴォルフは楽しそうな主の様子を不思議そうにしながら心配とは何のことかとマリナに問う。
休みが取れてないことだと適当に誤魔化しておいた。
「はい」
王子の言葉を受けて立ち上がる。
執務机で飲むのかと思ったらソファまで移動していた。
「どうぞ」
王子の前にお茶を置く。
マリナはどうしようか迷って自分もソファに座った。
ヴォルフは決裁済みの書類を返却するように王子に頼まれていていない。
執務室には王子とマリナの二人だけだった。
お茶を口にしてふっと息を吐く。
ぬるめのお茶がなんだか心を落ち着かせてくれる。
もう少しでこの慌ただしい日々も終わりそうで、詰めて仕事をしていた甲斐があった。
マリナが視線を向けると王子はわずかにマリナの瞳から目線を逸らす。
言葉を待っていたらヴォルフが戻ってくるかもしれないのでマリナの方から口火を切った。
「それで王子、話は何ですか」
ヴォルフが持って行った書類は量が多いだけでなく場所がいくつもに分かれている。
時間稼ぎの意図は明白だ。
「わかってしまうか…」
「ええ、ヴォルフに聞かせたくない話なのでしょうか」
だとしたら珍しいなと思っていると王子がマリナに目を合わせた。
「いや、そこまで大したことではない。 ただマリナの気持ちを聞いておきたくてね」
「?」
「ヴォルフと結婚して侯爵家に入った後も双翼として仕えてくれると思っていいのかな」
何かと思えば…。
「ええ、もちろん。 お誓いした言葉を違えはしませんよ」
笑みを浮かべて答えると王子もほっとしたように笑みを浮かべる。
「それに、そういう具体的な話は全くしていないので」
というか戻ってきてから個人的な話をしたのは数えるくらいだ。
「そうか、忙しいからね。 そろそろ余裕もできるから二人の時間が取れそうだな」
「ああ、言っていませんでしたが、余裕が出来たら半日ですがヴォルフと合わせて休みをいただこうと思っています」
「半日と言わず、ゆっくりしておいで」
君たちは放っておくと休みも休まないからねと王子が笑う。
そんなことない、とは言えなかった。
王子にまで気遣われては苦笑するしかない。
冷めかけたお茶に手を伸ばすと扉を叩く音が聞こえた。
「失礼します」
手ぶらになったヴォルフが帰ってきた。マリナたちがテーブルで休んでいるのを見て自分もソファに座る。
お茶を入れ直してヴォルフの前に置く。
礼を言ってヴォルフがお茶を飲む。
王宮のほぼ端から端まで移動してきたはずなのに全く疲れた様子がない。
ただ喉は渇いたらしくお茶のお代わりを要求された。
黙ってお茶のお代わりを注ぐ。
感じた視線に顔を上げると王子がおかしそうにヴォルフとマリナを見ている。
「心配いらなかったかな?」
お茶を入れただけなのに何がそんなにおもしろいのか。
ヴォルフは楽しそうな主の様子を不思議そうにしながら心配とは何のことかとマリナに問う。
休みが取れてないことだと適当に誤魔化しておいた。
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