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第1話

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2035年に開催されたシルバーギャラクティック社の決算説明会で銀河探索飛行開始に備えるために、
母機および宇宙船は、機体の耐久性や信頼性を高め飛行回数など飛行能力向上を目的とした改修を行うメンテナンス期間に入ったとの発表があった。
これが完了し最終的なテスト飛行を実施した後本格的な探索飛行が開始されるそうだ。

このニュースを見たときの興奮を僕は忘れない。
父さんが言っていた"夢に見た世界"にようやくたどり着けるのだと思ったから。
それからの日々はあっという間だった。
学校の勉強も手につかず、ただただ早くその時が来ることだけを待ち望んだ。
そしてついにその日が来た。朝早くからテレビの前に陣取り、父さんの会社の動向を見守る。
画面の中ではシルバーギャラクティック社の社員たちが忙しなく動き回っている。
やがて正午になり、シルバーギャラクティック社から全世界に向けて生放送で発表がなされた。
『皆様、本日この時より我々シルバーギャラクティック社は宇宙へと飛び立ちます! 人類の新たなフロンティアへの旅路の第一歩として、このロケットを打ち上げます!』
「やったー!」
思わずガッツポーズをして叫んでしまう。
いよいよだ。
「トーマったら、そんなにはしゃいじゃって……」
隣にいた母さんに呆れられたけど気にしない。
だってやっとここまで来たんだよ?
『それではこれよりカウントダウンを始めます』
アナウンサーのアナウンスとともに画面に表示される数字が減っていく。
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