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このままいけば俺は「ざまぁ」によって
オーバーキルされる。
俺は一手打って出た。
ヒロインの手を握り叫ぶ。
「好きだ!結婚してくれ!」
「…え!?」
よし
このヒロインは世話好きで流されやすい。
好意を向けられると無下には出来ず絆されやすい特徴をもった典型的な「ちょろイン」。
俺が設定したんだからよく知っている。
しかもこの時点では「主人公」とは顔見知り程度。「暗黒微笑悪役王子」に密かに憧れている設定だ。
勢いでいける。
現にヒロインは「憧れのイケメンハイスペック王子から突然の求婚」に頬を染めてワタワタしている。
「返事を聞かせて。」
「…はい私も!…あの…お慕いしております。」
ほらほらほら!
素直に気持ちを伝えたら拗れないんだよ。
俺がそれなりの人生経験によって得た知見だ。
ここで思いを伝えてカップル成立してしまえばその後のゴタゴタ全部カットだ。
はい、完結。
これで俺のざまぁ展開も消えたに違いない。
短すぎて小説が成立しない?
そんなのどうでも良い。
自分の黒歴史なんて見るだけでツラいのにその世界にどっぷりぶちこまれたらどうよ。
正直俺は現時点で悶えるほどツラい。
消えてしまいたい。
何々?暗黒微笑って?
策略の天才設定の王子がピアノ線に引っ掛かって階段落ちってダサくない?
護衛どうしてるんだよ。
しかもこれ伏線の1つなんだよな。
この時の階段落ちで第2王子の頭がおかしくなっててサイコパス寄りになってくって裏設定だ。いる?そんな設定。
回収する気の無い伏線をばら蒔くな。
やたらモヤモヤするわ。
あああぁぁぁもおおおおお全部俺が悪かったからもう良いだろ。
「ざまぁ」ってなんだよ「過去の未熟で安易な思想と行動」によって苦しめられている俺が今まさに「ざまぁ」状態だよ。
これ以上の「ざまぁ」は無い。
風呂敷を広げすぎて収集つかなくなった世界なんて思い出したくない羞恥心で死にそうだ。げんなりする。こんなのさっさと畳んでしまうに限る。
先生の次回作にご期待くださいだ。
めでたしめでたし。
完結によって俺がこの世界と共に消えたって良いから今すぐこの世界から解放されたい。世界が消えなかったらストーリー無視して謙虚に平穏に生きる。
さてさて終わり終わりと床に手をつくと
違和感があった。
ーーーー床に縫い目がある。
床から壁へ続くそれを辿って顔をあげると
ヒロインも階段も消えていた。
感情のない4つの目玉に行き着く。
厳かな美形が2人じっと見つめていた。
「キャラが活きてないですね。ぶっぶー。」
「ドキドキしないですね。ぶっぶー。」
ハサミがシャキシャキと音をたてる
にっこり笑う美形の声は美しく、何故か胸が締め付けられる。
「「……解釈違いです。せんせい。…」」
瞬きをした瞬間全てが元に戻りーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー俺はまた階段から落ちた。
オーバーキルされる。
俺は一手打って出た。
ヒロインの手を握り叫ぶ。
「好きだ!結婚してくれ!」
「…え!?」
よし
このヒロインは世話好きで流されやすい。
好意を向けられると無下には出来ず絆されやすい特徴をもった典型的な「ちょろイン」。
俺が設定したんだからよく知っている。
しかもこの時点では「主人公」とは顔見知り程度。「暗黒微笑悪役王子」に密かに憧れている設定だ。
勢いでいける。
現にヒロインは「憧れのイケメンハイスペック王子から突然の求婚」に頬を染めてワタワタしている。
「返事を聞かせて。」
「…はい私も!…あの…お慕いしております。」
ほらほらほら!
素直に気持ちを伝えたら拗れないんだよ。
俺がそれなりの人生経験によって得た知見だ。
ここで思いを伝えてカップル成立してしまえばその後のゴタゴタ全部カットだ。
はい、完結。
これで俺のざまぁ展開も消えたに違いない。
短すぎて小説が成立しない?
そんなのどうでも良い。
自分の黒歴史なんて見るだけでツラいのにその世界にどっぷりぶちこまれたらどうよ。
正直俺は現時点で悶えるほどツラい。
消えてしまいたい。
何々?暗黒微笑って?
策略の天才設定の王子がピアノ線に引っ掛かって階段落ちってダサくない?
護衛どうしてるんだよ。
しかもこれ伏線の1つなんだよな。
この時の階段落ちで第2王子の頭がおかしくなっててサイコパス寄りになってくって裏設定だ。いる?そんな設定。
回収する気の無い伏線をばら蒔くな。
やたらモヤモヤするわ。
あああぁぁぁもおおおおお全部俺が悪かったからもう良いだろ。
「ざまぁ」ってなんだよ「過去の未熟で安易な思想と行動」によって苦しめられている俺が今まさに「ざまぁ」状態だよ。
これ以上の「ざまぁ」は無い。
風呂敷を広げすぎて収集つかなくなった世界なんて思い出したくない羞恥心で死にそうだ。げんなりする。こんなのさっさと畳んでしまうに限る。
先生の次回作にご期待くださいだ。
めでたしめでたし。
完結によって俺がこの世界と共に消えたって良いから今すぐこの世界から解放されたい。世界が消えなかったらストーリー無視して謙虚に平穏に生きる。
さてさて終わり終わりと床に手をつくと
違和感があった。
ーーーー床に縫い目がある。
床から壁へ続くそれを辿って顔をあげると
ヒロインも階段も消えていた。
感情のない4つの目玉に行き着く。
厳かな美形が2人じっと見つめていた。
「キャラが活きてないですね。ぶっぶー。」
「ドキドキしないですね。ぶっぶー。」
ハサミがシャキシャキと音をたてる
にっこり笑う美形の声は美しく、何故か胸が締め付けられる。
「「……解釈違いです。せんせい。…」」
瞬きをした瞬間全てが元に戻りーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー俺はまた階段から落ちた。
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