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 「大変申し訳ございません・・・こちらの手違いでお部屋が一つしか・・・・・本当に、本当に申し訳ございません・・・」




 俺と悪魔は今日泊まるホテルに来ていた。

 俺たちの目の前に居るのは、このホテルのコンシェルジュ(女性)だった。

 ホテル側の手違いで、二つ部屋が取れてなかったらしい。




 え・・・ちょっと待てよ・・・・・じゃあ俺と悪魔が一緒の部屋に・・・・・・・・あああああああああああああああ!




 有「構いませんよ。その代わりに・・・」




 そう言うと、悪魔はそのコンシェルジュと耳打ちを始めた。

 そのコンシェルジュは悪魔の耳打ちを受けるなり、見る見る顔が赤くなっていく。




 なんだよ!なんで口説いてんだよ!

 って・・・別に俺が怒る事もないじゃんか・・・・




 悪魔はコンシェルジュと話を終えると、俺に行くぞと言って先に歩き始めた。

 俺は荷物を持つと、悪魔に駆け足で付いて行った。




 蒼「うわぁ・・・・・・・・」




 部屋の中に入るなり、俺は思わずビックリした。




 なんじゃこのスイートルームはwwwwwww




 ホテル側の手違いとはいえ、逆にこっちの方が申し訳ない気持ちになる。

 悪魔が言うには、部屋が一つ取れなかった代わりに、ホテル側が"スイートルームにさせてください"との事だったらしい。




 良かったのか・・・悪かったのか・・・・・・・いや、いや!悪いだろ!!!悪魔と一緒の部屋だぞ!!また変なことされたら・・・・・・いや、それは考えないことにしよう・・・






 でも凄いなぁー!綺麗だー!

 こんな景色見たときない・・・・さすがスイートルームだけある!!




 夕焼けがかったこのスイートルームからの景色は、本当に最高だった。これなら夜景も凄く綺麗なんだろうと俺は胸を膨らませた。




 有「ほら、置いてくぞ」



 蒼「えっ?!あっ、ま、待ってくださいっ!」




 窓からの景色を楽しんでいた俺に悪魔はそう言うと、スタスタと部屋から出て行ってしまった。俺は悪魔を追いかけるように付いていくと、悪魔はホテルの中にあるレストランに入っていった。




 げっ・・・・・これまた高そうな・・・・・・




 ウェイターは悪魔に"こちらです"と言って案内をすると、俺たちは景色の見える席に案内された。




 ・・・・こんな店来たときないから緊張する・・・・・シャンデリアとか生で初めて見た・・・・・




 有「お前、こういうところ初めてか?」



 蒼「はい・・・・ってかここ高いですよ・・・・部長っ・・・俺そんなにお金もってないですよっ・・・」




 俺はウェイターに渡されたメニュー表を見ると、値段の高さに驚いて、そっとそれを閉じた。


 まさか出張でこんな洒落た店に来るなんて思ってなかった俺は、必要最低限のお金しか持ってきていない。




 有「これもホテル側のサービスらしい」




 えぇ?!たかが部屋一つ取れなかっただけで?!これもサービス?!

 スイートルームに、こんなに高い晩飯に・・・・このホテルの経営大丈夫か・・・?



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