神盤の操り人形(マリオネット)

遊庵

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豚人族との契約

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豚人族襲来 前日
「お頭。オデ達、イイもの捕まえてきた。」
豚人族の里に若い人族の男女を捕まえた豚人族達が戻ってきた。
「離せ!豚野郎ども。」
拓朗が叫びながら、暴れる。だが、豚人族達は、ゲラゲラ笑いながら
「活きのイイ肉、取ってきた。」
と言って、お頭に朱李と拓朗を突き出した。大型豚人族は、目の前に倒れ込む朱李と拓朗を見定めると
「おう、おう。オメエら、よくやったじゃねぇか。しかも1匹は、若い雌っ子。繁殖に使えるべ。よし、よし。今日は、宴じゃ。明日の景気付けに飲むべ。」
と言って、帰ってきた豚人族達を労った。お頭の言葉に豚人族達は、
「オデ達、頑張った。若い人肉、美味い。早く食べたい。」
と騒ぎ立てる。数多(あまた)の豚人族達に囲まれ、そして、その食に対する狂気に当てられた朱李と拓朗は無様に逃げ出そうとするが、直ぐに捕まってしまう。朱李は、大型豚人族に抑えられ、拓朗は、豚人族達に羽交い締めにされる。拓朗を捕まえた豚人族は、
「コイツは、串刺しにして丸焼き。絶対、美味い。早く、刺す。」
と言って、槍を用意する。死を覚悟したのか、拓朗が情けない顔で朱李を見る。朱李は、そんな拓朗の姿に居た堪れなくなり、
「お願い、何でもするから拓朗を助けて。拓朗を殺さないで。」
と大型豚人族に懇願した。大型豚人族は、ゲラゲラ笑うと朱李の身体を触って
「おい、そのガキを連れて来い。」
と言って、部下に拓朗を連れて来させた。そして、拓朗の頭を掠(かす)める様に槍を突き刺すと
「いいべ、オメエの頼みを聞いてやるだべ。」
と答えた。その答えに人肉を期待していた豚人族達から不満がで始める。大型豚人族は、一度足を踏み鳴らすと
「黙んべ。オメエらの気持ちは、分がった。だが、今日は、このガキは食わん。そんかし、明日は、オメエらに人肉より美味ぇ、人獣の子さ食わしてやるべ。どうだべ。」
と言った。より美味い肉の提案に豚人族の不満も消えていった。場が落ち着いたところで大型豚人族は、朱李を持ち上げると顔を一舐めする。そして、ニヤニヤすると
「オメエには、あそごの森さ行っでもらう。そごで白髪の人狼さ殺せ。」
と言って、西にある森を指差した。朱李は、豚人族の唾液の臭いに顔を顰(しか)めながら
「その白髪の人狼は、森のどの辺りにいるの?」
と聞くが、大型豚人族は、鼻を鳴らして
「森のどごかだ。気張って探せ。」
と答えた。その答えに朱李は、語気を強め、
「あの森で探せって。そんなの…そんなの無理に決まってるじゃない。」
と返した。朱李の言葉に大型豚人族は、朱李を投げ捨てると地面に刺さっていた槍を引き抜き、拓朗の腿に突き刺した。
「ゔぁぁぁっ。」
拓朗の悲鳴がこだまする。拓朗の悲痛な叫びに朱李が拓朗に駆け寄る。大型豚人族は、ゲラゲラ笑いながら
「なら、コイツは、オラ達の食糧。オメエは、繁殖用家畜だべ。」
と言って、朱李達を見下した。選択の余地のない自分達の運命に朱李は、希望の極めて薄い任務に縋(すが)るしかなかった。朱李は、土下座をすると
「すみませんでした。どうか、先程の提案を受けさせて下さい。」
と大型豚人族に請い願った。朱李の平伏した姿に大型豚人族は、拓朗に刺した槍を引き抜くと土下座している朱李に馬乗りになり、優越感に浸る。他の豚人族達も朱李と拓朗の無様な姿を笑い、騒ぎ立てる。豚人族達の侮辱に唇を噛み締め、耐えるしかない朱李の姿に拓朗もかける言葉がなく涙を溢すしかなかった。弱者をいたぶり、満足した大型豚人族は、槍の棒で朱李の尻を叩くと
「おしおし。雌は、従順なのが一番だべ。だが、オメエは、オラ達の提案を一度は蹴った身だべ。だがら、オメエには、コレを使うべ。」
と言って、腰蓑から従属契約の書を取り出した。
「オメエは、オラと従属契約してもらうべ。そんで暗殺に失敗したらオラ達の繁殖用家畜でなく、繁殖奴隷になってもらうべ。今も繁殖用家畜は、何匹か飼ってんども、どれも数ヶ月でオラ達の性欲に耐えれず、自ら食肉になってるべ。だがら、オメエには、一生、繁殖用の家畜になってもらうべ。」
雌の比率が低い豚人族にとって、大型豚人族の提案は、雄豚人族達の歓喜を呼んだ。そして、興奮した豚人族が1人の人族の女性を連れてくる。首輪をつけられ、素っ裸の女性の腹は、既に膨らんでいる。
「いやぁ、やめて。たすけてぇ。」
嫌がる女性の膣に豚人族が肉棒を捻じ込む。豚人族の肉棒に押されて、膨らんだお腹が激しく上下する。その光景に興奮した豚人族達が集まり、ある者は、噴き出した母乳に吸い付き、ある者は、膣以外の穴に肉棒を捻じ込む。入れ替わり行われる強姦に女性は、もう助けを乞う事もできず、抗(あらが)えない苦しみと快楽に身を委ねるしかなかった。突然始まった余興に大型豚人族は、朱李の背中から降りると無理矢理朱李の顔を上げさせ、繁殖用家畜と化した女性の姿を見させた。
「よく見ておくべ。あれがオラ達の繁殖行為だべ。オラ達の繁殖力は、他の種族より高いべから、別種族でもお構い無しだべ。オメエの若さなら数十人は、孕ませられるべな。楽しみだべ。」
そう言うと大型豚人族は、槍で指を切り、従属契約の書に塗りつけた。契約の書に文字が浮かび上がる。
契約内容
ブゥトン 朱李及び拓朗の解放。

朱李 白髪の人狼の暗殺。ただし、別の者による暗殺は、契約違反とみなす。また、期限を2日以内もしくは、ブゥトンが白髪の人狼の居場所に到着するまでとし、それまでに完了していなければ、契約違反とみなす。

契約の書を渡された朱李の手が振るえる。その姿に拓朗は、残された力でブゥトンに体当たりし、
「朱李。そんな契約受けなくていい。今なら逃げられる。早く逃げろ。」
と叫んだ。だが、朱李は、逃げなかった。というより、逃げられなかった。ブゥトンは、拓朗が叫んだ瞬間に拓朗の頭を掴み、握り潰そうとしていたからだ。
「あがぁ、がぁ」
拓朗の口から聞いた事のない声が漏れる。意識が薄れていく拓朗。それに気付いてブゥトンが手を離す。
「つい殺してしまうところだったべ。コイツの命もオメエ次第だべ。どうするべ。」
ブゥトンは、そう言うと拓朗の頭を踏みつける。
「…分かった。分かったから、その足をどかして。」
朱李の言葉にブゥトンが拓朗から足を離す。朱李は、ボロ雑巾の様になった拓朗を抱きしめると
「必ず助けるから。だから、待ってて、拓朗。」
と言って、契約の書に血をつけた。ブゥトンは、朱李から契約の書を取り上げると
「オラも鬼じゃねえべ。オラ達は、明朝に出発するべから、せいぜい、オラ達が人狼を見つける前に殺すんだべな。」
と言って、自分の肩と朱李の内腿に契約の書を押し当てた。
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