君の小水が飲みたい

can

文字の大きさ
上 下
24 / 29

23、オーディン様の右目

しおりを挟む
 オレの混乱をよそに、ミーミルの泉に到着してしまった。
 オーディン様がオレをグラニの背中から降ろしてくれたけど、《番い》のショックからオレはまだ放心している。

「ミーミル伯父上、相談があって来た。まずコレで槍を作りたい」

「ん? ああコレで槍を作りたいんだな? ならば穂先にはルーン文字を入れるんだな。グングニルになるぞ」

「ルーン文字か? 生憎私には無理だ。知恵を貸してくれないか?」

「ん?! お前が持っているギャルの角笛はどこにあった?」

「ああ、やはり伯父上の物であったか。フギンが持ち帰って来た」

「ほう? オーディンはソレが何かわかっているのだろう?」

「ああ知っている。コレはヘイムダルのギャラルホン。そして泉の知識を得ることができる神器」

「グングニルにルーン文字を入れる為にソレを手に入れたんだな?」

「あ! 待ってミーミルさん! ソレはフギンがオレにくれたんだ!」

「リック。オーディンをかばうのか? フギンはオーディンの渡鴉。オーディンはフギンから情報を得て、ヴァーラスキャールヴのブリズスキャールヴに座り全てを見ていたはずだ」

「え? じゃあ、オーディン様は知っていた?」

待って、どこまでだ? オレが泉の水を飲んだことも知っているのか?

「リック? コレがギャラルホンだと知っているのか?」

セーフ! オレセーフだった!

「リックはソレをただの器ぐらいにしか思っていなかっただろう。私がアウズンブラのミルクをソレに入れて飲んだからな」

ミーミルさんナイスホロー! アイスに蜜酒たっぷりかけて献上しよう!

「そうか。ではミーミル伯父上、私に泉の水を飲ませて貰おう」

「オーディンよ、泉の水はタダではないぞ? そうだな、お前の右目を貰おうか」

「ミーミルさん?!」

「わかった。右目と引き換えにルーン文字の知識を」

オーディン様?!

「交渉成立だ。さあギャラルホンで泉の水を飲むがいい!」

「ゴクゴクゴクゴクッ……。グッガアアアアッ!」

「オーディン様! ミーミルさん、オーディン様の目が!」

「グラニ! お前の主人を連れて帰るが良い! そしてリック、治療はお前がしてやるが良い」

「え? ミーミルさん?」

「お前にはオーディンが必要か? ならば直してやるが良いぞ?」

「あ! はい! ありがとうミーミルさん!」

「オーディン、リックから小水を貰え」

ギャー! ミーミルさんオーディン様に言っちゃった!

「伯父上感謝する。リック頼んだ。グラニ帰るぞ」

 グラニが凄い速さでヴァルハラに帰って来た。

「オーディン様! 降ろしてください!」

「この方が早い。じっとしていろ」

 右目から血を流すオーディン様に抱っこされてオレは寝室に運ばれた。

「リック。貰うぞ」

「え? うわ! 待って、オーディン様?!」

 いやどんな早技?! オレの下半身をガッチリ抱えて、オーディン様がオレのを出した!

「さあ、リック。お願いしよう。私に君の小水をくれないか?」

 直飲みー! せめてコップに入れさせてー!
 ヒイィー! くわえて吸われてるー?!

「オッオーディン様! ダメ、ああああ!」

 ヤベエ! 出るー!


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...